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【コラム】文大統領、善意は無能の免罪符でない(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先週の国会での施政方針演説で文在寅(ムン・ジェイン)大統領が投じたメッセージは「共に良い暮らしをする社会」だった。裕福な子より貧しい子を先に考える親心で共に良い生活をする共同体を築こうという文大統領の善意を疑う人はほとんどいないだろう。文大統領は「この1年6カ月間は共に良い暮らしをするために我々の経済と社会構造を根本的に変えようと努力した時間だった」とし「このために(Jノミクスの3つの軸)所得主導成長、革新成長、公正経済を推進した」と振り返った。

文大統領は「すぐに効果が出ないからといって経済的不平等を深める過去の方式に戻ることはできない」と述べた。政策基調の転換過程に表れている一部の問題点にもかかわらず、共に良い暮らしをするための政策基調を揺らぐことなく維持するということだ。今年より10%多い470兆5000億ウォン(約47兆円)の新年度の予算が投入されればJノミクスの成果が本格化するため、それまで政府を信じて待ってほしいということだ。

Jノミクスの中心軸である所得主導成長は、低所得層の実質所得を増やせば消費が増え、消費の増大は企業の生産と投資の増大および雇用の創出につながり、経済成長が促進されるという仮定に基づく。低所得層の実質所得増大のために文在寅政権は最低賃金を大幅に引き上げ、各種支援策を通じて莫大な資金を投じた。しかしまだ効果は表れていない。最低賃金引き上げで職場を失った人たちと閉鎖する自営業者と零細業者が続出しているだけだ。


文化日報が最近実施した世論調査で、韓国国民10人のうち4人は1年前に比べて経済が悪化したと回答した。良くなったという回答は10人のうち1人にすぎなかった。生活が悪化した人は1カ月間の世帯所得200万ウォン以下の低所得層に集中し、良くなった人は500万ウォン以上の高所得層に多かった。政府の期待とは違い、低所得層の所得増大効果は表れず、二極化が深まっている。

ビル・クリントン元米大統領の選挙スローガンだった「経済こそが重要なのだ、愚か者」という言葉を最近ほど実感することはなかった。対北朝鮮政策で点数を稼いでも経済が悪化すれば何にもならない。韓国ギャラップの世論調査で文大統領の国政遂行に対する支持率は先週55%に落ちた。平壌(ピョンヤン)訪問による一時的な効果が消え、3週間で10%落ちた。金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相と張夏成(チャン・ハソン)青瓦台(チョンワデ、大統領府)政策室長の同時交代カードは雰囲気刷新を通じて支持率の反騰を試ろうという意図とみられる。

従来の政策基調をそのまま維持するという大統領の方針が変わらない限り、誰になっても大きく変わらないだろう。足を縛っておきながら走れという姿だ。地位に目がくらまなければその席に就こうとする人がいるかも疑問だ。本当に能力と信念を持つ人なら全権を与えてほしいと要求するはずだが、文大統領は果たしてそのようにできるだろうか。



【コラム】文大統領、善意は無能の免罪符でない(2)


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