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【社説】PM2.5災難…外交・産業の側面から「総体的対策」新たに立てるべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今年の冬に入り、最悪の「粒子状物質災難」が先週末から数日間にわたって大韓民国全域を襲った。

昨日午前、ソウルのPM2.5は昨年3月の歴代最高記録(99マイクログラム/立方メートル)を超えて2015年にPM2.5の観測を始めて以来、濃度の数値が最も高かった。老弱者(高齢者や体の不自由な人)はもちろんのこと、成人でも息をするのがやっとだと苦痛を訴えた。このような大気が続けば、老弱者の「粒子状物質惨事」も懸念せざるをえなくなる。粒子状物質は健康問題だけではなく、零細自営業者の生計に打撃を与える切迫した民生問題でもある。

だが政府の対応を見ると、緊迫感が全く感じられないほどで、もどかしい。政府が出した対策というのは、環境部名義で土曜日だった12日午後5時ごろ「首都圏で明日06~21時に粒子状物質非常低減措置施行。外出自制、必要ならマスク着用など健康に留意するよう望む」という簡単なショート・メッセージ・サービス(SMS)1つがすべてだった。昨日と一昨日も同じ時間に同じ内容のSMSに「老朽軽油車のソウル進入制限」が追加されただけだ。


政府は、過去10年をおいてみると、粒子状物質が概して好転する傾向だと強調している。だが、今後、粒子状物質の状況はむしろ悪化する懸念のほうが大きい。韓国内で軽油車が今も増加していて、時代錯誤的な脱原発政策のために石炭発電が増加しているからだ。何より、休戦中の米中貿易紛争が伏兵だ。米国が中国内の輸出企業を制裁すれば成長率下落を憂慮した中国政府が企業の環境規制を緩和することになり、結果的に粒子状物質など大気汚染物質の放出が増えるだろうというシナリオが現実になりうる。

こうした中、韓半島(朝鮮半島)に粒子状物質の被害を直接与えている中国政府の無責任な対応が非難を受けている。中国生態環境部の報道官は先月28日、「ソウルの粒子状物質は主にソウルで排出されたもの」と非難を避けるような発言をした。それでも韓国環境部やソウル市はまともに反論さえしていない。

国立気象科学院や国立環境研究院などが多目的気象航空機を飛ばして西海(ソヘ、黄海)600メートル上空のPM10を測定したところ、中国から西海を超えてきているという事実が確認された。専門家は韓国で粒子状物質の数値が高まる場合、中国の影響が60~80%もなるとみている。中国があちこちに責任を回避することではない。昨年6月、北京に韓中環境協力センターを作ったが、中国は自国発の汚染物質現況資料さえまともに共有しないでいる。習近平主席が強調してきた「大国の責任ある姿勢」ではない。韓中首脳会談で粒子状物質を議題に入れて新たな実質的対策を提示するべきだ。

韓国内でも数十年間にわたり進めてきた工業化過程で累積した粒子状物質が一日や二日の瞬間的な努力で解決することはできない。老朽軽油車を果敢に廃車し、環境にやさしい電気自動車と水素車に転換していく画期的な取り組みに直ちに着手するべきだ。任期中に粒子状物質の3割低減を公約した文在寅(ムン・ジェイン)大統領が立ち上がり、新しく総体的な対策を提示して参加を求める時だ。



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