韓国のロボット市場は「外華内貧」という言葉に要約される。外形だけ見れば韓国は世界的なロボット大国だ。労働者1万人当たり716台のロボットを活用し産業現場ロボット密度は世界1位だ。製造業用ロボット出荷台数もやはり世界的水準だ。韓国は2017年に3万9732台(IFR・2018年基準)の製造業用ロボットを作った。中国と日本に続く3位で、米国、ドイツより上位に位置している。
◇選手がいない
単純運搬、組み立てロボットを除くと話は変わる。2017年に製作された製造業用ロボットのうち先端技術が要求される協働ロボットは550台にすぎなかった。協働ロボットは労働者と動きを合わせられるロボットを意味する。精密センサーで労働者の状態を確認し、その時その時で動線を変えるのが特徴だ。
実生活をサポートするサービスロボット市場は大きくない。全ロボット市場5兆5255億ウォンの10%ほどである6072億ウォン規模にすぎない。それさえもロボット掃除機をはじめとする家事用ロボットが半分近い2317億ウォンを占めている。専門サービスロボットのうち市場らしい市場が形成されている分野は医療ロボット(834億ウォン)程度だ。ロボット業界で「まともな国産ロボットは産業用機械と掃除機だけ」という自嘲まじりの声が出ている背景だ。
専門家らは研究開発に資金を使う「選手」がいないと説明する。韓国のロボットメーカー2191社のうち中小企業に分類される企業が97.0%の2126社に達する。大企業は0.4%の8社だけだ。
零細企業は研究開発に神経を使う余裕がない。全ロボットメーカーのうち研究開発事業実績があるのは31%にすぎず、これら企業が使った費用は3794億ウォンにとどまった。昨年サムスン電子が使った研究開発費用18兆6000億ウォンの50分の1水準だ。そのうち2616億ウォンが政府支援金だった。高級人材も珍しい。2万9000人に達するロボット産業従事者のうち博士級研究開発人材は博士課程在学生含め493人だけだ。
◇規定がない
「配達の民族」ブランドで有名なウーワブラザーズのエンジニアは最近道路交通法の管理を受けない私有地を探すのが日課だ。道路テスト段階である自動運転配達ロボットをテストするためだ。
実際の道路試験は思いもよらない。無人移送ロボットと関連した法規定がないためだ。無人移送ロボットは車両に分類されておらず道路走行が不可能だ。歩道の通行もやはりできない。安全基準、速度などの規定が用意されていない。法と規定が科学技術発展に追いついていないのだ。
ウーワブラザーズ関係者は「配達ロボットの公共道路試験をこれ以上先送りするのは難しい状況。規制サンドボックス制度を活用し、規制を受けずに2年間技術をテストできる実証特例に挑戦する計画」と話した。
韓国のロボット関連規定はあちこちに穴が空いている。無人移送ロボットのように関連規定がない分野は少なくない。遠隔制御が可能な重装備ロボットが代表的だ。現行法上、重装備ロボットは建設機械に分類されるが義務的に運転者を置かなければならない。遠隔制御機能を入れる理由はないという話だ。この問題を解決するには運転者建設機械免許制度、建設機械安全規定などにまるごと手を加えなければならない。
産業研究院のチョン・マンテ専任研究員は「一定要件を備えた企業が自由に自動運転ロボットをテストできるようにした米国、遠隔制御ロボットに関連した法令をいち早く用意した欧州などをベンチマーキングする必要がある」と話した。
◇「マスタープラン」がない
韓国でロボット研究開発を総括する官庁は産業通商資源部だ。2009年に「第1次知能型ロボット基本計画」をまとめたのを始め5年ごとにロボット研究開発政策方向を立て直している。科学技術情報通信部と長く争った末に国家研究開発プロジェクトの主導権を握った。ロボットは基礎科学ではないという産業通商資源部の論理が通じたというのが科学技術界の説明だ。科学技術情報通信部はロボットの「頭脳」に当たる人工知能(AI)とアクチュエーター(モーターやセンサーなどで構成された駆動器モジュール)などロボット部品基礎研究だけ担当している。
製造業用ロボット研究開発と関連しては溝はあまりない。だがAIなど先端技術が結合したロボットと関連しては官庁間の勢力争いは相変わらずだ。産業通商資源部と科学技術情報通信部は昨年どうにか「ロボット・AI融合基本技術開発事業」を共同で進めることに合意した。ある工科大学のロボット担当教授は「AIロボットプロジェクトを産業通商資源部とやろうとすれば科学技術情報通信部から、科学技術情報通信部とやろうとすれば産業通商資源部から抗議がくる。AIロボット研究開発と関連したマスタープランがないというのが大きな問題」と話した。
