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【時視各角】こうしようとそんな大騒ぎをしたのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
在日大使館で働く書記官級外交官を募集したが申請者が一人もいなかったという話を聞き、驚いて外交部に聞いてみて少し鼻白んだ。東京のように、仕事も多く出世コースに通じる他の公館も事情が全く同じだという。パリの経済協力開発機構(OECD)代表部もそうで、在中大使館も書記官級以下の希望者は全くいなかったという。そのかわり、暇で風景のすばらしい欧州や南米で優雅で上品な外交官として歳月を送ることができればいいかもしれない。

それでも心配は残る。過去には見られなかった集団的「職務怠慢」だが、そのが理由がもっともらしい。頭の痛い外交第一線であらゆるとあらゆる苦労を強いられながらも、政権が変われば積弊として責任を取らされるため「周りを見ながら行動する」という事なかれ主義「伏地不動」に走ったのだというものだ。そういえば、前政府の韓米防衛費交渉に関連して職位を解かれた大使がいて、慰安婦合意に参加したからと召喚された外交官もいた。先日の次官級人事後、それなりに高位職に残っていたいくつもない「北核・米国通」はみんな退任した。

外交部だけではなく、国定教科書やコメント関連者は捜査を受けたり拘束されたりした。海外研修まで取り消しになった。さらに、前政権で引き立てられていたという理由だけで反逆者扱いを受ける実務者級公務員も多い。そうしながら、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は長官や参謀を公開席上で叱るケースが最近になって目に見えて増えた。青瓦台(チョンワデ、大統領府)首席会議では「公職者の最も基本は有能だ」と強調した。1年前には「魂のない公務員になってはいけない」と述べた大統領だ。


公職社会があまりにも動かなさすぎだからこうなのだと思い、共感はする。だが、叱りつけたからと言ってうまく回るかどうかはよく分からない。公務員を積弊対象としか見ていないのに、なんの意欲が湧くというのか。もちろん、公職社会保身主義は昨日今日のことではない。目を忙しく動かして空気を読む「伏地眼動」、タコ(ナクチ)のように泥の中に隠れるという「ナクチ不動」という、「伏地不動」の派生語が出回って久しい。それでも政権の序盤では想像できなかった。ところが最近、世宗(セジョン)市の居酒屋では青瓦台を酒の肴にしながら「第2の辺陽浩(ピョン・ヤンホ)になるよりは“濡れた落葉”になろう(=仕事をがんばらずに、細く長く事なかれで行こう)」という決意があふれているという。

先日、フランスのマクロン大統領に会った文大統領は「同じ時期に似た姿で大統領に当選し、指向する価値も似ている。似ている点が多く双子のようだ」と話した。出発点が同じだということは間違っていない。2人は新しい政治に対する国民の念願を背負って大統領選挙で圧勝した。雇用政府を全面に出した点も共通している。だが、わずか1年余りでフランス公務員は昔の韓国の公務員のように仕事が早くなり、我々は「楽しむ」昔のフランス役人のようになった。フランスの雇用は急速に増え、韓国は減った。

マクロンは支持率が落ちたが無事安逸、伏地不動、卓上行政という積弊公職文化と戦った。公職社会に競争を促進するために仕事をしなかったりできなかったりした場合は退出させる道を開いた。韓国は「李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)」剪定にオールインし、その時の公務員を引きずり出し、周辺強大国と争い、外交官はその地域の勤務を忌避する。多くの人が盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府のデジャビュを語るが、盧政府時はイラク派兵のような韓米間の好材料も多かった。支持層は非常に嫌がりはしたが。

文政府はむしろ、人気が落ちるたびに“間違ったことを正す”という意味のいわゆる「司正カード」を振りかざしたYS〔金泳三(キム・ヨンサム)〕政府に似ている。「日本の悪い癖を直す」という発言で支持率を高めたYSは経済も人気中心に扱った。文大統領が昨日、また積弊清算を取り上げた。4カ月ぶりに開くという大統領主宰の経済会議は経済民主化、財閥改革が主題だという。「コード(政治理念)」と「味方」に一貫性があることは見かけはいい。ところで、積弊清算1年半で清算された積弊はいったい何だったのか聞きたい。本当にこうしようとそんな大騒ぎをしたのか。

チェ・サンヨン/論説委員



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