◆91年に南北核交渉最年少メンバーとして会った金英哲(キム・ヨンチョル)、交渉の最前線に
--金委員長は新年の挨拶で検証リストは出さないという点も明確にした。
「約束が違う。交渉経験のある人にはすぐに見える。ところが韓国の北核6カ国協議首席代表の寿命はとても短い。北朝鮮の金英哲統一戦線部長は91年の南北交渉にも関与していた。(当時の写真を見せながら)私もその場にいた。金英哲部長は当時交渉団の最年少メンバーだったが、今も確かな健在ぶりだ。われわれはどうか。その時から今まで現場に残っている人はいない。大統領が変わるたびに外交部・統一部長官はもちろん、交渉代表も変わる。大統領の核心勢力、側近を中心に問題に当たれば早く効果が上がるように見えても生命力が長くない。専門家を重視するべき理由がここにある」
--韓日関係の質問を避けることはできない。歴代最悪という言葉が出ているが。
「国連事務総長当時、イスラエルとパレスチナ問題を扱って感じた点がある。友人と配偶者は選べるが近隣諸国は変えられない。宿命だ。基本的に日本の責任が大きい。しかし、歴史問題を今のように外交関係の前面に置けば大統領が何もできなくなる。知恵が必要な問題だ」
--解決法は何か。
「歴史を外交の最優先順位に置けば国民感情を刺激することになり、これに逆らえるほどの勇気がある人はいない。この問題は冷静にアプローチして実利を取るやり方で接近しなければならない。大統領の決断が必要だ」
--韓日関係がこのようにもつれると南北関係にも影響があるのではないか。
「その通りだ。今後、北朝鮮問題が解決することになれば日本も国際的、経済的に役割が生まれる。その時を備えてもいつも良好な関係を保っておくべきだが、国民感情がとても良くない。先月、日本で高位官僚や政財界関係者に会ったが、雰囲気がひどく冷笑的で驚いた。以前は慰安婦などのイシューを話す時、日本が守勢的な立場だったのに、最近は『われわれにも言うべきことがある』というふうに出てくる。韓日関係は今が最悪だ」
◆金大中に学べ…歴史が障害物になってはいけない
--突破口が見えない状況でどのような政策や戦略が急がれるか。
「金大中(キム・デジュン)元大統領から学びたい。金元大統領が98年に小渕恵三当時日本首相と歴史的な宣言をした時、当時韓日関係が良かっただろうか。いや、良くなかった。金元大統領が慧眼を持ち韓日関係が前に進んだが、(歴史問題が)障害物になってはいけないと考えて解決したのだ」
--対中外交も首脳会談が長らく開かれないなど停滞状態だ。
「韓中国関係ももっと良くしていかなければならない。金正恩国務委員長が昨年(6月12日の)米朝会談を目前にして(5月7日に)中国から行ったではないか。核問題に没頭するためにも、金委員長としては中国が必要だ。ところが高高度ミサイル防衛(THAAD)体系問題の余波もそうで、われわれの対中外交が残念な点が多かった。公的アプローチだけをしようとはせずに、時代の流れと米中関係をよく読んで進むべきだ」
インタビュー後の7日、金委員長は3泊4日の日程で中国を訪問した。これに対して潘総長は電話インタビューで「文在寅政府の韓半島平和プロセスにも肯定的影響を与えると展望する」とし「米朝首脳会談にはずみをつけるための北朝鮮の動き」と評価した。
--50年間、韓国外交に身を置いて国連事務総長も務めた。外交を一言でどのように定義することができるか。
「外交は一言でいうと総合芸術だ。外交官がすることは単なる『ジョブ(job・職業)』ではだめだ。75%は常識ですればいいが、25%は自身だけの専門性を伸ばしてこそ一人前の外交官に成長することができる。その25%が劇的な瞬間に必要だ。外交部が批判を受ける時があるが、外交は相手主権国家とも調子を合わせなければならない総合芸術であることを忘れずに時代の流れを読まなければならない」
--外交部で『人的清算』などの話が出ている。後輩の志気が落ちているという話も耳にしていると思うが。
「残念だ。若手外交官が夢を広げることもできないまま罵倒されるのは、長期的に韓国外交の信義を落として、これは国家の信頼度低下につながる。特定政権の特殊な目標を遂行するために投入された職業外交官に対して次の政府で責任を問うというのは望ましくない。責任は政務職である長官が負えばいいことだ。該当の長官が辞めて出て行ったのなら、責任もそこで終わるべきだ」
--大統領に助言をする機会があるか。
「2017年に2回会い、昨年上半期も電話を1度した。さまざまな助言をしたがかなり傾聴されていた。盧武鉉大統領は多くの人々と会った。別に一人二人呼んで、耳障りな話もお聞きになり、討論もたびたびされていたことを思い出す…」
<危機の韓国外交、元老に問う>潘基文氏「韓日外交、歴史を前面に出せば何もできない」(1)
