日本が26日、国際捕鯨委員会(IWC)を脱退すると宣言した。IWC加盟国として「研究目的」で捕鯨してきた日本が、今後は漁業レベルで規制なく自由に捕鯨するということだ。多くはないが鯨肉を消費している韓国はどうか。蔚山(ウルサン)長生浦(チャンセンポ)にある鯨研究センターのソン・ホソン・センター長(50)に28日、インタビューした。
鯨研究センターは国立水産科学院所属の研究所で、2004年に設立された。捕鯨は韓国はもちろん世界的に禁止されているが、長生浦には今でも海岸に沿って「鯨肉通り」があり「クジラ」を商号にしている飲食店が数十カ所にのぼる。毎年5月にはクジラ祭りが開かれる。
--日本のIWC脱退をどう見ているのか。
「日本はIWC加盟国の意思決定が感性的に行われていると判断している。絶滅危機のクジラもあり、個体数が多い種類もある。このためIWC案では捕鯨の再開を期待しにくいため脱退するというのが日本の論理だ。実際、1948年の設立当時、IWCには捕鯨する国が集まっていた。設立目的も『鯨類の適切な保存を図り、捕鯨産業の秩序ある発展』だった。捕鯨しないということではなく、持続可能なレベルで捕鯨するというものだった。しかし今は加盟国に捕鯨に反対する国が多く、捕鯨が再開されない状況だ」
--クジラは絶滅危機に瀕しているのか。
「クジラの種類は約90種にのぼる。このうちメキシコのバキタという小さなイルカやナガスクジラのように絶滅危機に瀕した種類も15種あるが、当然、個体数が多いものもある。そのような側面でクジラが絶滅危機という主張は科学的でない」
--東海(トンヘ、日本名・日本海)はどうか。
「東海にはかつてナガスクジラ、コククジラ、セミクジラなどが多かった。ナガスクジラは17、18世紀に西洋人が来て多く捕獲し、コククジラは日帝強占期に日本人が絶滅危機まで捕獲した。韓国の漁民も解放後にセミクジラを多く捕獲した。現在の調査によると、東海で最も多く見られるのがマイルカ、カマイルカ、ミンククジラの3種類だ。マイルカは約1万5000頭、カマイルカは4000頭、ミンククジラは600頭と推定される」
--IWCを脱退した日本がクジラを絶滅させるという懸念の声が出ている。
「日本がIWCを脱退してどんなクジラをどれほど捕獲するかについて言及していないので速断はできない。日本はその間、調査捕鯨をするという名分で南極のミンククジラを主に捕獲してきたが、実際、絶滅に影響を及ぼさない数だった。クジラを保護しようと話すが、本当に保護すべきクジラはメキシコのバキタのようなクジラだ。日本のように個体数が多いクジラを捕獲することを非難するのが果たして合理的かどうかを考える必要がある」
--日本が我々の海の向こう側で東海のクジラを捕獲するのでは。
「もし日本がサハリンで100頭しかいないコククジラを捕獲するといえば国際社会は立ち上がるだろう」
--韓国も鯨肉を食べる国だ。捕鯨が禁止されていて、「混獲」、すなわち偶然に網にかかったクジラだけを捕獲しているが、流通する鯨肉はそれより多いのが実情だ。
「環境団体がどのように計算したのかは分からないが、そのように主張している。年間に混獲されるミンククジラは80頭ほどだが、これより多い鯨肉が流通すると主張している。IWCには海洋警察を通じた公式統計しかない。不法捕獲が年間に数件ずつ報告されている」
--IWCでも「原住民生存捕鯨」は許諾しているが、なぜ我々はこれも守れなかったのか。
「IWCがいう原住民生存捕鯨は基本的に販売できず、住民が分け合って食べる場合に認められる。これもむやみに捕獲できるのではなく、個体数を調査して何頭まで捕獲しても絶滅の危険がないかについて科学的な研究をした後、原住民の要求事項を反映してIWCが捕獲量を決める。原住民捕鯨をする人たちはグリーンランド、アラスカ、ロシア、ベーリング海などに住むイヌイットだ。韓国は原住民捕鯨クオータを申請したことがない」
