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【時論】なぜ韓国には浅薄で権威的な公共建築物ばかりあるのか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
設計公募審査結果に不服として審査委員長が辞任する初めての事態が起きた。10月の政府世宗(セジョン)新庁舎懸賞公募審査で起きたことだ。審査委員長である建築家のキム・インチョル氏は「出来レースの公募だ」と主張する。発注元である行政安全部と行政中心複合都市建設庁が自分たち好みの高層型庁舎を当選させるため偏向的な審査委員構成をし、こうした意向を随時伝えていたということだ。これに対して行政中心複合都市建設庁は驚いた。国土交通部設計公募運営指針を順守して委員を構成し、委員長も同意した手続きの通りに進めたのに後になってから言いがかりを付けていると反論した。建築団体が声明を発表し国会と国家建築委員会でも関心を見せるなど議論はふくらんでいる。

建築界と多くの国民は発注機関の潔白主張を本気で受け取っていないようだ。官庁に対する根深い不信のためだ。2013年に100人の建築専門家と記者に「解放以降最悪の建物」を選ばせたことがある。ソウル市新庁舎が39票で圧倒的1位となった。文化公報部長官の好みに合わせ笠の形の屋根をのせた芸術の殿堂が後に続き、10位以内に入った8件が公共建築だった。

けばけばしいが権威的で、豪華だが浅薄な多くの公共庁舎がこれまで官の口出しなくできたと信じるなら純真だ。さらに竜を形象化したというが実際にはヘビの形である既存の世宗庁舎は先に入居した中央官庁の公務員らから途轍もない不平不満を買った。今回世宗庁舎入居を控えた行政安全部が機能的な箱型高層庁舎を望んだという推定に疑いの余地はないように見える。韓国の公共建築に対する本当に深刻な脅威は非公正性ではなく不信だ。


今回の議論の争点は手続き的公正性の有無ではない。公共建築公募プロセスの腐った所がはじけたものとみなければならない。庁舎の直接使用者であり維持管理者である政府官庁が望むものを建物から得るのは当然だ。問題は得る方式だ。発注者の要求を詳細かつ具体的に公募指針に盛り込む過程を建築企画という。韓国ではこの過程は適当にして審査を通じ発注意図を具現するのが慣行だ。品格の高い公共建築物を作る国は韓国と反対だ。企画段階ですべてのものを汲み上げ、作品性を問う審査は全面的に建築専門家に任せる。



【時論】なぜ韓国には浅薄で権威的な公共建築物ばかりあるのか(2)


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