昨年9月6日明け方、震度7の強震が北海道を襲った。地域の火力発電所が地震で打撃を受けると、一瞬にして北海道全域への電気供給がストップする「ブラックアウト」が発生した。自社発電施設を稼働したNHKは直ちに災害放送体制に入った。ところでNHKアナウンサーの異例の呼び掛けに耳がピンと立った。
「今から伝える情報を被害地域にいる方々に伝えてください」
北海道の住民たちは「ブラックアウト」でテレビをつけることができないので、他の地域にいる人々がSNSや携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で情報を伝えてほしいということだった。災害放送は被害地域住民を対象にするという常識を破った発想だった。
実際、電気の供給がストップしても通信網はまだ動いているところが多かったので、災害情報は携帯電話やSNSに乗って災害地域に入っていった。「全国的に伝えることが結局は被害地域のためになる」というNHKの判断は間違っていなかった。
災難・災害がたびたび起こる日本では、災害放送の重要性をいくら強調してもしすぎるとは考えない。数多くの経験を通じて得た結論だ。資金と人材と時間投資を惜しまない。メディア界では「災難・災害担当記者がエース記者」という言葉があるほどだ。
民間放送局も例外でない。北海道地震当時、テレビ朝日のアナウンサーがカメラの前に立ったのは地震発生からたった4分後だった。午前3時8分に地震が発生し、気象庁から震央地や震度などの地震情報が到着したのはそれから2分後。テレビ画面にはすでに速報が流れていて、3時12分にはアナウンサーの音声で情報が伝えられた。
災害状況ではSNSのほうが活躍しそうだが、依然としてテレビ放送局の役割は有効だ。特にフェイク情報とフェイクニュースが出回る時、中心を捉えて正確な情報を伝えるのはテレビの役割だ。「外国人が物を略奪する」などの悪意のフェイクニュースだけでなく、どのガソリンスタンドが営業を再開したか、いつから給水が再開されるかなどのような、命に直結するような情報も災害放送はすべて含んでいる。
先週、韓国北東部の江原道(カンウォンド)地域で発生した大型山火事に対する放送局の報道形態をめぐって批判が相次いでいる。消防当局が対応最高水準である3段階を発令して全国の消防車が緊急動員されている災害状況にも、地上波放送はのんびりとドラマやバラエティを流していたという指摘だ。
北海道地震の災害放送事例を見ると、問題は予算や人材、装備不足ではないようだ。韓国の放送局が進むべき道はまだまだ遠そうだ。
ユン・ソルヨン/東京特派員
「今から伝える情報を被害地域にいる方々に伝えてください」
北海道の住民たちは「ブラックアウト」でテレビをつけることができないので、他の地域にいる人々がSNSや携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で情報を伝えてほしいということだった。災害放送は被害地域住民を対象にするという常識を破った発想だった。
実際、電気の供給がストップしても通信網はまだ動いているところが多かったので、災害情報は携帯電話やSNSに乗って災害地域に入っていった。「全国的に伝えることが結局は被害地域のためになる」というNHKの判断は間違っていなかった。
災難・災害がたびたび起こる日本では、災害放送の重要性をいくら強調してもしすぎるとは考えない。数多くの経験を通じて得た結論だ。資金と人材と時間投資を惜しまない。メディア界では「災難・災害担当記者がエース記者」という言葉があるほどだ。
民間放送局も例外でない。北海道地震当時、テレビ朝日のアナウンサーがカメラの前に立ったのは地震発生からたった4分後だった。午前3時8分に地震が発生し、気象庁から震央地や震度などの地震情報が到着したのはそれから2分後。テレビ画面にはすでに速報が流れていて、3時12分にはアナウンサーの音声で情報が伝えられた。
災害状況ではSNSのほうが活躍しそうだが、依然としてテレビ放送局の役割は有効だ。特にフェイク情報とフェイクニュースが出回る時、中心を捉えて正確な情報を伝えるのはテレビの役割だ。「外国人が物を略奪する」などの悪意のフェイクニュースだけでなく、どのガソリンスタンドが営業を再開したか、いつから給水が再開されるかなどのような、命に直結するような情報も災害放送はすべて含んでいる。
先週、韓国北東部の江原道(カンウォンド)地域で発生した大型山火事に対する放送局の報道形態をめぐって批判が相次いでいる。消防当局が対応最高水準である3段階を発令して全国の消防車が緊急動員されている災害状況にも、地上波放送はのんびりとドラマやバラエティを流していたという指摘だ。
北海道地震の災害放送事例を見ると、問題は予算や人材、装備不足ではないようだ。韓国の放送局が進むべき道はまだまだ遠そうだ。
ユン・ソルヨン/東京特派員
この記事を読んで…