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【コラム】木は韓国が植えて、果実は日本が…

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
すでに7年前のことだ。大規模な国際機関、緑の気候基金(Green Climate Fund=GCF)事務局を仁川(インチョン)松島(ソンド)に誘致したとして歓呼した。国連が地球温暖化による気候変動に対応する常設機関として発足させようとしたのだ。

お金があるところに心も視線も向かう。国際機関は多いが、お金を触れる国際機関は地位も関心も特別で、当時の韓国のGCF事務局誘致には世界の耳目が集中した。「韓国のクーデター」とも言われ、当時のオバマ米大統領は世界銀行総裁も韓国系であることに言及しながら「韓国が世界を支配する」とまで言った。とにかくこれは当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領の「グリーン成長」ブランド効果を受けたのが事実だ。ところがその後、韓国はGCF本部誘致国として何をしたのか、どのようなリーダーシップを見せたのか分からない。むしろ韓国の無関心と無能に対する不満の声ばかりがあちこちで聞こえてきた。

現在GCFは事務局長を公募中だ。今までの2人の事務局長はともに途中で辞任している。正確な内部事情は分からないが、目に見えるファクトだけでも苦難の歳月が見える。当初30億ドルの基金を出すことにした米国は10億ドルだけを出し、残りは出せないと開き直っている。GCFに基金を申請したプロジェクト申請機関は「未決定」で常時待機中だと不満を抱いている。韓国は第1期には理事として活動したが、第2期(2016-18年)には理事からも除外されて局外者となった。朴槿恵(パク・クネ)政権ではずっと「グリーン成長」を消そうとしたため気候変動関連陣営は疎外され、グローバルリーダーシップを云々する状況ではなかった。


ところが、こうした隙間に日本がこっそりと匙を入れようとしている。今回の事務局長の公募に最も熱心なのが日本という。日本政府は単一候補を公募に送り出した後、GCF側には「状況を眺めながら支援を出す可能性もある」という視線を送っているという。実際、米国が出さなかった20億ドルを埋める問題もドイツが最近15億ユーロを追加で出すことにして一段落ついたが、そのほかは依然として穴だらけだ。こうした状況で日本人事務局長が出てくれば日本が役割を果たしてくれるのではという期待が高まっている。

気候変動基金の活性化は歓迎すべきことだ。夏には気温40度、この冬にはPM2.5。化石燃料使用による気候変動だけでなく汚染まで環境の災難をそのまま受ける韓国には特にそうだ。このため日本でも立ち上がればありがたいことであり、大乗的な見地で拍手を送るのがクールだと考えられる。

しかしあまりにも引っかかる点が多い。日本がいつの間にか世界環境陣営に影響力を拡大するのが目に浮かぶからだ。現在、地球的環境問題投資と技術開発を支援する地球環境ファシリティ(Global Environment Facility=GEF)のCEOも日本人の石井菜穂子氏だ。今回のGCF事務局長まで日本人が引き受けることになれば、環境関連2大国際基金のトップはすべて日本が握る。

一方、韓国は「グリーン成長」ブランドの旗を大層に掲げておきながら、今では国際環境陣営で存在価値まで薄れている。人(李明博元大統領)が憎いからという理由で、久しぶりに出した世界に通じるブランドまで埋めてしまった姿だ。ブランドが惜しいという点だけが問題ではない。最近は気候変動に対する世界の見方が変わっている。米国のトランプ大統領は今回のパリ協定からも脱退すると宣言した。かつてブッシュ大統領が東京議定書脱退を宣言したようにだ。しかし米国現地の反応は10余年前と完全に違う。ブッシュ大統領当時は歓迎した米国産業界と地方政府が変わった。2500以上の地方政府、企業、大学などがパリ協定遵守を支持する「We are still in(我々はまだパリ協定に留まっている)」を結成し、トランプ政権に対抗している。気候変動の深刻性に同調する一方で、炭素低減技術の開発で遅れをとれば未来の産業はないという自覚からだ。また昨年まで197カ国がパリ協定細部規則の履行に合意した。

このようにグリーン成長関連アジェンダと市場は大きく拡張している。こうした状況で我々が先に獲得したブランドを政治的な恩怨で放置した歳月が悔やまれる。もちろん文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最近デンマークでグリーン成長の継承・発展を明らかにし、今年から韓国がGCF理事陣にも含まれるなど変化の兆しは見える。「グリーン成長」は久しぶりに韓国が世界に出した影響力のある政策ブランドだ。憎くてももう一度、大韓民国が地球的なリーダーシップの軸を担うモメンタムとして、このブランドを積極的に活用する案を真剣に悩んでみるべきではないだろうか。

ヤン・ソンヒ/論説委員/中央コンテンツラボ



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