1月に韓国経済新聞編集局に見慣れない番号の国際電話が何度かかかってきた。発信者は米バージニア州投資誘致担当公務員。彼は「農心がロサンゼルスに続き米国に第2工場を作る」という韓国経済新聞の1月11日付報道に対する詳しい説明を聞きたいと話した。それから「バージニア州が切実に望んでいると農心に伝えてほしい」と頼んできた。現地時間の明け方2~3時にかかってきた電話だった。
各国が韓国企業の生産基地を誘致するために力を入れている。高い人件費と各種規制、強硬な労組などを避け「脱韓国」に乗り出す韓国企業が増加している点を狙ったとの分析が出ている。
各国が提示するインセンティブは破格だ。SKイノベーションは最近米ジョージア州コマース市にバッテリー工場を作る見返りとして「法人税一部減免+土地無償使用+工場敷地平坦化費用免除+人材採用・教育支援」などパッケージで優遇を受けた。インセンティブ規模は投資額16億7000万ドルの30%に達するという。韓国大企業関係者は「半導体とディスプレーを除くとこの10年ほどの間に国内に新たにできた大型工場はほとんどない。各国がこうした事実を知って海外進出を念頭に置いた韓国企業を訪ね歩き『ラブコール』を送っている」と話した。
韓国経済研究院によると、韓国企業の海外直接投資(ODI)金額は2009年の209億ドルから昨年は498億ドルと10年間で2.4倍に増加した。昨年のODI金額は外国人の国内直接投資金額(FDI)170億ドルの3倍に迫った。このようにこの10年間で海外に抜け出た純投資金額(ODI-FDI)は2196億ドルに達する。
企業に対する公務員と政治家の姿勢から変わらなければならないという指摘も出ている。経済界関係者は「夏林(ハリム)が進出した米メリーランド州の州知事は数年前に『鶏肉加工過程で出る廃水が飲用水を汚染させる恐れがある』という疑惑が起きると直接水道水を飲んで住民を説得した。昨年LG化学が全羅南道羅州(チョンラナムド・ナジュ)に作ろうとしていた可塑剤工場が環境汚染を懸念する一部住民の反対と羅州市の傍観で失敗に終わったのとは対照的だ」と話す。
◇買収合併も「脱韓国」…「海外企業買収、選択ではなく生き残りの問題」
買収合併市場にも「脱韓国」の風が吹いている。韓国企業よりも海外企業買収に視線を転じる雰囲気だ。
韓国経済新聞の資本市場専門メディアであるマーケットインサイトが集計した2018年の取引実績順位によると、昨年韓国で進められた大型買収合併12件のうち4件が韓国企業による海外企業買収だった。昨年最大規模だったKCC、ウォンイクグループ、SJLパートナーズのコンソーシアムによる世界3大シリコン会社モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ買収をはじめ、4位、7位、12位の大型取引はすべて海外企業の買収合併だった。金額では7兆4731億ウォンで上位12件の買収合併19兆1520億ウォンのうち39%を占めた。残りはほとんどがプライベート・エクイティ・ファンド(PEF)運用会社が主導した取引で、純韓国企業同士の買収合併は韓国コルマーがCJヘルスケアを買収したのが唯一だった。買収合併を通じて新たな成長動力を求めようとする大企業の視線がすべて海外に注がれているという意味だ。
4~5年前までも海外企業の買収合併は珍しかった。規模も5000億ウォンを超えなかった。最近になり雰囲気が変わった。1兆ウォン単位の取引が相次いでいる。韓国最大の買収合併記録も2016年に米ハーマンを9兆3000億ウォンで買収したサムスン電子が保有している。このように海外企業の買収合併規模はますます大きくなるのに比べ韓国企業の買収合併はPEF関連取引でなければ内部取引規制を避けようとする大企業の子会社と事業部売却がすべてという分析まで出ている。
SJLパートナーズのイム・ソクチョン代表は「海外企業買収はいまや選択ではなく生き残りに向けた必須打開策になったため」と説明した。韓国企業が▽過度な規制▽硬直し反企業的な労組▽飽和した韓国市場の厳しい競争などを理由に韓国市場を離れるほかない環境に置かれたということだ。
これまで韓国の大企業は海外買収合併に消極的だった。韓国の企業文化を被買収企業にそのまま移植しようとして失敗した事例が多かったためだ。サムスンの米ASTリサーチ買収とLGの米テレビ製造会社ゼニス買収などが代表的だ。だが海外買収合併が必須戦略になり他の企業またはPEFとコンソーシアムを構成してリスクを減らす方向に韓国企業の戦略も進化している。KCCとウォンイクグループがSJLというPEFを前面に出してモメンティブを買収し、CJ第一製糖が米冷凍食品業者シュワンズを買収しPEFとコンソーシアムを構成し買収資金負担を低くしたのがここに属する。イム代表は「海外買収合併を通じ新たな成長動力を探そうとする韓国大企業と中堅企業の要請はますます増えている」と話した。