--金委員長は新年の挨拶で検証リストは出さないという点も明確にした。
「約束が違う。交渉経験のある人にはすぐに見える。ところが韓国の北核6カ国協議首席代表の寿命はとても短い。北朝鮮の金英哲統一戦線部長は91年の南北交渉にも関与していた。(当時の写真を見せながら)私もその場にいた。金英哲部長は当時交渉団の最年少メンバーだったが、今も確かな健在ぶりだ。われわれはどうか。その時から今まで現場に残っている人はいない。大統領が変わるたびに外交部・統一部長官はもちろん、交渉代表も変わる。大統領の核心勢力、側近を中心に問題に当たれば早く効果が上がるように見えても生命力が長くない。専門家を重視するべき理由がここにある」
--韓日関係の質問を避けることはできない。歴代最悪という言葉が出ているが。
「国連事務総長当時、イスラエルとパレスチナ問題を扱って感じた点がある。友人と配偶者は選べるが近隣諸国は変えられない。宿命だ。基本的に日本の責任が大きい。しかし、歴史問題を今のように外交関係の前面に置けば大統領が何もできなくなる。知恵が必要な問題だ」
--解決法は何か。
「歴史を外交の最優先順位に置けば国民感情を刺激することになり、これに逆らえるほどの勇気がある人はいない。この問題は冷静にアプローチして実利を取るやり方で接近しなければならない。大統領の決断が必要だ」
--韓日関係がこのようにもつれると南北関係にも影響があるのではないか。
「その通りだ。今後、北朝鮮問題が解決することになれば日本も国際的、経済的に役割が生まれる。その時を備えてもいつも良好な関係を保っておくべきだが、国民感情がとても良くない。先月、日本で高位官僚や政財界関係者に会ったが、雰囲気がひどく冷笑的で驚いた。以前は慰安婦などのイシューを話す時、日本が守勢的な立場だったのに、最近は『われわれにも言うべきことがある』というふうに出てくる。韓日関係は今が最悪だ」
◆金大中に学べ…歴史が障害物になってはいけない
--突破口が見えない状況でどのような政策や戦略が急がれるか。
「金大中(キム・デジュン)元大統領から学びたい。金元大統領が98年に小渕恵三当時日本首相と歴史的な宣言をした時、当時韓日関係が良かっただろうか。いや、良くなかった。金元大統領が慧眼を持ち韓日関係が前に進んだが、(歴史問題が)障害物になってはいけないと考えて解決したのだ」
--対中外交も首脳会談が長らく開かれないなど停滞状態だ。
「韓中国関係ももっと良くしていかなければならない。金正恩国務委員長が昨年(6月12日の)米朝会談を目前にして(5月7日に)中国から行ったではないか。核問題に没頭するためにも、金委員長としては中国が必要だ。ところが高高度ミサイル防衛(THAAD)体系問題の余波もそうで、われわれの対中外交が残念な点が多かった。公的アプローチだけをしようとはせずに、時代の流れと米中関係をよく読んで進むべきだ」
インタビュー後の7日、金委員長は3泊4日の日程で中国を訪問した。これに対して潘総長は電話インタビューで「文在寅政府の韓半島平和プロセスにも肯定的影響を与えると展望する」とし「米朝首脳会談にはずみをつけるための北朝鮮の動き」と評価した。
--50年間、韓国外交に身を置いて国連事務総長も務めた。外交を一言でどのように定義することができるか。
「外交は一言でいうと総合芸術だ。外交官がすることは単なる『ジョブ(job・職業)』ではだめだ。75%は常識ですればいいが、25%は自身だけの専門性を伸ばしてこそ一人前の外交官に成長することができる。その25%が劇的な瞬間に必要だ。外交部が批判を受ける時があるが、外交は相手主権国家とも調子を合わせなければならない総合芸術であることを忘れずに時代の流れを読まなければならない」
--外交部で『人的清算』などの話が出ている。後輩の志気が落ちているという話も耳にしていると思うが。
「残念だ。若手外交官が夢を広げることもできないまま罵倒されるのは、長期的に韓国外交の信義を落として、これは国家の信頼度低下につながる。特定政権の特殊な目標を遂行するために投入された職業外交官に対して次の政府で責任を問うというのは望ましくない。責任は政務職である長官が負えばいいことだ。該当の長官が辞めて出て行ったのなら、責任もそこで終わるべきだ」
--大統領に助言をする機会があるか。
「2017年に2回会い、昨年上半期も電話を1度した。さまざまな助言をしたがかなり傾聴されていた。盧武鉉大統領は多くの人々と会った。別に一人二人呼んで、耳障りな話もお聞きになり、討論もたびたびされていたことを思い出す…」
<危機の韓国外交、元老に問う>潘基文氏「韓日外交、歴史を前面に出せば何もできない」(1)
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