ソウルの国際金融ハブ競争力ランキングが3年6カ月ぶりに世界の主要都市で6位から36位に急落した。アジアでも中国と日本の主要都市に遅れを取り10位圏外に押し出された。
各国が金融産業育成に向け走っているが韓国は金融公企業の地方移転と各種ポピュリズム政策など政治論理が金融産業を押さえ付け競争力が後退していると分析された。
英コンサルティンググループのZ/Yenが18日に公開した国際金融センター指数(GFCI)調査結果によると、ソウルは世界112都市のうち36位となった。GFCIは世界の金融産業従事者を対象にしたオンラインアンケート調査と、世界銀行と世界経済フォーラム(WEF)など外部機関が評価する▽ビジネス環境▽人的資源▽インフラ▽金融産業発展▽一般競争力――の5分野の指数を総合して算出する。2007年から毎年3月と9月の2回発表されるGFCIは世界の主要都市の金融ハブ競争力を測定する代表的な指数に挙げられる。
今回の調査でソウルは昨年9月の33位より3段階下落した。調査が始まってから最も高い順位を記録した2015年9月の6位と比較すると30段階落ちた。10年前の2009年9月の35位と似た水準だ。アジアの都市の中でもソウルは11位にとどまった。アジアトップ10都市では香港、シンガポール、台北をはじめ、中国が上海、北京、深セン、広州、青島の5都市、日本は東京と大阪の2都市が含まれた。
ソウルとともに金融ハブに指定された釜山(プサン)は46位で、昨年9月の44位より2段階下落した。最高順位を記録した2015年3月の24位と比較すると22段階落ちた。
◇「金融ハブ分散」でソウルの競争力低下…アジア10位圏外に
ソウルの国際金融センター指数(GFCI)順位が2015年9月の6位から今年は36位と3年6カ月で30段階落ち込んだのは、韓国政府が金融ハブをソウルと釜山で同時推進した結果と金融界は分析している。金融インフラ集積を通じたグローバル金融会社誘致の代わりに地方均衡発展を名分に掲げて金融競争力が低下したという話だ。こうした渦中に政界では国策銀行の追加地方移転を推進している。ここに第3金融ハブ指定を要求する声まで出ており韓国では金融ハブがはるかに遠いという指摘が出る。
◇ソウルはアジアでも認められず
ソウルは2000年代初めまでしても金融ハブと言うのもきまり悪かった。通貨危機を体験してからいくらも経っていない上に金融インフラも劣悪だったためだ。当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は金融産業を育成するため2003年12月にソウルを「北東アジア金融ハブ」として育てようというビジョンを提示した。汝矣島(ヨイド)にソウル国際金融センター(IFC)を作ろうというアイデアもこの時に出てきた。
だがソウルの金融ハブ競争力順位は30~50位圏にとどまった。2009年9月だけでも35位だった。ソウルの順位が急に上がったのは汝矣島にオフィス3棟と一流ホテル、大型ショッピングモールが含まれたIFCが2013年に完工してからだ。その後外国金融会社の入居が始まり金融ハブとしての可能性を認められた。Z/Yenは2015年9月に過去最高である6位と評価した。当時ソウルは▽ビジネス環境▽人的資源▽インフラ▽金融産業発展▽一般競争力の5分野の評価のうちインフラ項目で最も高い点数を受けた。
だがその後は急落し始めた。アジアでも11位に押し出された。専門家らはソウルと釜山に分散した金融ハブ戦略がこうした結果をもたらしたとみている。金融研究院長を務めたソウル市立大学経営学部の尹暢賢(ユン・チャンヒョン)教授は「金融競争力を強化するには集積されたインフラを通じてグローバル金融会社を誘致する戦略が必要だ。しかし政府はこれまで金融ハブを金融競争力強化ではなく均衡発展の観点から推進してきた」と指摘した。
2014~2015年に住宅金融公社と預託決済院、資産管理公社、信用保証基金、国民年金公団などを地方に移転した。その後地方移転にともなう非効率性が提起され順位が急速に落ちた。国民年金基金運用本部は移転後に人材が20%ほど退社している。
◇全州も第3の金融ハブに指定か
一部金融公企業が移転した釜山も順位が落ちたのは同様だ。今回の調査で釜山は46位で、最高順位を記録した2015年3月の24位と比較すると22段階落ちた。
こうした状況でも政界では第3の金融ハブ指定が議論されている。全羅北道(チョンラブクド)の全州市(チョンジュシ)と完州郡(ワンジュグン)一帯に2016年末に造成された革新都市をソウルと釜山に続く第3の金融都市として育成するという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の候補時代の公約を履行するためだ。
第3金融ハブ指定をめぐり全羅北道と釜山の政界と地域社会は鋭く対立している。全羅北道は文大統領の公約を履行しなければならないと要求するのに対し釜山市は国策銀行の追加移転を通じ釜山ムンヒョン金融団地の競争力をさらに強化すべきとしている。政界でも来年4月の総選挙を控え産業銀行と輸出入銀行、中小企業銀行の3大国策銀行の地方移転を要求する法案発議が相次いでいる。
該当の国策銀行は激しく反発している。産銀労組も声明を通じ「産業銀行のような核心金融公共機関まで地方各地に分散させるのは金融政策を放棄し金融産業を捨てようというもの」と批判した。輸出入銀行の殷成洙(ウン・ソンス)頭取も今年初めの記者懇談会で「外交部と似た役割を持つ産業銀行の特殊性を考慮するとソウルにあるのが有利だ」と強調した。
ユン教授は「世界的金融都市であるニューヨークとロンドン、香港などに照らしてみると金融ハブは金融インフラが集積されたところを中心に置いてこそ金融競争力が強化できる」と強調した。
