米国の悩みはさらに深い。北朝鮮と非核化交渉が難しい状況に向かう場合だ。北朝鮮が結局、非核化を拒否する場合、北朝鮮の核兵器の一部を認めるべきか、それとも北朝鮮制裁をさらに強めて軍事的にも圧力を加えるのか。事態は予想しにくい。核戦争という最悪の状況も排除できない。今年11月に出版されたジェフリー・ルイス博士の小説が米国の悩みを代弁している。ルイス博士は米ミドルベリー国際学研究所東アジア不拡散プログラム所長であり、北朝鮮の核・ミサイルに関する世界的な権威者だ。このため小説とはいえルイス博士の専門性を考慮すると軽視できない。
タイトルは『仮想小説:米国に対する北朝鮮の核攻撃に関する2020委員会報告書』(A Speculateve Novel:The 2020 Commission Report on the North Korean Nuclear Attacks Against The United States)だ。来年、米朝交渉が破綻して緊張が高まり、北朝鮮が2020年3月に米国に核攻撃を加え、その惨事を2023年に調査したという一種の仮想白書だ。これまでに登場した北朝鮮と核戦争シナリオのうち最も衝撃的だ。核戦争の触発過程は突然で単純だが、結果はあまりにも残酷でぞっとする。
ルイス所長が書いた小説のストーリーはこうだ。来年(2019年)も米朝核交渉が進展しない。大統領選挙を控えたトランプ大統領は2017年のように北朝鮮の金正恩国務委員長に圧力を加えるため、2020年3月にB-2ステルス爆撃機などを動員し、休戦ライン付近に接近して武力示威をする。金委員長はレーダーで確認できないステルス爆撃機だったため事態を知らなかった。しかし後に報道を見て怒りが込み上げる。こうした雰囲気の中、多くの学生など乗客200人ほどを乗せたモンゴル・ウランバートル行きの韓国民航機が金海(キムヘ)空港を離陸し、西海(ソヘ、黄海)上空を通過する。民航機は突然、気象悪化で操縦に問題が発生し、北朝鮮上空に入ってしまう。北朝鮮はこれを逃さず民航機を米軍爆撃機と想定して対空ミサイルで撃墜する。
若い学生を乗せた民航機迎撃に激怒した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は北朝鮮に対する大量反撃報復を指示する。文大統領の命令が出ると、玄武2ミサイルが金正恩委員長の家族が居住する平壌特定区域と空軍司令部を攻撃する。金正恩委員長も対応レベルで核ミサイルでソウルと東京・沖縄・グアムなどを1次攻撃した後、さらに米本土のワシントンとニューヨーク・マンハッタン、トランプ大統領がいたマー・ア・ラゴまで水素弾で打撃する。北朝鮮の攻撃で280万人が死亡し、780万人が深刻に負傷する。北朝鮮の突然の核攻撃に大きな被害を受けた韓米は米国を中心に金正恩政権を除去する。小説はここまでだ。
この小説を読むと、唖然として言葉も出なくなる。しかし核・ミサイル権威者のルイス所長が専門報告書でなく、このような小説を書いた理由は何か。昨年とは違い北朝鮮は多くの量の核兵器を保有し、今では軽視できる相手ではないという点だ。北朝鮮は2020年までに100発以上の核弾頭を保有するという専門家の予測もある。したがって北核統制不能状態に進む前に必ず非核化を実現しなければいけないということだ。韓国の立場では交渉の仲裁も重要だが、北核脅威に徹底的に備えなければいけないという警告だ。また、米国が小説のようにぞっとする核戦争の惨禍を避けるために北核を認めた後、韓半島を放棄するかもしれないという話まで出てくる。前政権の外交部幹部は「今後、韓国が米国からデカップリング(分離)する可能性がある」と述べた。万が一の事態に徹底的に備える必要があるということだ。
<Mr.ミリタリー>最悪の北朝鮮核攻撃シナリオと韓半島デカップリング(1)
タイトルは『仮想小説:米国に対する北朝鮮の核攻撃に関する2020委員会報告書』(A Speculateve Novel:The 2020 Commission Report on the North Korean Nuclear Attacks Against The United States)だ。来年、米朝交渉が破綻して緊張が高まり、北朝鮮が2020年3月に米国に核攻撃を加え、その惨事を2023年に調査したという一種の仮想白書だ。これまでに登場した北朝鮮と核戦争シナリオのうち最も衝撃的だ。核戦争の触発過程は突然で単純だが、結果はあまりにも残酷でぞっとする。
ルイス所長が書いた小説のストーリーはこうだ。来年(2019年)も米朝核交渉が進展しない。大統領選挙を控えたトランプ大統領は2017年のように北朝鮮の金正恩国務委員長に圧力を加えるため、2020年3月にB-2ステルス爆撃機などを動員し、休戦ライン付近に接近して武力示威をする。金委員長はレーダーで確認できないステルス爆撃機だったため事態を知らなかった。しかし後に報道を見て怒りが込み上げる。こうした雰囲気の中、多くの学生など乗客200人ほどを乗せたモンゴル・ウランバートル行きの韓国民航機が金海(キムヘ)空港を離陸し、西海(ソヘ、黄海)上空を通過する。民航機は突然、気象悪化で操縦に問題が発生し、北朝鮮上空に入ってしまう。北朝鮮はこれを逃さず民航機を米軍爆撃機と想定して対空ミサイルで撃墜する。
若い学生を乗せた民航機迎撃に激怒した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は北朝鮮に対する大量反撃報復を指示する。文大統領の命令が出ると、玄武2ミサイルが金正恩委員長の家族が居住する平壌特定区域と空軍司令部を攻撃する。金正恩委員長も対応レベルで核ミサイルでソウルと東京・沖縄・グアムなどを1次攻撃した後、さらに米本土のワシントンとニューヨーク・マンハッタン、トランプ大統領がいたマー・ア・ラゴまで水素弾で打撃する。北朝鮮の攻撃で280万人が死亡し、780万人が深刻に負傷する。北朝鮮の突然の核攻撃に大きな被害を受けた韓米は米国を中心に金正恩政権を除去する。小説はここまでだ。
この小説を読むと、唖然として言葉も出なくなる。しかし核・ミサイル権威者のルイス所長が専門報告書でなく、このような小説を書いた理由は何か。昨年とは違い北朝鮮は多くの量の核兵器を保有し、今では軽視できる相手ではないという点だ。北朝鮮は2020年までに100発以上の核弾頭を保有するという専門家の予測もある。したがって北核統制不能状態に進む前に必ず非核化を実現しなければいけないということだ。韓国の立場では交渉の仲裁も重要だが、北核脅威に徹底的に備えなければいけないという警告だ。また、米国が小説のようにぞっとする核戦争の惨禍を避けるために北核を認めた後、韓半島を放棄するかもしれないという話まで出てくる。前政権の外交部幹部は「今後、韓国が米国からデカップリング(分離)する可能性がある」と述べた。万が一の事態に徹底的に備える必要があるということだ。
<Mr.ミリタリー>最悪の北朝鮮核攻撃シナリオと韓半島デカップリング(1)
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