戊戌年が暮れつつある中、韓国が東北アジアで孤立する危機に直面している。韓米は防衛費分担金の交渉で難航しているが、同盟派として知られたジェームズ・マティス米国防総省長官は交替されることになった。北朝鮮の非核化は順調には進んでいないが、トランプ大統領の韓半島(朝鮮半島)政策がどこに飛び跳ねるか分からない状況だ。また、歴史問題の中でも軍事的には協力関係にあった韓日の葛藤が深まっている。核兵器を増強中の北朝鮮は南北軍事合意を根拠に韓国軍の訓練や防衛力改善に干渉している。このような状態で北朝鮮の非核化と南北和解ムードが持続するだろうか。
今月末に離任するマティス長官から話をしよう。マティス長官は間違いなく尊敬を受けるに値する立派な軍人だった。過去、アフガニスタンやイラク戦争でも猛勇をふるったマティス長官は、米軍内で珍しく勇気があり真っ当な人物として定評があった。修道僧のような姿勢で、思索と自分の節制にも厳格だったという。常に急変するトランプ大統領の性急な決定に正しいことが言える最後の官僚という評価もある。マティス長官は韓米同盟の将来に対しても深く案じているという。そのような彼が国防長官職を辞すことになれば、今後韓半島事態を予想しにくくなるという懸念がある。
しかし、過去のことだが反対に考えてみよう。昨年末、トランプ大統領が北朝鮮に対する軍事オプションを取り出した時、マティス長官が反対しなかったらどうなっていただろうか。トランプ大統領は軍事オプションを発動しただろうし、本格的な作戦が開始される前に金正恩(キム・ジョンウン)委員長はさらに頭を深く下げて出てきた可能性がある。だとすれば北朝鮮の非核化はもっとはやく進んだかもしれない。昨年、トランプ大統領の対北軍事オプションに対するマティス長官の反対建議は間違っていたのだろうか。トランプ大統領はマティス長官のために韓半島から北朝鮮の核とミサイルを除去する絶好の機会を逃したと考えるだろうか。
当時、北朝鮮が6回目の核実験に続いて米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功すると、トランプ大統領は対北軍事オプションカードを取り出した。トランプ大統領は北朝鮮の核とミサイルを除去するいわゆる「鼻血作戦」に対する最後の署名だけを残していた。これに先立ち、米国防総省は最大4隻の航空母艦を動員する鼻血作戦の細部訓練まで終えていた。トランプ大統領の決裁さえ出れば、直ちに作戦を実行する態勢だった。実際、金国務委員長は韓半島上空で韓米の大規模空中訓練を見た後、深刻な危機感に陥った。その時期に平壌(ピョンヤン)を訪問したロシア専門家の伝言だ。この局面で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は機会を逃すことなく、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を機に北朝鮮に手を差し出した。差し迫っていた金委員長はこれを巧く利用した。続いて南北首脳会談が3回も開かれ、米朝首脳会談も史上初めて行われた。韓国国民はもちろん、全世界は北朝鮮非核化がまもなく実現するだろうと思った。
だが、1年が過ぎた今、北朝鮮の完全な非核化にはほとんど進展がない。北朝鮮はかえって和解ムード期間に核兵器の製造に熱を上げた。米国の「核の傘」を除去する韓半島非核化も要求している。米中央情報局(CIA)によると、北朝鮮は60~65発の核兵器を製造したという。専門家は北朝鮮は2020年までに100発以上の核兵器を持つだろうと推定している。今後、北朝鮮核戦闘力は統制不能状態に陥る可能性もある。そのため、来年、米朝が核交渉に成功しても北朝鮮核を完全に除去することはできないというのがおおよその判断だ。政治的に窮地に追い込まれたトランプ大統領が北朝鮮ICBMと核兵器の一部廃棄で核交渉を終える可能性も排除できないという見方まで出ている。
<Mr.ミリタリー>北核脅威の高まりにも深まる韓日葛藤…韓国は安全保障で孤立(2)
今月末に離任するマティス長官から話をしよう。マティス長官は間違いなく尊敬を受けるに値する立派な軍人だった。過去、アフガニスタンやイラク戦争でも猛勇をふるったマティス長官は、米軍内で珍しく勇気があり真っ当な人物として定評があった。修道僧のような姿勢で、思索と自分の節制にも厳格だったという。常に急変するトランプ大統領の性急な決定に正しいことが言える最後の官僚という評価もある。マティス長官は韓米同盟の将来に対しても深く案じているという。そのような彼が国防長官職を辞すことになれば、今後韓半島事態を予想しにくくなるという懸念がある。
しかし、過去のことだが反対に考えてみよう。昨年末、トランプ大統領が北朝鮮に対する軍事オプションを取り出した時、マティス長官が反対しなかったらどうなっていただろうか。トランプ大統領は軍事オプションを発動しただろうし、本格的な作戦が開始される前に金正恩(キム・ジョンウン)委員長はさらに頭を深く下げて出てきた可能性がある。だとすれば北朝鮮の非核化はもっとはやく進んだかもしれない。昨年、トランプ大統領の対北軍事オプションに対するマティス長官の反対建議は間違っていたのだろうか。トランプ大統領はマティス長官のために韓半島から北朝鮮の核とミサイルを除去する絶好の機会を逃したと考えるだろうか。
当時、北朝鮮が6回目の核実験に続いて米国に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功すると、トランプ大統領は対北軍事オプションカードを取り出した。トランプ大統領は北朝鮮の核とミサイルを除去するいわゆる「鼻血作戦」に対する最後の署名だけを残していた。これに先立ち、米国防総省は最大4隻の航空母艦を動員する鼻血作戦の細部訓練まで終えていた。トランプ大統領の決裁さえ出れば、直ちに作戦を実行する態勢だった。実際、金国務委員長は韓半島上空で韓米の大規模空中訓練を見た後、深刻な危機感に陥った。その時期に平壌(ピョンヤン)を訪問したロシア専門家の伝言だ。この局面で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は機会を逃すことなく、平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を機に北朝鮮に手を差し出した。差し迫っていた金委員長はこれを巧く利用した。続いて南北首脳会談が3回も開かれ、米朝首脳会談も史上初めて行われた。韓国国民はもちろん、全世界は北朝鮮非核化がまもなく実現するだろうと思った。
だが、1年が過ぎた今、北朝鮮の完全な非核化にはほとんど進展がない。北朝鮮はかえって和解ムード期間に核兵器の製造に熱を上げた。米国の「核の傘」を除去する韓半島非核化も要求している。米中央情報局(CIA)によると、北朝鮮は60~65発の核兵器を製造したという。専門家は北朝鮮は2020年までに100発以上の核兵器を持つだろうと推定している。今後、北朝鮮核戦闘力は統制不能状態に陥る可能性もある。そのため、来年、米朝が核交渉に成功しても北朝鮮核を完全に除去することはできないというのがおおよその判断だ。政治的に窮地に追い込まれたトランプ大統領が北朝鮮ICBMと核兵器の一部廃棄で核交渉を終える可能性も排除できないという見方まで出ている。
<Mr.ミリタリー>北核脅威の高まりにも深まる韓日葛藤…韓国は安全保障で孤立(2)
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