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金正恩委員長、韓国保守デモなら最高尊厳毀損、大きな負担に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「金正恩(キム・ジョンウン)委員長の年内答礼訪問の可能性は開かれている」(文在寅大統領)

「金正恩委員長が望むことをする」(トランプ米国大統領)

韓米首脳が同時に北朝鮮の金正恩国務委員長に公開的にラブコールを送り、金委員長の選択が南北関係、米朝関係のカギになった。金委員長が9月の平壌(ピョンヤン)首脳会談で約束したように答礼訪問をした後、これを通じて米朝首脳会談を開催するモメンタムが生じるかどうかだ。丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は「文大統領が米国と北朝鮮に向けて全方向から動いている」とし「金委員長本人が9月に約束した答礼訪問をしなければ、4・27板門店(パンムンジョム)宣言や6・12米朝首脳会談の合意を履行すべきという名分がなくなる」と主張した。


対北朝鮮専門家は北朝鮮がすでに答礼訪問をめぐり深い悩みに入ったと見ている。答礼訪問をする場合、北朝鮮の最大の宿題は「贈り物」だ。金委員長は9月の平壌首脳会談の共同声明文で「(米国が)相応の措置を取れば寧辺(ヨンビョン)核施設の永久的廃棄など追加的な措置を取っていく用意がある」と明らかにした。今度はそれを上回るレベルの非核化メッセージを持って行かなければいけない。韓国が相手なら南北経済協力などを議題にして済ませることができるが、今は米国が見つめているからだ。答礼訪問を通じた南北首脳会談に続く米朝首脳会談まで進めるには、過去よりも進展した非核化メッセージを出す必要がある。

現代史研究所のチョン・チャンヒョン所長は「現在では金委員長が答礼訪問を決心するかどうかが疑問」とし「米国から関係正常化や制裁解除など相応の措置に関する確実な回答を聞く場合、非核化関連メッセージを持って韓国に来た後、米朝首脳会談につなぐ絵を描こうとするだろう」と分析した。

北朝鮮の悩みは「最高尊厳」の身辺の安全にもある。北朝鮮体制では最高指導者に対する政治的決死擁護はもちろん、物理的な保衛が最も重要だ。文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官は9月の南北首脳会談当時、金委員長の年内答礼訪問約束について「側近は一斉に引き止めたが、金委員長が決心した事案」と伝えた。金委員長は「太極旗(韓国の国旗)部隊がデモしてでも行く」という立場を明らかにしたという。

ところが北朝鮮で最高尊厳は神的な存在と変わらない。このため金委員長のイメージが毀損されると考える場合、核心参謀は答礼訪問に最後まで強く反対する可能性が高い。梁茂進(ヤン・ムジン)北朝鮮大学院大学教授は「答礼訪問の成果に劣らず、イメージ毀損と身辺の安全が答礼訪問を決心するカギ」とし「北はイメージ毀損を顧みず答礼訪問約束を履行すべきか悩むだろう」と話した。

金委員長が答礼訪問を決心するうえでの障害には、未来に対する不確実性も含まれているという見方もある。文在寅(ムン・ジェイン)政権とトランプ政権の来年の気象図だ。元当局者は「北は来年2月以降に米下院を民主党が掌握すれば、トランプ政権が対北朝鮮基調をそのまま維持できるかどうかを綿密に計算しているはず」とし「最近、文在寅政権の支持率が落ちている点にも当然注目している」と述べた。また「金委員長の立場では、答礼訪問もして非核化の意志を明らかにしながらも、韓国・米国政権が国内問題で揺れて適切な補償を受けることができない場合、いわゆる『首領の無誤謬性』に打撃を受ける」と指摘した。

かつて北朝鮮では南北関係改善に動いて状況が悪化する場合、その責任を対南交渉派に転嫁した。李明博(イ・ミョンバク)政権以降、崔承哲(チェ・スンチョル)など北朝鮮内の代表的な交渉担当者が次々と粛清されたのがその事例だ。しかし今回は金委員長が主導的に対話に向けて動いたのが北朝鮮の立場では負担となる。



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