ヒップホップデュオのXXX
20日、韓国ヒップホップアワーズで今年のヒップホップアルバムとしてXXXの『Language』が選ばれたのは、だからこそ深い意味がある。2012年ヒップホップサイトで会ったラッパーのキム・シムヤ(24)とプロデューサーのフランク(26)が自力で主流の隊列に上った。
彼らの真価に先に気づいたのは米国だ。米国音楽ウェブマガジン「Pitchfork」は昨年11月にリリースされた初のフルアルバム『Language』に評点7.3点を、今年2月の後続アルバム『Second Language』に7.5点をつけた。CD2枚組で構成されているダブルアルバムが韓国音盤のうち最高点を記録および更新した。「韓国の典型的かつ派手なラップ音楽の代案」(Pitchfork)、「K-POPの既存の公式と正反対に位置する音楽」(Billboard)などの評価だ。
彼らが登場する場所も多くなった。今月13日には米国テキサスの音楽・映像フェス「SXSW」のステージに上がった。2017年に続き2回目だ。公演を終えてソウルで会ったXXXは、このような関心に「うれしさより寂しさがのほうが大きい」とした。「韓国で生まれて育ってこれまで生きてきたじゃないですか」(フランク)、中国・オーストラリア・米国などで育ったキム・シムヤは「韓国市場を望んでいたが韓国が僕たちの音楽を望まなかった。韓国のタイトルを掲げて海外に出て行くのが不公平な側面があるようだ」と説明した。
「事実、すべてのことが逆説的だと思う。アイドルが韓国市場を占領している状況が嫌だが、だからこそ僕たちに目を留めてもらったと考える。すべてのジャンルに等しく光を当てる市場なら見えなかったかもしれない。アルバムもそうだ。ミニアルバム『交尾』を出した時は英語がとても多くて聞き取れないという意見が多かった。そのため韓国語をもっと多く使ったところ外国のほうでうまくいっている。不思議でしょう?」(キム・シムヤ)
アルバム『Language』はこれまで感じていた理想と現実の乖離が余すことなく表現されている。「通じそうで通じない誇示は厄介者」(『秀作』)、「ナントカみたいな韓国は俺の音楽を嫌う」(『間奏曲』)、「We do notspeak the same language」(俺らは同じ言語を話さない、『ランゲージ』)と叫ぶにもかかわらず、多くの人々がこれに反応した。トゲのある歌詞が耳にささるのがむしろ気持ちがすっきりするという。トラップ・EDM・テクノなど幅広いジャンルを取り入れたビートも印象的だ。フランクは「ヒップホップはもともと他の音楽をサンプリングして誕生したジャンルなので、区分そのものが無意味だと思う」と話した。
これからはXXXにもっと会うことができるだろうか。2人は首を横に振った。「XXXの作業をする時は怒りに酔っていた。それぞれの曲は怒りで満ちているが、その歌詞で公演をするとひどく感情を消耗する」(キム・シムヤ)、「XXXのアルバムはいつもは会えない限定版のような感じになってほしい」(フランク)と言って、今年は各自ソロ作業に集中する計画だ。キム・シムヤは「これまで戦場で戦死する覚悟でずっと戦ってきたが、もうちょっと歌うのが楽な音楽をしたい」と話した。フランクは「極と極は通じるというが、怒りが極に達した時に愛に対して考えるようになった。さまざまな種類の愛の物語を収録したアルバムになるだろう」と話した。
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