外交部は低迷している。周辺環境は内憂外患だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の国政の中心は南北関係だ。外交部が置かれている場所は辺境だ。外交の主導権も青瓦台(チョンワデ、大統領府)に渡って久しい。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官のリーダーシップビジョンは曖昧だ。
4強外交は絡まり合い、複雑になっている。韓米同盟は不協和音の中にある。韓日関係は最悪だ。韓中関係は停滞状態だ。北東アジアの秩序は荒波の中だ。米中通商戦争は迂余曲折の中で進んでいる。習近平の中国と安倍の日本の関係は再編されつつある。大韓民国外交部は受動的な姿勢で観望中だ。
外交部の衰退は進行形だ。なぜ止まらないのか。丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は7日、このように解釈した。「外交部、特に対米政策ラインの伝統的な考え方・形態に対する政権次元の不信のためと考える」。丁世鉉は「外交部の過去の対米ライン担当者は米国の意中をまず先に確認し、南北問題には『妻のおじの墓の草刈りをするように』消極的だった。そのような様子を文大統領はもどかしく思い、彼らを排除したのだろう」。
丁世鉉は、文大統領が候補時代に南北問題諮問グループを率いた。文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特報も一緒だった。このグループの基調は南北関係先行論だ。彼らは南北と韓米関係の同伴進展論に反発する。彼らの外交部に対する記憶と認識は不満と反感だ。
文大統領の北朝鮮アプローチ法は「韓半島(朝鮮半島)運転者論」だ。その土台は、韓半島問題解決の主人・主権意識だ。それは北朝鮮の非核化と米朝問題に先制的動力を提供した。これをてこに韓半島情勢変化をリードした。そのような「韓半島運転者論」は対米ラインの人々にとっては概して異質だ。
そのような雰囲気で外交部は改造対象だ。手段は人事だ。速度戦の強迫観念が重なっているようだ。ここからの気勢は荒々しく単線的だ。「ワシントンスクール」の対米ラインは退出を余儀なくされている境遇だ。このような流れは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府初期にもあった。この時期は同盟派と自主派の葛藤だった。自主派の核心は現在、南官杓(ナム・グァンピョ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)安保室第2次長だ。だが、15年前のその時と規模や次元が違う。
外交部の現職大使は今の状況を匿名で説明する。「外交部改造は盧武鉉政権の序盤期のテジャブのような形で始まった。その時は主に政策論争だった。今は根本的な変革をしようという雰囲気だ。外交部の文化、主流勢力、理念的指向に対する改造作業だ。大法院カラーも進歩に変えたが、力のない外交部は従うほかはない」。権力の主流交替は文在寅政権の指向するところだ。彼は「対米ライン出身の過度なエリート意識も自業自得となった。彼らによる核心職の寡占は疾視と批判を受けており、外部の干渉と介入を呼び込んだ」と語った。
そのモデルケースになったのは、黄浚局(ファン・ジュングク)駐英大使の召喚・問責だった。理由は「韓米防衛費分担特別協定の裏合意」問題だ。だが、その交渉は成功作だ。今のトランプ政府なら拒否しただろう。黄浚局は北米局長・駐米公使・韓半島平和交渉本部長・6カ国協議首席代表を歴任した。このような経歴は現政権の疑いと排斥の要素となる。このようなコースを歩んだ金ホン均(キム・ホンギュン)前平和交渉本部長も退職した。趙賢東(チョ・ヒョンドン)元駐米公使、チャン・ホジン前北米局長は不利益処分状態だ。今年9月末の人事で林聖男(イム・ソンナム)第1次官、趙炳ジェ(チョ・ビョンジェ)国立外交院長は退職した。このため外交部首脳陣から対米ラインは消滅状態だ。
この人事の流れは10月の国政監査の争点になった。鄭鎭碩(チョン・ジンソク)自由韓国党議員はこのように詰問した。「対米外交が重要な時点だと言いながら、なぜ外交部内の米国通、北核専門家に煮え湯を飲ませるのか」。康長官は「外交部内の対米外交と北核外交のノウハウと経験は十分に残っていると考える」と答弁した。その言い分は虚しい。人事の特徴は対米ラインとの断絶だ。
人事には意外な部分がある。それは趙炳ジェ(チョ・ビョンジェ)の退場だ。現政権の人事論争はキャムコーダ(キャンプ+コード+共に民主党)優待だ。趙炳ジェは文在寅キャンプ出身だ。外交諮問団(国民アグレマン)の幹事だった。団長は鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長。このため、趙炳ジェの第1次官抜擢(ばってき)説が飛び交った。だが、実践されなかった。
この人事は鄭義溶にとっても失望すべきことだっただろう。鄭義溶は元老級の外交官(72、外交官試験5回)出身だ。先月29日、スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮担当特別代表の動線は微妙だった。ビーガンの面談要請第一順位は任鍾皙(イム・ジョンソク)大統領秘書室長だった。それは米国の青瓦台参謀に対する判断を反映している。このことから、外交官出身の脆弱な位置づけが明らかになったといえる。