--韓国は日本のような研究調査用クオータを受けられなかったのか。
「IWC加盟国は自国民に調査研究のための捕鯨クオータを与えることができる。韓国も同じだ。しかし1986年に政府がこの条項に基づきクオータを与えたところ、国際社会の非難決議文を受け、撤回した。2012年にもパナマ会議で調査捕鯨をすると発表したが、激しい非難を受けて退いた」
--なぜ日本はよくて韓国はだめなのか。こうした点を問いただすべきではないのか。
「難しい話だ。結局は国際政治と外交の問題であるようだ。韓国も日本のようにIWCを脱退できるだろうが、実際は非常に難しいだろう。韓米自由貿易協定(FTA)の条約に基づくと、両国がお互い協力しながら守るべき環境協約に捕鯨問題も含まれている。我々がIWCを脱退すれば、韓米FTAに問題が生じることもある。米国が韓国を提訴できるということだ」
--では、韓国はどうすべきか。
「IWCという枠の中で問題を解決しなければいけない。現在としては捕鯨が問題であるのは事実だ。しかしIWC内ではクオータ限度内の捕鯨を認めようという意見もある」
◆ノルウェー・アイスランドは捕鯨委加盟国でも商業捕鯨
国際捕鯨委員会(IWC)は1948年に捕鯨をする国が「鯨類の適切な保存と捕鯨産業の秩序ある発展」のために設立した。捕鯨の時期、漁場の制限、捕獲禁止などについて協議して決める。しかしその後、一部の国の無分別な乱獲が続き、捕鯨に反対する声が高まった。86年には世界的に捕鯨を中断しようという案件が通過した。韓国はオブザーバー国だったが、78年に米国の要請で正式加盟国になった。加盟国は89カ国で、事務局は英ロンドンにある。カナダは捕鯨禁止世論に反対して82年にIWCを脱退した後、非加盟国として原住民生存捕鯨をしている。ノルウェーとアイスランドは加盟国だが、86年の捕鯨禁止協約を受け入れない状態で現在も商業捕鯨をしている。
鯨研究センターは国立水産科学院所属の研究所で、2004年に設立された。捕鯨は韓国はもちろん世界的に禁止されているが、長生浦には今でも海岸に沿って「鯨肉通り」があり「クジラ」を商号にしている飲食店が数十カ所にのぼる。毎年5月にはクジラ祭りが開かれる。
--日本のIWC脱退をどう見ているのか。
「日本はIWC加盟国の意思決定が感性的に行われていると判断している。絶滅危機のクジラもあり、個体数が多い種類もある。このためIWC案では捕鯨の再開を期待しにくいため脱退するというのが日本の論理だ。実際、1948年の設立当時、IWCには捕鯨する国が集まっていた。設立目的も『鯨類の適切な保存を図り、捕鯨産業の秩序ある発展』だった。捕鯨しないということではなく、持続可能なレベルで捕鯨するというものだった。しかし今は加盟国に捕鯨に反対する国が多く、捕鯨が再開されない状況だ」
--クジラは絶滅危機に瀕しているのか。
「クジラの種類は約90種にのぼる。このうちメキシコのバキタという小さなイルカやナガスクジラのように絶滅危機に瀕した種類も15種あるが、当然、個体数が多いものもある。そのような側面でクジラが絶滅危機という主張は科学的でない」
--東海(トンヘ、日本名・日本海)はどうか。
「東海にはかつてナガスクジラ、コククジラ、セミクジラなどが多かった。ナガスクジラは17、18世紀に西洋人が来て多く捕獲し、コククジラは日帝強占期に日本人が絶滅危機まで捕獲した。韓国の漁民も解放後にセミクジラを多く捕獲した。現在の調査によると、東海で最も多く見られるのがマイルカ、カマイルカ、ミンククジラの3種類だ。マイルカは約1万5000頭、カマイルカは4000頭、ミンククジラは600頭と推定される」
