2017年6月24日、駐韓米国大使館前で開かれたTHAAD反対デモ(写真=中央フォト)
雨水すぎて啓蟄が近づく「蠢動する季節」に俗称主体思想派をはじめとする反米勢力の荒々しいスローガンが突如として少なくなっているのは少し変だ。反米スローガンは本当に消えたのか。反米勢力はどこで何を考えているだろうか。
ファクトチェックからしてみた。集会とデモに関する法律(集示法)により、大使館など外交公館100メートル以内でも要件を備えれば例外的に集会とデモができるが、最近ではソウル光化門(クァンファムン)の駐韓米国大使館周辺で主流メディアが注目するほどの反米デモを見かけることはほとんどない。特に、今年1月2日にドナルド・トランプ米国大統領が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長との2回目の米朝首脳会談場所の交渉事実を公開した後から最近まで、大規模な反米デモは事実上、姿を消した。
反米勢力が沈黙モードに入った最近の状況は、文在寅(ムン・ジェイン)政府執権序盤の雰囲気と比較してもあまりに異なる。「反米でもちょっとしてみてはどうか」と威勢よく出た盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の秘書室長出身であり政治的同志である文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2017年5月に就任すると韓国社会の反米運動は水を得た魚のようだった。特に、2017年4月26日に駐韓米軍が慶尚北道星州(キョンサンブクド・ソンジュ)にTHAAD(高高度ミサイル防衛)を電撃配備すると、「THAAD韓国配備阻止全国行動」所属のデモ隊3000人余りは同年6月24日、「THAADよ去れ、平和よ来い」を叫びながら19分間、「人間の鎖」で駐韓米国大使館建物を包囲した。前例のない包囲デモに驚いた米大使館側は「外交公館保護義務を規定したウィーン協約違反」としながら韓国政府に抗議した。
2017年8月15日、光化門(クァンファムン)広場一帯は反米勢力の解放区だった。この日、汎国民平和行動は駐韓米大使館前で「反米反戦歌」を歌った。「世界中の随所から米帝を駆逐しよう。この時代、民衆の道徳は反米反戦だけ」という歌が大韓民国の首都の真ん中で響き渡った。同年8月、トランプ大統領の「炎と怒り(fire and fury)」発言に刺激された北朝鮮の6回目の核実験(9月3日)、11月29日北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」発射強行のニュースで韓半島(朝鮮半島)戦争危機は最高潮に達した。反米指向の政府をバックにした左派デモ隊はトランプを「老いぼれ」(dotard)と皮肉りながら戦争威嚇の中断や米軍の撤収、終戦宣言、平和協定を叫んだ。
【コラム】韓国から「反米」が消えた? 「計算された反米失踪事件」追跡記(2)
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