13日午後、ペクリョン島の沈聴閣(シムチョンガク)展望台。15キロ離れた海の向こうが北朝鮮の長山串(チャンサンゴッ)だ。展望台の望遠鏡で見ると、中国発の黄砂がかかる中、長山串の海岸の崖が見える。入り口が空いている坑道がいくつか見えた。
西海(ソヘ、黄海)の韓国最北端の島ペクリョン島は当然、北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)から近い。仁川(インチョン)からは直線距離で175キロ離れている。この日午前、仁川港沿岸旅客ターミナルからペクリョン島に来るのに4時間かかった。快速船でだ。ペクリョン島を含む西海5島には常に緊張感が漂っている。ペクリョン島近隣では大青(デチョン)海戦(2009)、韓国哨戒艦「天安」襲撃事件(2010)が発生した。東南側に90キロ離れた延坪島(ヨンピョンド)では延坪海戦(1999、2002)と延坪島砲撃事件(2010)があった。
北朝鮮は西海北方限界線(NLL)の北側海岸に、韓国の西北島嶼とその海岸を射程圏とする海岸砲50-60門と152ミリ曲射砲を設置している。さらにサムレット・シルクワーム地対艦ミサイルを配備し、西北島嶼の住民と近隣水域を通過する韓国海軍を脅かす。ヨンギ浦のキム・ジンス里長は「商船の非常周波数などのチャンネルで南北海軍の交信が聞こえたりする」とし「海域を侵入したから出ていけという言葉が交わされ、本当に緊張した」と話した。キム里町は大青海戦当時、ペクリョン島の海で操業中だった。
ペクリョン島は島全体が事実上、軍部隊だ。道路には軍の車両が常に目に入り、あちこちに部隊がある。軍事地域が多いため車のナビゲーションもまともに作動せず、道に迷ったりとんでもないところに案内されたりする。ペクリョン島の住民は1万人ほどだが、その半分が軍人だ。海兵隊第6旅団の兵力が最も多いが、陸・海・空軍の兵力もすべて配備されている。海兵隊は北朝鮮軍浸透防御任務を担当し、陸軍は北朝鮮上陸艇を撃破するアパッチヘリコプターを運用する。空軍は周辺上空を守る防空部隊、海軍はNLL警戒活動をする高速艇出港基地を置いている。
翌日の14日、また展望台に行った。前日と同じく開いた坑道はそのままだった。これに関し国防部当局者は「9・19軍事合意書の文面をそのまま理解してほしい」とし「軍事合意書に基づき海岸砲の砲門はすべて閉鎖された」と説明した。開いている坑道には海岸砲がないという趣旨と解釈できる。この当局者は追加の説明をしなかった。9・19南北軍事合意書に基づき南北は今月1日からNLL一帯で海岸砲の砲門を閉鎖し、海岸砲の射撃も全面中止することにした。ここを通過する艦艇には艦砲カバーをすることで合意した。この日も長山串の崖の一部の坑道は開いていたが、今年に入って北朝鮮では変化の兆しがあったという。軍関係者は「北は海岸砲の坑道の砲門を開けた後、海岸砲を露出して緊張を高めたりした」とし「ところが南北首脳の4・27板門店(パンムンジョム)宣言意向、坑道陣地の砲門を開けていない」と伝えた。
ペクリョン島の住民は南北間の緊張緩和に期待を隠さなかった。現在、住民の最大の悩みは急減したワタリガニだ。異口同音に「漁獲量が大幅に減った」とし、対策が必要だと主張した。13日、ペクリョン島でワタリガニは前日の500キロを大きく下回る100キロしか獲れなかった。このような日がほとんどだという。漁民は漁場の拡大を期待している。キム・ジンス里長は平和水域および共同漁労区域を設置して操業を保障するという南北間の合意に関し「漁場も拡大して操業時間も増えそうだ」と歓迎した。西海5島の漁場面積は現在3200平方キロメートル水準だが、少なくとも300平方キロメートル以上が増える可能性がある。漁民によると、日没前後を禁止した操業時間は日没前30分、日没後3時間まで許容する案も検討されている。
