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【取材日記】国民の反発を招く韓国副首相の軽率な発言

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ここに一人の「言葉」のために不満を抱いている3人がいる。

#1.会社員アン・ジンヨンさん(40)は最近、頭を悩ませている。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政部長官が4日、「クレジットカードによる所得控除の縮小を検討する」と述べたからだ。アンさんは納税者連盟ホームページに接続して控除縮小に反対する署名に参加した。アンさんのようにカード所得控除を受ける会社員の反発が強まると、洪副首相は11日、「所得控除の縮小はまだ決まったことではない」と一歩後退した。アンさんは「クレジットカードをなくすことも真剣に考えていた。政府はあまりにも簡単に言葉を変えてしまう」と話した。

#2.会社員イ・ジヨンさん(37)は最近、混乱している。株式市場が良くないためファンドや預金に変えようと考えていたところ、証券取引税引き下げの話が聞こえてきたからだ。洪副首相は1月16日、「証券取引税引き下げを深く検討したことはない」と述べた。ところが同月30日には「証券取引税引き下げを積極的に検討する」と明らかにした。先月24日には「証券取引税廃止は事実でない」と発言していた。イさんは「私のような個人だけでなく外国人投資にも影響を及ぼす内容だが、右往左往するのでどう対応すればよいのか分からない」と語った。


#3.カーシェアリングスタートアップSoCarのイ・ジェウン代表(51)は先月15日、自分のフェイスブックに不満を表す長文を載せた。前日、洪副首相が「共有経済サービスは従来の利害関係者が反対する現実の考慮なしには導入しにくい。利害関係者との妥協を重視しなければいけない」と述べたからだ。イ代表の主張は次の通りだ。「洪副首相の発言は非常識だ。革新するという利害関係者と革新を阻止する利害関係者を集めてどんな大妥協を待つのか」。

クレジットカード所得控除の廃止は約1000万人に影響が出る波及力あるイシューだが、「嫌ならやめよう」というような発言で混乱を招いた。証券取引税イシューは税収減少を憂慮して引き下げに反対してきたが、政界の圧力に押されてさまよう姿だ。共有経済イシューは官に反旗を翻すことがほとんどない民間企業の反発を招いた。尹暢賢(ユン・チャンヒョン)ソウル市立大経営学部教授は「政府が決めた原則を世論の反応や政務的判断で変えるべきではない」と話した。

金利に影響を及ぼす米連邦準備制度理事会(FRB)議長や韓国銀行(韓銀)総裁は「忍耐心を持つ」「経済が容易でない」などと慎重な発言をする。市場に及ぼす影響を考慮しているからだ。国民が洪副首相の発言に敏感に反応するのは、彼がマクロ経済はもちろん国の財政を総括する「経済指令塔」だからだ。13日に就任100日を迎える洪副首相が自らの地位をもう少し重く受け止めることを望む。

キム・キファン/経済政策チーム記者



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