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【コラム】文在寅大統領のクリスマスプレゼント(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1998年8月、盧武鉉(ノ・ムヒョン、当時は国民会議副総裁)は蔚山(ウルサン)にいた。現代自動車は「暴風前夜」だった。通貨危機で深刻な販売不振に直面した現代車は整理解雇カードを取り出した。勤労者4万6000人のうちリストラ対象に分類されたのは約1万人。このうち1569人を整理解雇した。労働組合は1人の整理解雇も受け入れられないとしてストライキを始めた。工場は停止した。労使は一歩も譲歩せず対立し、政府と財界では公権力投入の声が高まった。

当時、盧武鉉は国民会議・労使政府委員会合同仲裁団を率いていた。彼は労使双方に強く圧力を加えた。会社側には「公権力投入を期待してはいけない」とし、労働組合側には「規模を最小化してでも整理解雇を受け入れるべきだ。ほかに方法はない」と主張した。結局、仲裁団の努力は実を結んだ。労使は277人の整理解雇、2年間の整理解雇自制などに最終合意した。

しかしこれを聞いた金大中(キム・デジュン)大統領は仲裁団の努力を称えなかった。むしろ「政界の行き過ぎた介入は遺憾」と叱責した。金大中大統領としても現代車事態が公権力の投入なく労使の合意で終わったのは良かったはずだ。彼が喜びを表したのは10日も過ぎた蔚山市の業務報告の席だった。当時はあちこちから視線が注がれていた。国際通貨基金(IMF)と国際社会は韓国政府が構造調整の原則を守るかどうかに注目していた。


金大統領としても整理解雇は望ましいことではなかった。実際、整理解雇に関しては「2年猶予」が彼の大統領選挙公約だった。彼を変化させたのはデフォルト(債務不履行)危機を迎えた国の状況だった。97年の大統領選挙当日の12月18日、外貨準備高は39億ドル。年末の予想額は「マイナス6億ドル~プラス9億ドル」だった。金大統領は当選直後、米財務次官デビッド・リプトンに会い、整理解雇制や為替管理法改正など「(IMFとの当初の協約にない)IMFプラス」改革をすると約束した。このようにして先進13カ国とIMFの100億ドル早期支援決定と外債満期延長を引き出し、韓国経済は不渡り危機を克服することができた。

金大統領はもちろん、どの大統領も整理解雇を喜んで受け入れるはずはない。しかし国の経済を破綻危機から救うためにはどの大統領でもそうしただろう。それが大統領という地位だ。



【コラム】文在寅大統領のクリスマスプレゼント(2)

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