終戦宣言は毒か、それとも薬か。今月末にベトナム・ハノイで開催される2回目の米朝首脳会談で扱われる北朝鮮非核化の議題が見えない。米国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表がソウルを訪問したが、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は閉口している。しかし2つのことは確実であるようだ。北朝鮮の完全な非核化の合意は難しいという点、終戦宣言に関するある種の措置が出てくるという予想だ。ビーガン代表をはじめとする米政府・軍関係者の発言から推測できる。韓国には2つとも負担だ。半分の非核化は核武装した北朝鮮を事実上認めることとなる。終戦宣言も危険をはらんでいる。
これまで米国が反対してきた終戦宣言は可視化する見通しだ。ビーガン代表が「トランプ大統領が『戦争は終わった』と語った」として終戦宣言を提起した点(1月31日)、ロバート・エイブラムス韓米連合司令官の「平和協定締結まで在韓米軍は駐留」(上院軍事委、2月13日)などで終戦宣言が前面に浮上した。エイブラムス司令官は昨年11月の就任当時、「韓半島の安保状況が変わっても国連司令部の解体や在韓米軍撤収はない」と述べたが、当時とニュアンスが全く違う。終戦宣言-平和協定に対する米国の立場が変わっている。国民大の朴徽洛(パク・フィラク)教授(政治大学院)は「トランプ-金正恩の2回目の首脳会談で終戦を宣言すればそれまでだ」と語った。米朝は最初の首脳会談でも終戦宣言を進めた。いま平和協定の入口の終戦宣言が現実に近づいている。
終戦宣言は韓国にとって罠にもなり機会として作用することも考えられる。冷戦後、東欧・中東・アフリカなど40カ国余りで300件の平和協定を締結し、このうち内戦の50%が平和協定を通じて解決した(キム・ドクジュ国立外交院教授)。しかし過去200年間を見ると内戦の20%だけが交渉で解決している。依然として冷戦構造中の南北は自由民主と共産独裁の体制葛藤と核兵器まで絡んでいて、はるかに複雑だ。このため韓半島(朝鮮半島)はどのケースよりも難しい状況だ。平和プロセスが失敗する可能性が高いということだ。
まず終戦宣言を機会と見る場合、北朝鮮を非核化の入口に誘引できるという利点がある。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の言葉のように終戦宣言は政治的な意味であり、南北信頼構築の基礎となる可能性がある。また、終戦宣言は平和協定に進む過程だ。過去の北アイルランドの平和構築過程でも「予備的な基礎協定-実質協定-履行協定」の3段階の過程を経た(ファン・スファン高麗大一民国際関係研究院教授)。終戦宣言は基礎協定に該当する。葛藤解決の意志と意図を探り、互いに信頼を形成する契機になる可能性がある。金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一研究院長は「終戦宣言は平和に向かって進むキングピン(kingpin)」と語った。終戦宣言が北朝鮮の非核化と体制保証を交換する核心的部分になるということだ。
しかし罠になるという懸念も強い。韓国戦争(朝鮮戦争)の終息を意味する終戦を宣言すれば韓米連合司令部を維持する名分が薄れる。連合司令部は北朝鮮の南侵に対応した作戦組織だ。したがって北朝鮮は終戦宣言の後に「戦争が終わったのに連合司令部が必要なのか」と異議を提起する可能性がある。その場合、韓米連合訓練は当然難しくなる。訓練をしない在韓米軍は戦闘部隊として存在価値がなくなる。その結果は連合戦闘力の弱化となる。国連司令部も同じだ。国連司令部は韓国戦争当時に南侵した北朝鮮軍を退治するために構成した部隊だ。また、終戦宣言で韓国内でも在韓米軍撤収の声が高まる可能性がある。国連司令部のウェイン・エア副司令官は昨年10月、ワシントンのカーネギー国際平和財団で「終戦宣言に合意すれば、理性よりも感情に流された人たちが国連司令部はもちろん在韓米軍の撤収まで主張する可能性がある」と述べた。エア副司令官は終戦宣言を「危険な道のり (slippery slope)」と表現した。
したがって北朝鮮の立場ではあえて平和協定まで行かなくても、終戦宣言だけで連合司令部と国連司令部を解体できる名分が生じる。韓米連合防衛システムが瓦解するということだ。エイブラムス司令官の「ファイト・トゥナイト(今夜にも戦う準備ができている)」スローガンが色あせる。終戦宣言は国連司令部の解体と無関係という政府の立場にも背く。文大統領は昨年9月、「終戦宣言は国連司令部の地位や在韓米軍の撤収などに全く影響がない」と述べた。ところが北朝鮮は1974年から平和協定の締結、国連司令部の解体および在韓米軍の撤収を主張してきた。停戦協定を無効化して平和協定に転換し、国連司令部を解体するための北朝鮮の謀略もあった。