各国が韓国企業の生産基地を誘致するために力を入れている。高い人件費と各種規制、強硬な労組などを避け「脱韓国」に乗り出す韓国企業が増加している点を狙ったとの分析が出ている。
各国が提示するインセンティブは破格だ。SKイノベーションは最近米ジョージア州コマース市にバッテリー工場を作る見返りとして「法人税一部減免+土地無償使用+工場敷地平坦化費用免除+人材採用・教育支援」などパッケージで優遇を受けた。インセンティブ規模は投資額16億7000万ドルの30%に達するという。韓国大企業関係者は「半導体とディスプレーを除くとこの10年ほどの間に国内に新たにできた大型工場はほとんどない。各国がこうした事実を知って海外進出を念頭に置いた韓国企業を訪ね歩き『ラブコール』を送っている」と話した。
韓国経済研究院によると、韓国企業の海外直接投資(ODI)金額は2009年の209億ドルから昨年は498億ドルと10年間で2.4倍に増加した。昨年のODI金額は外国人の国内直接投資金額(FDI)170億ドルの3倍に迫った。このようにこの10年間で海外に抜け出た純投資金額(ODI-FDI)は2196億ドルに達する。
企業に対する公務員と政治家の姿勢から変わらなければならないという指摘も出ている。経済界関係者は「夏林(ハリム)が進出した米メリーランド州の州知事は数年前に『鶏肉加工過程で出る廃水が飲用水を汚染させる恐れがある』という疑惑が起きると直接水道水を飲んで住民を説得した。昨年LG化学が全羅南道羅州(チョンラナムド・ナジュ)に作ろうとしていた可塑剤工場が環境汚染を懸念する一部住民の反対と羅州市の傍観で失敗に終わったのとは対照的だ」と話す。
◇買収合併も「脱韓国」…「海外企業買収、選択ではなく生き残りの問題」
買収合併市場にも「脱韓国」の風が吹いている。韓国企業よりも海外企業買収に視線を転じる雰囲気だ。
韓国経済新聞の資本市場専門メディアであるマーケットインサイトが集計した2018年の取引実績順位によると、昨年韓国で進められた大型買収合併12件のうち4件が韓国企業による海外企業買収だった。昨年最大規模だったKCC、ウォンイクグループ、SJLパートナーズのコンソーシアムによる世界3大シリコン会社モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ買収をはじめ、4位、7位、12位の大型取引はすべて海外企業の買収合併だった。金額では7兆4731億ウォンで上位12件の買収合併19兆1520億ウォンのうち39%を占めた。残りはほとんどがプライベート・エクイティ・ファンド(PEF)運用会社が主導した取引で、純韓国企業同士の買収合併は韓国コルマーがCJヘルスケアを買収したのが唯一だった。買収合併を通じて新たな成長動力を求めようとする大企業の視線がすべて海外に注がれているという意味だ。
4~5年前までも海外企業の買収合併は珍しかった。規模も5000億ウォンを超えなかった。最近になり雰囲気が変わった。1兆ウォン単位の取引が相次いでいる。韓国最大の買収合併記録も2016年に米ハーマンを9兆3000億ウォンで買収したサムスン電子が保有している。このように海外企業の買収合併規模はますます大きくなるのに比べ韓国企業の買収合併はPEF関連取引でなければ内部取引規制を避けようとする大企業の子会社と事業部売却がすべてという分析まで出ている。
SJLパートナーズのイム・ソクチョン代表は「海外企業買収はいまや選択ではなく生き残りに向けた必須打開策になったため」と説明した。韓国企業が▽過度な規制▽硬直し反企業的な労組▽飽和した韓国市場の厳しい競争などを理由に韓国市場を離れるほかない環境に置かれたということだ。
これまで韓国の大企業は海外買収合併に消極的だった。韓国の企業文化を被買収企業にそのまま移植しようとして失敗した事例が多かったためだ。サムスンの米ASTリサーチ買収とLGの米テレビ製造会社ゼニス買収などが代表的だ。だが海外買収合併が必須戦略になり他の企業またはPEFとコンソーシアムを構成してリスクを減らす方向に韓国企業の戦略も進化している。KCCとウォンイクグループがSJLというPEFを前面に出してモメンティブを買収し、CJ第一製糖が米冷凍食品業者シュワンズを買収しPEFとコンソーシアムを構成し買収資金負担を低くしたのがここに属する。イム代表は「海外買収合併を通じ新たな成長動力を探そうとする韓国大企業と中堅企業の要請はますます増えている」と話した。
この記事を読んで…