ところが、経済制裁解除が容易に行われる可能性は高くない。米国は経済制裁解除が結局北朝鮮をインドやパキスタンのように正常な核保有国にするとみている。そのため非核化措置があってこそ経済制裁を解除することができるという立場を守っている。だから米国は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)、または最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)」のような解決策をあらかじめ決めておいて交渉に臨み、演繹的に解決していく方法を取っている。しかし北朝鮮は生存戦略上、米国の望み通りにこのような方式の非核化方案を提示することは難しい。
転換点に面した韓国外交の困難がここにある。振り返れば2018年の韓国外交は性急で切迫した心情で進められてきた。北朝鮮が変わる意思を表明しているだけに今回の機会を逃してはならないという緊迫感を多くの人々が持っていた。特に金正恩委員長が軍部など内部の異見に反して果敢に行っている政策であるため時期を逃せば千載一遇の機会が逃げるという切迫感もあった。だから韓国は北朝鮮と米国の国益を正確に把握して「可能な外交」を展開する代わりに、終戦宣言のように韓国が「望む外交」を説得と要請の方法で推進してきた。しかし、もはや説得ではなく冷静な利益を追求する外交の現実に直面することになった。12月に朝米間の膠着状態に進展がある可能性はないとみなければならない。
2019年、新年には2018年とは異なる外交を展開させなければならない。我々が願うことを達成しようと民族同士で努力するのでなく、「知彼知己(彼を知り己を知る)」の立場で米国と北朝鮮の立場を把握し、可能な外交を進めなければならない。すなわち、重要な南北対話を維持し、朝米関係の変化を見ながら北朝鮮が差し迫る経済問題をどのように処理していくのか観察しなければならない。北朝鮮の未来は窮極的に核でなく経済にかかっている。核と経済の間で北朝鮮が抱いているジレンマは韓国が解決してあげることはできない。北朝鮮だけが処理していくことができる。このような現実を直視しながら南北関係と非核化問題を管理していかなければならない。
チェ・ヨンジン/延世(ヨンセ)大学特任教授、元駐米大使
【中央時評】韓国、「望む外交」から「可能な外交」に切り替えるべき(1)
転換点に面した韓国外交の困難がここにある。振り返れば2018年の韓国外交は性急で切迫した心情で進められてきた。北朝鮮が変わる意思を表明しているだけに今回の機会を逃してはならないという緊迫感を多くの人々が持っていた。特に金正恩委員長が軍部など内部の異見に反して果敢に行っている政策であるため時期を逃せば千載一遇の機会が逃げるという切迫感もあった。だから韓国は北朝鮮と米国の国益を正確に把握して「可能な外交」を展開する代わりに、終戦宣言のように韓国が「望む外交」を説得と要請の方法で推進してきた。しかし、もはや説得ではなく冷静な利益を追求する外交の現実に直面することになった。12月に朝米間の膠着状態に進展がある可能性はないとみなければならない。
2019年、新年には2018年とは異なる外交を展開させなければならない。我々が願うことを達成しようと民族同士で努力するのでなく、「知彼知己(彼を知り己を知る)」の立場で米国と北朝鮮の立場を把握し、可能な外交を進めなければならない。すなわち、重要な南北対話を維持し、朝米関係の変化を見ながら北朝鮮が差し迫る経済問題をどのように処理していくのか観察しなければならない。北朝鮮の未来は窮極的に核でなく経済にかかっている。核と経済の間で北朝鮮が抱いているジレンマは韓国が解決してあげることはできない。北朝鮮だけが処理していくことができる。このような現実を直視しながら南北関係と非核化問題を管理していかなければならない。
チェ・ヨンジン/延世(ヨンセ)大学特任教授、元駐米大使
【中央時評】韓国、「望む外交」から「可能な外交」に切り替えるべき(1)
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