【コラム】外交部の苦しい内憂外患=韓国(2)
4強外交は絡まり合い、複雑になっている。韓米同盟は不協和音の中にある。韓日関係は最悪だ。韓中関係は停滞状態だ。北東アジアの秩序は荒波の中だ。米中通商戦争は迂余曲折の中で進んでいる。習近平の中国と安倍の日本の関係は再編されつつある。大韓民国外交部は受動的な姿勢で観望中だ。
外交部の衰退は進行形だ。なぜ止まらないのか。丁世鉉(チョン・セヒョン)元統一部長官は7日、このように解釈した。「外交部、特に対米政策ラインの伝統的な考え方・形態に対する政権次元の不信のためと考える」。丁世鉉は「外交部の過去の対米ライン担当者は米国の意中をまず先に確認し、南北問題には『妻のおじの墓の草刈りをするように』消極的だった。そのような様子を文大統領はもどかしく思い、彼らを排除したのだろう」。
丁世鉉は、文大統領が候補時代に南北問題諮問グループを率いた。文正仁(ムン・ジョンイン)統一外交安保特報も一緒だった。このグループの基調は南北関係先行論だ。彼らは南北と韓米関係の同伴進展論に反発する。彼らの外交部に対する記憶と認識は不満と反感だ。
文大統領の北朝鮮アプローチ法は「韓半島(朝鮮半島)運転者論」だ。その土台は、韓半島問題解決の主人・主権意識だ。それは北朝鮮の非核化と米朝問題に先制的動力を提供した。これをてこに韓半島情勢変化をリードした。そのような「韓半島運転者論」は対米ラインの人々にとっては概して異質だ。
そのような雰囲気で外交部は改造対象だ。手段は人事だ。速度戦の強迫観念が重なっているようだ。ここからの気勢は荒々しく単線的だ。「ワシントンスクール」の対米ラインは退出を余儀なくされている境遇だ。このような流れは盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府初期にもあった。この時期は同盟派と自主派の葛藤だった。自主派の核心は現在、南官杓(ナム・グァンピョ)青瓦台(チョンワデ、大統領府)安保室第2次長だ。だが、15年前のその時と規模や次元が違う。
外交部の現職大使は今の状況を匿名で説明する。「外交部改造は盧武鉉政権の序盤期のテジャブのような形で始まった。その時は主に政策論争だった。今は根本的な変革をしようという雰囲気だ。外交部の文化、主流勢力、理念的指向に対する改造作業だ。大法院カラーも進歩に変えたが、力のない外交部は従うほかはない」。権力の主流交替は文在寅政権の指向するところだ。彼は「対米ライン出身の過度なエリート意識も自業自得となった。彼らによる核心職の寡占は疾視と批判を受けており、外部の干渉と介入を呼び込んだ」と語った。
そのモデルケースになったのは、黄浚局(ファン・ジュングク)駐英大使の召喚・問責だった。理由は「韓米防衛費分担特別協定の裏合意」問題だ。だが、その交渉は成功作だ。今のトランプ政府なら拒否しただろう。黄浚局は北米局長・駐米公使・韓半島平和交渉本部長・6カ国協議首席代表を歴任した。このような経歴は現政権の疑いと排斥の要素となる。このようなコースを歩んだ金ホン均(キム・ホンギュン)前平和交渉本部長も退職した。趙賢東(チョ・ヒョンドン)元駐米公使、チャン・ホジン前北米局長は不利益処分状態だ。今年9月末の人事で林聖男(イム・ソンナム)第1次官、趙炳ジェ(チョ・ビョンジェ)国立外交院長は退職した。このため外交部首脳陣から対米ラインは消滅状態だ。
この人事の流れは10月の国政監査の争点になった。鄭鎭碩(チョン・ジンソク)自由韓国党議員はこのように詰問した。「対米外交が重要な時点だと言いながら、なぜ外交部内の米国通、北核専門家に煮え湯を飲ませるのか」。康長官は「外交部内の対米外交と北核外交のノウハウと経験は十分に残っていると考える」と答弁した。その言い分は虚しい。人事の特徴は対米ラインとの断絶だ。
人事には意外な部分がある。それは趙炳ジェ(チョ・ビョンジェ)の退場だ。現政権の人事論争はキャムコーダ(キャンプ+コード+共に民主党)優待だ。趙炳ジェは文在寅キャンプ出身だ。外交諮問団(国民アグレマン)の幹事だった。団長は鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長。このため、趙炳ジェの第1次官抜擢(ばってき)説が飛び交った。だが、実践されなかった。
この人事は鄭義溶にとっても失望すべきことだっただろう。鄭義溶は元老級の外交官(72、外交官試験5回)出身だ。先月29日、スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮担当特別代表の動線は微妙だった。ビーガンの面談要請第一順位は任鍾皙(イム・ジョンソク)大統領秘書室長だった。それは米国の青瓦台参謀に対する判断を反映している。このことから、外交官出身の脆弱な位置づけが明らかになったといえる。
【コラム】外交部の苦しい内憂外患=韓国(2)
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