<Mr.ミリタリー>北、平和望むなら国連司令部解体と米軍撤収は要求するな(2)
これまで米国が反対してきた終戦宣言は可視化する見通しだ。ビーガン代表が「トランプ大統領が『戦争は終わった』と語った」として終戦宣言を提起した点(1月31日)、ロバート・エイブラムス韓米連合司令官の「平和協定締結まで在韓米軍は駐留」(上院軍事委、2月13日)などで終戦宣言が前面に浮上した。エイブラムス司令官は昨年11月の就任当時、「韓半島の安保状況が変わっても国連司令部の解体や在韓米軍撤収はない」と述べたが、当時とニュアンスが全く違う。終戦宣言-平和協定に対する米国の立場が変わっている。国民大の朴徽洛(パク・フィラク)教授(政治大学院)は「トランプ-金正恩の2回目の首脳会談で終戦を宣言すればそれまでだ」と語った。米朝は最初の首脳会談でも終戦宣言を進めた。いま平和協定の入口の終戦宣言が現実に近づいている。
終戦宣言は韓国にとって罠にもなり機会として作用することも考えられる。冷戦後、東欧・中東・アフリカなど40カ国余りで300件の平和協定を締結し、このうち内戦の50%が平和協定を通じて解決した(キム・ドクジュ国立外交院教授)。しかし過去200年間を見ると内戦の20%だけが交渉で解決している。依然として冷戦構造中の南北は自由民主と共産独裁の体制葛藤と核兵器まで絡んでいて、はるかに複雑だ。このため韓半島(朝鮮半島)はどのケースよりも難しい状況だ。平和プロセスが失敗する可能性が高いということだ。
まず終戦宣言を機会と見る場合、北朝鮮を非核化の入口に誘引できるという利点がある。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の言葉のように終戦宣言は政治的な意味であり、南北信頼構築の基礎となる可能性がある。また、終戦宣言は平和協定に進む過程だ。過去の北アイルランドの平和構築過程でも「予備的な基礎協定-実質協定-履行協定」の3段階の過程を経た(ファン・スファン高麗大一民国際関係研究院教授)。終戦宣言は基礎協定に該当する。葛藤解決の意志と意図を探り、互いに信頼を形成する契機になる可能性がある。金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一研究院長は「終戦宣言は平和に向かって進むキングピン(kingpin)」と語った。終戦宣言が北朝鮮の非核化と体制保証を交換する核心的部分になるということだ。
しかし罠になるという懸念も強い。韓国戦争(朝鮮戦争)の終息を意味する終戦を宣言すれば韓米連合司令部を維持する名分が薄れる。連合司令部は北朝鮮の南侵に対応した作戦組織だ。したがって北朝鮮は終戦宣言の後に「戦争が終わったのに連合司令部が必要なのか」と異議を提起する可能性がある。その場合、韓米連合訓練は当然難しくなる。訓練をしない在韓米軍は戦闘部隊として存在価値がなくなる。その結果は連合戦闘力の弱化となる。国連司令部も同じだ。国連司令部は韓国戦争当時に南侵した北朝鮮軍を退治するために構成した部隊だ。また、終戦宣言で韓国内でも在韓米軍撤収の声が高まる可能性がある。国連司令部のウェイン・エア副司令官は昨年10月、ワシントンのカーネギー国際平和財団で「終戦宣言に合意すれば、理性よりも感情に流された人たちが国連司令部はもちろん在韓米軍の撤収まで主張する可能性がある」と述べた。エア副司令官は終戦宣言を「危険な道のり (slippery slope)」と表現した。
したがって北朝鮮の立場ではあえて平和協定まで行かなくても、終戦宣言だけで連合司令部と国連司令部を解体できる名分が生じる。韓米連合防衛システムが瓦解するということだ。エイブラムス司令官の「ファイト・トゥナイト(今夜にも戦う準備ができている)」スローガンが色あせる。終戦宣言は国連司令部の解体と無関係という政府の立場にも背く。文大統領は昨年9月、「終戦宣言は国連司令部の地位や在韓米軍の撤収などに全く影響がない」と述べた。ところが北朝鮮は1974年から平和協定の締結、国連司令部の解体および在韓米軍の撤収を主張してきた。停戦協定を無効化して平和協定に転換し、国連司令部を解体するための北朝鮮の謀略もあった。
<Mr.ミリタリー>北、平和望むなら国連司令部解体と米軍撤収は要求するな(2)
この記事を読んで…