韓国ペクリョン島から15キロの北朝鮮長山串、砲門は開いたまま(2)
西海(ソヘ、黄海)の韓国最北端の島ペクリョン島は当然、北朝鮮の黄海南道(ファンヘナムド)から近い。仁川(インチョン)からは直線距離で175キロ離れている。この日午前、仁川港沿岸旅客ターミナルからペクリョン島に来るのに4時間かかった。快速船でだ。ペクリョン島を含む西海5島には常に緊張感が漂っている。ペクリョン島近隣では大青(デチョン)海戦(2009)、韓国哨戒艦「天安」襲撃事件(2010)が発生した。東南側に90キロ離れた延坪島(ヨンピョンド)では延坪海戦(1999、2002)と延坪島砲撃事件(2010)があった。
北朝鮮は西海北方限界線(NLL)の北側海岸に、韓国の西北島嶼とその海岸を射程圏とする海岸砲50-60門と152ミリ曲射砲を設置している。さらにサムレット・シルクワーム地対艦ミサイルを配備し、西北島嶼の住民と近隣水域を通過する韓国海軍を脅かす。ヨンギ浦のキム・ジンス里長は「商船の非常周波数などのチャンネルで南北海軍の交信が聞こえたりする」とし「海域を侵入したから出ていけという言葉が交わされ、本当に緊張した」と話した。キム里町は大青海戦当時、ペクリョン島の海で操業中だった。
ペクリョン島は島全体が事実上、軍部隊だ。道路には軍の車両が常に目に入り、あちこちに部隊がある。軍事地域が多いため車のナビゲーションもまともに作動せず、道に迷ったりとんでもないところに案内されたりする。ペクリョン島の住民は1万人ほどだが、その半分が軍人だ。海兵隊第6旅団の兵力が最も多いが、陸・海・空軍の兵力もすべて配備されている。海兵隊は北朝鮮軍浸透防御任務を担当し、陸軍は北朝鮮上陸艇を撃破するアパッチヘリコプターを運用する。空軍は周辺上空を守る防空部隊、海軍はNLL警戒活動をする高速艇出港基地を置いている。
翌日の14日、また展望台に行った。前日と同じく開いた坑道はそのままだった。これに関し国防部当局者は「9・19軍事合意書の文面をそのまま理解してほしい」とし「軍事合意書に基づき海岸砲の砲門はすべて閉鎖された」と説明した。開いている坑道には海岸砲がないという趣旨と解釈できる。この当局者は追加の説明をしなかった。9・19南北軍事合意書に基づき南北は今月1日からNLL一帯で海岸砲の砲門を閉鎖し、海岸砲の射撃も全面中止することにした。ここを通過する艦艇には艦砲カバーをすることで合意した。この日も長山串の崖の一部の坑道は開いていたが、今年に入って北朝鮮では変化の兆しがあったという。軍関係者は「北は海岸砲の坑道の砲門を開けた後、海岸砲を露出して緊張を高めたりした」とし「ところが南北首脳の4・27板門店(パンムンジョム)宣言意向、坑道陣地の砲門を開けていない」と伝えた。
ペクリョン島の住民は南北間の緊張緩和に期待を隠さなかった。現在、住民の最大の悩みは急減したワタリガニだ。異口同音に「漁獲量が大幅に減った」とし、対策が必要だと主張した。13日、ペクリョン島でワタリガニは前日の500キロを大きく下回る100キロしか獲れなかった。このような日がほとんどだという。漁民は漁場の拡大を期待している。キム・ジンス里長は平和水域および共同漁労区域を設置して操業を保障するという南北間の合意に関し「漁場も拡大して操業時間も増えそうだ」と歓迎した。西海5島の漁場面積は現在3200平方キロメートル水準だが、少なくとも300平方キロメートル以上が増える可能性がある。漁民によると、日没前後を禁止した操業時間は日没前30分、日没後3時間まで許容する案も検討されている。
韓国ペクリョン島から15キロの北朝鮮長山串、砲門は開いたまま(2)
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