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【社説】韓国の粒子状物質災難、政府の存在理由を問う

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
養分、水、空気。そのうち1つでも無ければ死に、悪ければ病気になる。根本的な真理だ。実際、その他の全ては生命にとって副次的だ。1952年12月に英国ロンドンで5日間続いたスモッグで6000人余りが死亡し、約10万人が病気に患った。今この瞬間、韓国でも粒子状物質に汚染された空気が人の寿命を減らしている。当座は大丈夫でも、体の中に蓄積した重金属物質がいつどのように命を脅かすかもしれない。大災難だ。

白んだ空気が大地を覆い、煙たい臭いが鼻を刺すのに、市民には防備策がない。ドアを閉めて空気清浄器の前に1日中座っているわけにもいかない。職場や学校に行かなければならない。南山(ナムサン)と漢拏山(ハルラサン)が目の前から消え、子供たちが空を青でなく灰色に描く現実で、私たちは無気力な日常を続けていく。空気清浄器のない学校に子供を送り出した母親は涙を流す。子供を育てるのが恐ろしく、息をすることすら自由でない国が恨めしい。この災難がいつ終わるかもわからず、ますます悲惨だ。空がきれいな国に移住したいという人があちこちにいる。新たな意味の「ヘル(hell)朝鮮」脱出への渇望だ。

市民は対策のない政府のために益々腹を立てている。粒子状物質の縮小を政府が初めて約束したのは2016年6月だ。その後1年は国が混乱の中にあったから仕方がないことにする。「粒子状物質30%節減」を公約した新政権が発足して22カ月が過ぎた。これまでしたことは携帯メールで大した意味のない警告を送ったことと車両運行の制限程度だ。中国の影響の精密調査、中国に対する外交的手段使用などは口だけだった。その間に北朝鮮問題のために中国に低姿勢を取っているのではないかという疑問が高まった。国内の火力発電を減らす措置は脱原発政策に遮られているが、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は原発の話を切り出せば怒る。ドグマ(独断的信条)のために人が死ぬ。


李洛淵(イ・ナギョン)首相は閣僚会議で「政府や地方自治体がまともに対処しているのか痛烈な反省が必要だ」と話した。李首相は粒子状物質対応の総括責任者だ。このような「幽体離脱」的発言に国民は怒っている。与党は「李明博(イ・ミョンバク)政権時にディーゼル車が増えた」とし、過去の政権に矛先を転じた。ディーゼル車の販売を許可したのは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時だ。景福宮(キョンボックン)が崩れたら大院君(テウォングン)の責任なのか。人のせいにするのを止めて自らやるべきことをやることを願う。

人材・予算を投じて必要なことをするのが政府の役目だ。国民の命を守ることにお金を使うからと言ってとがめる国民はいない。直ちに老朽したディーゼル車、火力発電の縮小など実質的な対応に尽力すべきだ。中国発の汚染物質を減らす方法も見出さなければならない。せめて熱心に何かをしているという信頼だけでも与えるべきだ。昨日、環境部長官の緊急報告を受けた文在寅(ムン・ジェイン)大統領が学校に大容量空気清浄機を設置する方案を設けるように指示した。非常低減措置が5日連続で発動されてから大統領の指示でこのようなことが行われるということ自体が無能な行政を象徴している。粒子状物質で詰まった国民の胸が政府のために益々もどかしい。



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