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米野党「金正恩にだまされた」 ボルトン補佐官「2回目の首脳会談は準備できている」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
トランプ米大統領の北朝鮮非核化交渉がまた暗礁に乗り上げた。米国の外交安保分野の代表的なシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が北朝鮮の未申告(undeclared)ミサイル基地が稼働中として12日(現地時間)に出した報告書の余波だ。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がトランプ大統領との6・12首脳会談後に平安北道鉄山郡東倉里(トンチャンリ)のミサイル試験場廃棄を約束したが、北朝鮮全域のミサイル基地は依然として稼働中というのがCSISの報告書の核心だ。ニューヨークタイムズ(NYT)はこれを北朝鮮の「巨大な詐欺(great deception)」を示唆すると表現した。

ワシントンでは米朝交渉の弱点が表れたという指摘が出ている。トランプ政権が北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)核実験場や東倉里など一部の施設だけに集中し、北朝鮮の全体的な核能力に対する把握が十分でなかったという憂慮だ。


CSISのビクター・チャ韓国部長は「我々は北朝鮮が一部の(核・ミサイル)施設を廃棄する見返りにトランプ大統領が平和協定を結ぶ悪い取引(bad deal)をするのではと懸念している」と述べたと、NYTは報じた。ワシントンポストも「今回のCSISの報告書をみると、北朝鮮は最近、核・ミサイル関連の備蓄量をさらに増やしているようだ」と伝えた。

峨山政策研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)安保統一センター長は「トランプ大統領の対北交渉方式に対する米国内の不満と憂慮が表れた」とし「今までのトランプ大統領の動きは伝統的な米国の外交文法に外れる。今回のCSISの報告書は『それ見ろ、北にだまされているではないか』とトランプ大統領を攻撃するものだ」と話した。

報告書が公開された翌日の13日(現地時間)、シンガポールを訪問したジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は記者らに「トランプ大統領は北朝鮮の指導者の金正恩と2回目の首脳会談をする準備ができている」と述べた。

しかし6日の中間選挙で下院の過半を取得した民主党は攻勢に出た。「トランプ大統領は北朝鮮の核開発を抑止するのに失敗した」(下院外交委のホアキン・カストロ議員)、「トランプ大統領は北朝鮮の核の脅威を除去しているという主張をやめるべきだ。(脅威は)さらに悪化するようだ」(フランク・フォーロン下院議員)という批判が相次いだ。

上院外交委東アジア太平洋小委の民主党幹事を務めるエドワード・マーキー議員は声明を出し「トランプ大統領は金正恩委員長にもてあそばれている。金氏政権が核兵器と弾道ミサイルプログラムを中断する確実な行動を取るまで(首脳会談を)してはいけない」と要求した。

状況がこのように流れると、トランプ政権は困惑している。北朝鮮をかばうのも非難するのも適切でない状況であるからだ。

CSIS報告書が特に注目したサッカンモル基地は金正恩委員長が訪問したところだ。ここでは2016年に3月、7月、9月と続けて短距離・中距離弾道ミサイルを試験発射したが、3回とも金委員長が参観した。2016年は北朝鮮の4回目の核実験(1月6日)と東倉里弾道ミサイル発射実験(2月7日)以降、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が開城(ケソン)工業団地の稼働の全面中断を発表し、南北関係が最悪になった時期だ。

軍事専門家によると、サッカンモルは短距離・中距離ミサイルを同時に発射してきたところという点で意味がある。2016年のミサイル試験発射当時は短距離のスカッドミサイルが主に登場したが、中距離ミサイルも情報当局に探知された。CSISは今回の報告書で北朝鮮全域に20カ所ほどのミサイル基地があり、このうち13カ所が確認されたと明らかにした。しかし実際のミサイル基地はこれより多いという観測もある。金委員長は2013年末、「全国をミサイルで樹林化しろ」と指示している。



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