--IWCを脱退した日本がクジラを絶滅させるという懸念の声が出ている。
「日本がIWCを脱退してどんなクジラをどれほど捕獲するかについて言及していないので速断はできない。日本はその間、調査捕鯨をするという名分で南極のミンククジラを主に捕獲してきたが、実際、絶滅に影響を及ぼさない数だった。クジラを保護しようと話すが、本当に保護すべきクジラはメキシコのバキタのようなクジラだ。日本のように個体数が多いクジラを捕獲することを非難するのが果たして合理的かどうかを考える必要がある」
--日本が我々の海の向こう側で東海のクジラを捕獲するのでは。
「もし日本がサハリンで100頭しかいないコククジラを捕獲するといえば国際社会は立ち上がるだろう」
--韓国も鯨肉を食べる国だ。捕鯨が禁止されていて、「混獲」、すなわち偶然に網にかかったクジラだけを捕獲しているが、流通する鯨肉はそれより多いのが実情だ。
「環境団体がどのように計算したのかは分からないが、そのように主張している。年間に混獲されるミンククジラは80頭ほどだが、これより多い鯨肉が流通すると主張している。IWCには海洋警察を通じた公式統計しかない。不法捕獲が年間に数件ずつ報告されている」
--IWCでも「原住民生存捕鯨」は許諾しているが、なぜ我々はこれも守れなかったのか。
「IWCがいう原住民生存捕鯨は基本的に販売できず、住民が分け合って食べる場合に認められる。これもむやみに捕獲できるのではなく、個体数を調査して何頭まで捕獲しても絶滅の危険がないかについて科学的な研究をした後、原住民の要求事項を反映してIWCが捕獲量を決める。原住民捕鯨をする人たちはグリーンランド、アラスカ、ロシア、ベーリング海などに住むイヌイットだ。韓国は原住民捕鯨クオータを申請したことがない」
--韓国は日本のような研究調査用クオータを受けられなかったのか。
「IWC加盟国は自国民に調査研究のための捕鯨クオータを与えることができる。韓国も同じだ。しかし1986年に政府がこの条項に基づきクオータを与えたところ、国際社会の非難決議文を受け、撤回した。2012年にもパナマ会議で調査捕鯨をすると発表したが、激しい非難を受けて退いた」
--なぜ日本はよくて韓国はだめなのか。こうした点を問いただすべきではないのか。
「難しい話だ。結局は国際政治と外交の問題であるようだ。韓国も日本のようにIWCを脱退できるだろうが、実際は非常に難しいだろう。韓米自由貿易協定(FTA)の条約に基づくと、両国がお互い協力しながら守るべき環境協約に捕鯨問題も含まれている。我々がIWCを脱退すれば、韓米FTAに問題が生じることもある。米国が韓国を提訴できるということだ」
--では、韓国はどうすべきか。
「IWCという枠の中で問題を解決しなければいけない。現在としては捕鯨が問題であるのは事実だ。しかしIWC内ではクオータ限度内の捕鯨を認めようという意見もある」
◆ノルウェー・アイスランドは捕鯨委加盟国でも商業捕鯨
国際捕鯨委員会(IWC)は1948年に捕鯨をする国が「鯨類の適切な保存と捕鯨産業の秩序ある発展」のために設立した。捕鯨の時期、漁場の制限、捕獲禁止などについて協議して決める。しかしその後、一部の国の無分別な乱獲が続き、捕鯨に反対する声が高まった。86年には世界的に捕鯨を中断しようという案件が通過した。韓国はオブザーバー国だったが、78年に米国の要請で正式加盟国になった。加盟国は89カ国で、事務局は英ロンドンにある。カナダは捕鯨禁止世論に反対して82年にIWCを脱退した後、非加盟国として原住民生存捕鯨をしている。ノルウェーとアイスランドは加盟国だが、86年の捕鯨禁止協約を受け入れない状態で現在も商業捕鯨をしている。
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