基礎研究支援にさらに力を入れるべきという声も出ている。ロボットの関節に当たるアクチュエーターだけでなく、その中に入るモーターまで輸入に依存するほど基本技術が不足しているというのが専門家らの共通した指摘だ。
◇選手がいない
単純運搬、組み立てロボットを除くと話は変わる。2017年に製作された製造業用ロボットのうち先端技術が要求される協働ロボットは550台にすぎなかった。協働ロボットは労働者と動きを合わせられるロボットを意味する。精密センサーで労働者の状態を確認し、その時その時で動線を変えるのが特徴だ。
実生活をサポートするサービスロボット市場は大きくない。全ロボット市場5兆5255億ウォンの10%ほどである6072億ウォン規模にすぎない。それさえもロボット掃除機をはじめとする家事用ロボットが半分近い2317億ウォンを占めている。専門サービスロボットのうち市場らしい市場が形成されている分野は医療ロボット(834億ウォン)程度だ。ロボット業界で「まともな国産ロボットは産業用機械と掃除機だけ」という自嘲まじりの声が出ている背景だ。
専門家らは研究開発に資金を使う「選手」がいないと説明する。韓国のロボットメーカー2191社のうち中小企業に分類される企業が97.0%の2126社に達する。大企業は0.4%の8社だけだ。
零細企業は研究開発に神経を使う余裕がない。全ロボットメーカーのうち研究開発事業実績があるのは31%にすぎず、これら企業が使った費用は3794億ウォンにとどまった。昨年サムスン電子が使った研究開発費用18兆6000億ウォンの50分の1水準だ。そのうち2616億ウォンが政府支援金だった。高級人材も珍しい。2万9000人に達するロボット産業従事者のうち博士級研究開発人材は博士課程在学生含め493人だけだ。
◇規定がない
「配達の民族」ブランドで有名なウーワブラザーズのエンジニアは最近道路交通法の管理を受けない私有地を探すのが日課だ。道路テスト段階である自動運転配達ロボットをテストするためだ。
実際の道路試験は思いもよらない。無人移送ロボットと関連した法規定がないためだ。無人移送ロボットは車両に分類されておらず道路走行が不可能だ。歩道の通行もやはりできない。安全基準、速度などの規定が用意されていない。法と規定が科学技術発展に追いついていないのだ。
ウーワブラザーズ関係者は「配達ロボットの公共道路試験をこれ以上先送りするのは難しい状況。規制サンドボックス制度を活用し、規制を受けずに2年間技術をテストできる実証特例に挑戦する計画」と話した。
韓国のロボット関連規定はあちこちに穴が空いている。無人移送ロボットのように関連規定がない分野は少なくない。遠隔制御が可能な重装備ロボットが代表的だ。現行法上、重装備ロボットは建設機械に分類されるが義務的に運転者を置かなければならない。遠隔制御機能を入れる理由はないという話だ。この問題を解決するには運転者建設機械免許制度、建設機械安全規定などにまるごと手を加えなければならない。
産業研究院のチョン・マンテ専任研究員は「一定要件を備えた企業が自由に自動運転ロボットをテストできるようにした米国、遠隔制御ロボットに関連した法令をいち早く用意した欧州などをベンチマーキングする必要がある」と話した。
◇「マスタープラン」がない
韓国でロボット研究開発を総括する官庁は産業通商資源部だ。2009年に「第1次知能型ロボット基本計画」をまとめたのを始め5年ごとにロボット研究開発政策方向を立て直している。科学技術情報通信部と長く争った末に国家研究開発プロジェクトの主導権を握った。ロボットは基礎科学ではないという産業通商資源部の論理が通じたというのが科学技術界の説明だ。科学技術情報通信部はロボットの「頭脳」に当たる人工知能(AI)とアクチュエーター(モーターやセンサーなどで構成された駆動器モジュール)などロボット部品基礎研究だけ担当している。
製造業用ロボット研究開発と関連しては溝はあまりない。だがAIなど先端技術が結合したロボットと関連しては官庁間の勢力争いは相変わらずだ。産業通商資源部と科学技術情報通信部は昨年どうにか「ロボット・AI融合基本技術開発事業」を共同で進めることに合意した。ある工科大学のロボット担当教授は「AIロボットプロジェクトを産業通商資源部とやろうとすれば科学技術情報通信部から、科学技術情報通信部とやろうとすれば産業通商資源部から抗議がくる。AIロボット研究開発と関連したマスタープランがないというのが大きな問題」と話した。
基礎研究支援にさらに力を入れるべきという声も出ている。ロボットの関節に当たるアクチュエーターだけでなく、その中に入るモーターまで輸入に依存するほど基本技術が不足しているというのが専門家らの共通した指摘だ。
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