また葬儀場に行った。死を記事で扱うのは文在寅（ムン・ジェイン）政権になって３度目だ。２０１７年に辺昶勲（ビョン・チャンフン）部長検事の納骨堂を訪れ、２０１８年の李載寿（イ・ジェス）前国軍機務司令官に続いて、今度は趙亮鎬（チョ・ヤンホ）韓進グループ会長の葬儀だ。３人の死には共通点がある。過酷な捜査を受けている途中だった。「積弊」というフレームにはめられた検事と軍人は身を投げて霊魂の自由をとった。大企業の会長は公式的には「病死」だった。しかしそれをそのまま受け入れない人たちが多い。国家権力の誤用・乱用による死ではないのかという見方もある。娘と妻の言動に対して１１の権力機関が捜査・調査を始め、個人を越えて企業問題に捜査を拡大すると、国民年金公団の「スチュワードシップコード」発動で経営から排除された。その衝撃が大きかったということだ。大韓航空代表取締役の再任が否決されてから１０日後の死、その中をのぞいた。

葬儀２日目の１３日午後６時、ソウル新村（シンチョン）セブランス病院の葬儀場。夫人の李明姫（イ・ミョンヒ）氏の姿は見えず、長男の趙源泰（チョ・ウォンテ）大韓航空社長、長女の趙顕娥（チョ・ヒョンア）前副社長、次女の趙顕ミン（チョ・ヒョンミン）前専務がいた。国を騒がせたいくつかの事件の震源とは思えないほど３人は落ち着いていて静かだった。

葬儀場の雰囲気も広さと花が多く並んでいる点を除いて一般の人の葬儀とそれほど変わらなかった。


前のテーブルに趙顕ミン氏、後ろのテーブルに喪主の趙源泰氏、斜めのテーブルに趙顕娥氏がいた。その一人が立ち上がるたびに視線が向かった。みんな身長が高くて目立つからだ。機内食担当役職員らを迎えた趙顕娥氏が立ち上がると、一行の一人が「お姉さん、元気を出してください」と声をかけた。趙顕娥氏は苦笑で応えた。取材目的も兼ねていたが、喪主にお悔やみの言葉をかけると、「ありがとうございます」と短い言葉が返ってきた。尋ねたいことは多かったが、控えた。父親を突然亡くした喪主がどういう話をするだろうか。ふと、文在寅（ムン・ジェイン）大統領の弔花が目に入った。

葬儀場にいる時間が長くなると、大韓航空の関係者の口は少しずつ開かれていった。故人を回顧することから始まった。「会長は会社で最も熱心に仕事をしていた。航空会社の特性上、電子メール決裁システムが早期に導入された。一度、土曜日午前４時ごろ報告メールを送ったが、３０分後に返信があって驚いた。その時刻に起きているとは思っていなかった」（Ａ役員）

「趙会長の生涯は３つの言葉に凝縮される。家族、会社、親孝行だ。酒は一杯も飲まず、たばこは１本も吸わなかった。スーツやネクタイも２０－３０年前のものをそのまま身につけていた。靴も長く履いて、質素な方だった。職員に厳しかったが、整備士よりも整備をより知り、飛行機も操縦する。政経癒着もない。そのために朴槿恵（パク・クネ）政権当時は崔順実（チェ・スンシル）に憎まれ、突然、平昌（ピョンチャン）冬季オリンピック組織委員長から辞任させられ、今の政権では会長職から外された」（Ｂ役員）

自然な流れで捜査誤用・乱用問題に移った。「罪刑法定主義、罪に合う刑罰をしてこそ承服する。コップ事件以降、警察広域捜査隊が趙前専務の特殊暴行、業務妨害、関税法違反などを調べたが、嫌疑なしで終わった。別件、別件、別件捜査が続いた。家族の誰も拘束されず、家長を企業から引き下ろした格好ではないのか。ギネスブックに載るような話だ。コップ投げて経営権が奪われた。会社は１３期連続で営業利益を出していたが。捜査が行われた１年半に趙会長は体重が１２キロも減り、合う服がなかった。顔はすっかりやつれてしまった」。



長男の大韓航空社長「会長の名誉、必ず回復を」（２）