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【中央時評】携帯電話ゲームと韓国経済危機の真実(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「ゲームをしよう。みんな、携帯電話をテーブルに出して」。映画『完璧な他人』は、長い友人夫婦の集まりで携帯電話にかかってくる電話や文字メッセージを強制的に公開しなければいけないゲームをし、そこで生じる予測不可能なストーリーを描いている。表面上では完璧な夫婦の隠された真実が皆既月食と共に一つずつ明るみに出てくる。

韓国経済の真実の姿は何だろうか。一年中、今が危機かどうかをめぐる論争が絶えなかった。政府内でも意見が分かれた。11月4日、政府・与党・青瓦台(チョンワデ、大統領府)会議で青瓦台の前政策室長は「経済危機論は根拠がない。来年ごろ成果を体感するはず」と述べたが、大統領に提言する国民経済諮問会議の副議長は「経済の根本が揺れている」と語った。文在寅(ムン・ジェイン)政権の金科玉条である所得主導成長に対する評価と重なって政界が加勢し、論争はさらに激しくなった。一方では過去10年間で今の経済は最悪だと評価し、一方では根拠のない言いがかりだという。

今年、国民が肌で感じる経済状況が良くないという点にはほぼ同意する。7-9月期の15歳以上の就業者数は1万7000人増(昨年同期比)にとどまった。昨年7-9月期の27万9000人に比べてはるかに少ない。失業率は10月基準で2005年以来の高い水準だ。設備投資も減少し、生産指標も良くない。大半の国民がアンケート調査で文在寅政権の南北対話など多くの成果にもかかわらず、経済は期待に及ばないと答えた。しかし雇用や投資が良くないのは事実だが、輸出は依然として好調で、成長率も先進国の中でも高い水準であり、今を危機と見なすのはまだ早いという見解も多い。マクロ指標は良くないが、まだ深刻な経済沈滞や不況を迎えているのではないため危機ではないということだ。しかし半導体の好況と政府の支出拡大が韓国経済の弱点を覆い隠しているだけで、すでに危機だという反論もある。


危機とは何か。英語で危機(crisis)は、患者の病状が突然変化し、死と回復の分岐点が表す決定的な瞬間を示す医学用語に由来する。危機とは、ある状態が不安定で危険であり、急激な変化が生じ得る決定的かつ重大な時期をいう。映画の中の携帯電話ゲームでは携帯電話が鳴ってからどのような言葉が受話器から出てくるかによって隠されていた真実が表れ、夫婦関係が破綻したり、むしろ回復したりすることもある、まさにその瞬間が危機だ。



【中央時評】携帯電話ゲームと韓国経済危機の真実(2)


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