各国が金融産業育成に向け走っているが韓国は金融公企業の地方移転と各種ポピュリズム政策など政治論理が金融産業を押さえ付け競争力が後退していると分析された。
英コンサルティンググループのZ/Yenが18日に公開した国際金融センター指数(GFCI)調査結果によると、ソウルは世界112都市のうち36位となった。GFCIは世界の金融産業従事者を対象にしたオンラインアンケート調査と、世界銀行と世界経済フォーラム(WEF)など外部機関が評価する▽ビジネス環境▽人的資源▽インフラ▽金融産業発展▽一般競争力――の5分野の指数を総合して算出する。2007年から毎年3月と9月の2回発表されるGFCIは世界の主要都市の金融ハブ競争力を測定する代表的な指数に挙げられる。
今回の調査でソウルは昨年9月の33位より3段階下落した。調査が始まってから最も高い順位を記録した2015年9月の6位と比較すると30段階落ちた。10年前の2009年9月の35位と似た水準だ。アジアの都市の中でもソウルは11位にとどまった。アジアトップ10都市では香港、シンガポール、台北をはじめ、中国が上海、北京、深セン、広州、青島の5都市、日本は東京と大阪の2都市が含まれた。
ソウルとともに金融ハブに指定された釜山(プサン)は46位で、昨年9月の44位より2段階下落した。最高順位を記録した2015年3月の24位と比較すると22段階落ちた。
◇「金融ハブ分散」でソウルの競争力低下…アジア10位圏外に
ソウルの国際金融センター指数(GFCI)順位が2015年9月の6位から今年は36位と3年6カ月で30段階落ち込んだのは、韓国政府が金融ハブをソウルと釜山で同時推進した結果と金融界は分析している。金融インフラ集積を通じたグローバル金融会社誘致の代わりに地方均衡発展を名分に掲げて金融競争力が低下したという話だ。こうした渦中に政界では国策銀行の追加地方移転を推進している。ここに第3金融ハブ指定を要求する声まで出ており韓国では金融ハブがはるかに遠いという指摘が出る。
◇ソウルはアジアでも認められず
ソウルは2000年代初めまでしても金融ハブと言うのもきまり悪かった。通貨危機を体験してからいくらも経っていない上に金融インフラも劣悪だったためだ。当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は金融産業を育成するため2003年12月にソウルを「北東アジア金融ハブ」として育てようというビジョンを提示した。汝矣島(ヨイド)にソウル国際金融センター(IFC)を作ろうというアイデアもこの時に出てきた。
だがソウルの金融ハブ競争力順位は30~50位圏にとどまった。2009年9月だけでも35位だった。ソウルの順位が急に上がったのは汝矣島にオフィス3棟と一流ホテル、大型ショッピングモールが含まれたIFCが2013年に完工してからだ。その後外国金融会社の入居が始まり金融ハブとしての可能性を認められた。Z/Yenは2015年9月に過去最高である6位と評価した。当時ソウルは▽ビジネス環境▽人的資源▽インフラ▽金融産業発展▽一般競争力の5分野の評価のうちインフラ項目で最も高い点数を受けた。
だがその後は急落し始めた。アジアでも11位に押し出された。専門家らはソウルと釜山に分散した金融ハブ戦略がこうした結果をもたらしたとみている。金融研究院長を務めたソウル市立大学経営学部の尹暢賢(ユン・チャンヒョン)教授は「金融競争力を強化するには集積されたインフラを通じてグローバル金融会社を誘致する戦略が必要だ。しかし政府はこれまで金融ハブを金融競争力強化ではなく均衡発展の観点から推進してきた」と指摘した。
2014~2015年に住宅金融公社と預託決済院、資産管理公社、信用保証基金、国民年金公団などを地方に移転した。その後地方移転にともなう非効率性が提起され順位が急速に落ちた。国民年金基金運用本部は移転後に人材が20%ほど退社している。
◇全州も第3の金融ハブに指定か
一部金融公企業が移転した釜山も順位が落ちたのは同様だ。今回の調査で釜山は46位で、最高順位を記録した2015年3月の24位と比較すると22段階落ちた。
こうした状況でも政界では第3の金融ハブ指定が議論されている。全羅北道(チョンラブクド)の全州市(チョンジュシ)と完州郡(ワンジュグン)一帯に2016年末に造成された革新都市をソウルと釜山に続く第3の金融都市として育成するという文在寅(ムン・ジェイン)大統領の候補時代の公約を履行するためだ。
第3金融ハブ指定をめぐり全羅北道と釜山の政界と地域社会は鋭く対立している。全羅北道は文大統領の公約を履行しなければならないと要求するのに対し釜山市は国策銀行の追加移転を通じ釜山ムンヒョン金融団地の競争力をさらに強化すべきとしている。政界でも来年4月の総選挙を控え産業銀行と輸出入銀行、中小企業銀行の3大国策銀行の地方移転を要求する法案発議が相次いでいる。
該当の国策銀行は激しく反発している。産銀労組も声明を通じ「産業銀行のような核心金融公共機関まで地方各地に分散させるのは金融政策を放棄し金融産業を捨てようというもの」と批判した。輸出入銀行の殷成洙(ウン・ソンス)頭取も今年初めの記者懇談会で「外交部と似た役割を持つ産業銀行の特殊性を考慮するとソウルにあるのが有利だ」と強調した。
ユン教授は「世界的金融都市であるニューヨークとロンドン、香港などに照らしてみると金融ハブは金融インフラが集積されたところを中心に置いてこそ金融競争力が強化できる」と強調した。
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