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文在寅政権の水素経済、夢だろうか現実だろうか(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
現在としては石油精製過程で出る副生水素と天然ガスを分解して得る水素が大部分だ。教科書に出ている水の電気分解(水電解)を通じて得られる水素はクリーンだが、まだ効率が低く実験室水準にとどまっている。天然ガスの主成分であるメタン(CH4)やガソリンの主成分オクタン(C8H18)の化学式でわかるように、水素を分離すれば温室効果ガスの核心元素である炭素もまた自然に出てくることになる。

それでも代案がないのではない。ドイツではすでに天然ガスを通じて水素を得ながらも大気中に温室効果ガスを排出しない技術を商用化した。天然ガスの主成分であるメタンガスに水蒸気(H2O)と二酸化炭素(CO2)を注入して温度を上げれば水素(H)と一酸化炭素(CO)に分離するが、この一酸化炭素をプラスチック原料として供給する方法だ。太陽光や風力、水力、原子力などで生産した電気がだぶついている時に水電解を通じて水素を生産する方法も依然として有効だ。安い費用で水を電気分解して水素を生産する研究は着実に続いている。KISTクリーン新技術研究所のハン・ジョンヒ所長は「韓国政府だけでなく全世界できれいな方式の水素生産に向けた研究開発投資を広げている。2030年ごろには経済性を備えた水電解水素生産技術が完成されるものとみられる」と話す。

◇「水素は効率落ちる」=反対論者らは天然ガスでタービンを回してすぐに電気を作って使うのがもっと効率的だと話す。天然ガスを分解して水素を作った後に再び酸素と反応させて電気を発生させる過程で効率が落ちるほかない点を指摘したものだ。彼らは水電解もやはり電気に水を分解して水素を作った後に再びこれを燃料電池に入れて電気を作るのは非効率的だと話す。代わりに二次電池を利用した電気充電所をたくさん作れば良いというのが彼らの主張だ。


ヤンイ処長は「天然ガスを燃焼させて発電すれば50%以上のエネルギーが電気に変わり、この時発生する熱まで暖房に利用すれば効率は90%以上上がる」と話す。

こうした論理は水素経済賛成論者もある程度認める。だが彼らは水素燃料電池自動車と電気自動車の長所と短所を挙げて水素の強みを力説する。水素自動車は相対的に充電時間が5分以内と速く、500~600キロメートルの長距離を走れる。

ハン所長は「電気自動車と比較すると水素自動車はサイズが大きいほど有利だ。電気自動車はサイズが大きくなるとバッテリーをさらに多く載せなければならないが、水素自動車は燃料電池に水素貯蔵タンクだけ追加で付ければ良いためだ」と説明した。彼は「バスやトラック、汽車は水素が有利で、小型・軽自動車は電気自動車が有利だ。どちらか一方を選ぶよりは、水素自動車と電気自動車が並存する道を探すのが賢明だ」と付け加えた。

◇「水素経済はトレンドではない」=水素経済は2000年代初めに一度世界的にブームを起こしたが、その後技術力不足と経済性確保などの問題から熱気が冷めたのが事実だ。だが水素経済ブームは再び起きる兆しを見せている。代表的な国が日本だ。日本政府は昨年水素社会実現に向けた水素基本戦略を立て、2050年までの水素社会ロードマップを確定した。水素経済に向けたインフラ普及は世界で最も先を行く。日本は昨年末基準で210基の水素ステーションを備えた。これに対し韓国はまだ14基しかない。水素自動車の商用化は韓国の現代自動車が最も先を行っているが、日本のトヨタは2014年に水素燃料電池乗用車「ミライ」を発売し、昨年2月基準で5800台以上を売った。販売台数で世界1位だ。ホンダも2016年に「クラリティ」を発売しトヨタを追撃している。

ドイツは昨年世界で初めて水素列車の試験運行をし、2040年までにディーゼル列車をすべて廃棄することにした。ドイツ政府は2030年までに水素自動車180万台、水素ステーション1000基の確保を目標にしている。中国も2017年に「水素イニシアチブ」を宣言し、電気自動車普及とは別に2030年までに水素自動車100万台、水素ステーション1000基の設置を目標に掲げた。

科学技術情報通信部のキム・ミンピョ基本技術課長は「水素は長所ほどにインフラ構築に資金が多くかかり、まだ技術的にも成熟でない点がある」としながらも、「主要国が再び水素経済を始動しているだけに、韓国が競争優位にある水素分野に率先して投資し未来成長動力を牽引していかなければならない」と話した。



文在寅政権の水素経済、夢だろうか現実だろうか(1)


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