「今年に入って20%下落した韓国市場では心理的な過剰反応が表れている。こうした状況がさらに継続しないとは断言できない」。
ウォール街の投資「グル(Guru)」と呼ばれるオークツリーキャピタルのハワード・マックス会長が韓国の投資家に投じた言葉だ。
マックス会長は「先進市場が好調な時はさらに勢いづき、逆に不振の時は完全な憂鬱、心理的な過剰反応が表れるのが新興市場」とし「心理には制限ラインがない」と述べた。また「売るにはすでに遅い」と診断した。
マックス会長が1995年に設立したオークツリーの資産総額(系列会社ダブルラインキャピタルの資産含む)は9月基準で1235億ドル(約14兆円)にのぼる。ハンガリーの年間国内総生産(GDP、1250億ドル)に相当する。不良債権部門で世界的な投資家のマックス会長は、経済危機の時に買って好況期に売る「逆方向投資」で高収益を出し、名前が広く知られた。
投資家に送るメール「ハワード・マックスからのメモ」でも有名だ。市場に対する洞察力と正確な予測で世界的な投資家ウォーレン・バフェットが「メールボックスにハワード・マックスのメモが届いていれば真っ先に開く」と話すほどだ。
著書『ハワード・マックス 投資とマーケットサイクルの法則』の韓国出版に合わせて訪韓したマックス会長に先月29日、インタビューをした。KOSPI(韓国総合株価指数)が2000を割った日だ。マックス会長は「韓国経済の専門家ではない」と一線を画しながら、韓国株式市場の騰落のカギを握る米国経済状況を中心に語った。以下は一問一答。
--今は景気循環周期(サイクル)のどの辺りか。
「米国の景気は依然として好調に見えるが、不確実性も多い。2008年の世界金融危機以降、米国の景気回復期は10年目に入っているが(回復期が)これほど長く続いたことはない。景気回復は永遠でない。すぐに終わるとは言えないが、もう景気回復は後期局面に入っている。そのようなファンダメンタルズ(基礎指標)に対して(株式の)価格が高く形成されていて、心理が徐々に弱まりながら米国株式市場も調整に入ったとみられる」
--経済危機に向かっているのか。
「バブル後の崩壊、または超好況後の崩壊。これがその間の周期だった。しかし今の状況はバブルではないとみる。少し経済成長が鈍ったからといって、それを危機と見てはいけない。もちろん正常という状況を仮定した場合のことだ。貿易戦争がさらに激化し、地政学的な緊張が高まれば、北朝鮮問題が平和的に解決しなければ、悪い状況に展開するかもしれない」
--2年前から危険を警告していたが。
「2年前は『慎重にすべき』ということだった。混乱状態(panic)ということではなかった」
--韓国の場合、投資心理が急速に冷え込んでいる。投資避難先はあるのか。
「株を売って他の投資先に乗り換えるのはどうかという質問のようだが、売るにはすでに遅いようだ。『1年前に売っておくべきだった』と簡単に言えるかもしれないが、当時を考えれば簡単に実践できることでもない。韓国株式市場はすでに20%下落し、さらに落ちる可能性もある。(韓国経済の)ファンダメンタルズが悪化した部分が最近、価格に先に反映されているようだ。もし投資をするのなら債券、短期金融商品、韓国以外の海外地域への投資をするのはどうだろうか思う」
--韓国の投資家を対象に「ハワード・マックスからのメモ」を送るなら、どういう内容で書く考えか。
「感情よりは頭で、短期よりは長期で、あちこち飛び回るよりは安定的に投資しなければいけない。感情的になればピークで売って底で売る『逆』行動をしかねない。セールをする時に買うべきだが、株式市場ではそのような原則があまり通用しない。今より心理がさらに冷え込み、資産価値が落ちれば、むしろ投資の機会がくるだろう。心理と反対に投資しなければいけない」
ウォール街の投資「グル(Guru)」と呼ばれるオークツリーキャピタルのハワード・マックス会長が韓国の投資家に投じた言葉だ。
マックス会長は「先進市場が好調な時はさらに勢いづき、逆に不振の時は完全な憂鬱、心理的な過剰反応が表れるのが新興市場」とし「心理には制限ラインがない」と述べた。また「売るにはすでに遅い」と診断した。
マックス会長が1995年に設立したオークツリーの資産総額(系列会社ダブルラインキャピタルの資産含む)は9月基準で1235億ドル(約14兆円)にのぼる。ハンガリーの年間国内総生産(GDP、1250億ドル)に相当する。不良債権部門で世界的な投資家のマックス会長は、経済危機の時に買って好況期に売る「逆方向投資」で高収益を出し、名前が広く知られた。
投資家に送るメール「ハワード・マックスからのメモ」でも有名だ。市場に対する洞察力と正確な予測で世界的な投資家ウォーレン・バフェットが「メールボックスにハワード・マックスのメモが届いていれば真っ先に開く」と話すほどだ。
著書『ハワード・マックス 投資とマーケットサイクルの法則』の韓国出版に合わせて訪韓したマックス会長に先月29日、インタビューをした。KOSPI(韓国総合株価指数)が2000を割った日だ。マックス会長は「韓国経済の専門家ではない」と一線を画しながら、韓国株式市場の騰落のカギを握る米国経済状況を中心に語った。以下は一問一答。
--今は景気循環周期(サイクル)のどの辺りか。
「米国の景気は依然として好調に見えるが、不確実性も多い。2008年の世界金融危機以降、米国の景気回復期は10年目に入っているが(回復期が)これほど長く続いたことはない。景気回復は永遠でない。すぐに終わるとは言えないが、もう景気回復は後期局面に入っている。そのようなファンダメンタルズ(基礎指標)に対して(株式の)価格が高く形成されていて、心理が徐々に弱まりながら米国株式市場も調整に入ったとみられる」
--経済危機に向かっているのか。
「バブル後の崩壊、または超好況後の崩壊。これがその間の周期だった。しかし今の状況はバブルではないとみる。少し経済成長が鈍ったからといって、それを危機と見てはいけない。もちろん正常という状況を仮定した場合のことだ。貿易戦争がさらに激化し、地政学的な緊張が高まれば、北朝鮮問題が平和的に解決しなければ、悪い状況に展開するかもしれない」
--2年前から危険を警告していたが。
「2年前は『慎重にすべき』ということだった。混乱状態(panic)ということではなかった」
--韓国の場合、投資心理が急速に冷え込んでいる。投資避難先はあるのか。
「株を売って他の投資先に乗り換えるのはどうかという質問のようだが、売るにはすでに遅いようだ。『1年前に売っておくべきだった』と簡単に言えるかもしれないが、当時を考えれば簡単に実践できることでもない。韓国株式市場はすでに20%下落し、さらに落ちる可能性もある。(韓国経済の)ファンダメンタルズが悪化した部分が最近、価格に先に反映されているようだ。もし投資をするのなら債券、短期金融商品、韓国以外の海外地域への投資をするのはどうだろうか思う」
--韓国の投資家を対象に「ハワード・マックスからのメモ」を送るなら、どういう内容で書く考えか。
「感情よりは頭で、短期よりは長期で、あちこち飛び回るよりは安定的に投資しなければいけない。感情的になればピークで売って底で売る『逆』行動をしかねない。セールをする時に買うべきだが、株式市場ではそのような原則があまり通用しない。今より心理がさらに冷え込み、資産価値が落ちれば、むしろ投資の機会がくるだろう。心理と反対に投資しなければいけない」
この記事を読んで…