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【時視各角】GMは憎いが…=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「答えがない」。研究開発法人の分割でまた騒がしくなった韓国GM問題に対する専門家らの反応は同じだった。年初の韓国GM資金支援交渉に直接的または間接的に関与したある国策研究所の研究員の声には力がなかった。

「GMは結局、離れていくだろう。法人分割はそのための『減量』であることを否定できない。GMは離れるまで構造調整という名目で人員を減らし、政府には支援を要求する可能性が高い。雇用を担保にした駆け引きは選挙のたびに浮上するだろう」。

行き過ぎた不信感と見ることはできない。10年前の金融危機で死んで復活したGMの第1目標は過去のような規模ではなく生存と収益だ。投資会議でメアリー・バーラGM最高経営責任者(CEO)の質問はいつも同じだ。「私たちが収益を出せるか。ここがこの資本を投資する最高の場所か」。GMが株主の76%を占めるウォール街機関投資家の収益追求圧力に耐える手段はない。


現在の韓国GMを見ると、まだ研究開発能力を高く評価されるているだけ幸いという気がする。生産はますます減り、赤字は1年に1兆ウォン(約1000億円)近く増える。クォン・スンウォン淑明女子大経営学部教授は「それでもGMが韓国を離れないのは政府の支援金のためだけではない」と話す。韓国の安くて良い部品供給能力と研究開発能力のためということだ。まだ、こうした長所が強硬な労働組合と低い自動車生産性という短所を相殺している。

韓国GMの研究開発能力はGM本社が自ら3大開発拠点の一つに選ぶほど競争力がある。仁川青羅(チョンナ)のGM走行試験場(プルーヴィンググラウンド)は仁川市(インチョンシ)が無償で提供した50万平方メートルの敷地に36の走行路と各種試験室を備えた最先端研究所だ。試験室内で四季の温度と湿度、太陽光を自動調節できる世界初の研究棟まである。約500人の研究員も優秀だ。速かに課題を解決する誠実さはGM内のどの研究所より優れている。生産部門は高い賃金が問題だが、研究部門はむしろ賃金競争力を備えているという評価を受ける。

労働組合は生産と研究開発が分離すれば独自の生存力がなくなると主張する。GMが離れる場合を想定した懸念だ。しかしすでに世界自動車業界は研究開発と生産現場を分離する傾向だ。たとえば韓国で生産されないGM電気自動車ボルトの開発を韓国GMデザイン研究所が引き受けるという形だ。何よりも今は「独自生存」より「生存自体」を悩まなければいけない時だ。

GMの法人分割は実際、防ぐ方法がない。産業銀行があいまいな立場を見せるのもそのためだ。むしろ発想の転換が必要となる。韓国GMの研究開発能力をさらに最大化し、これを韓国内の生産と結びつけるようGMに圧力を加えるのが現実的かもしれない。世界自動車企業の目はすでに自動運転車や未来型電気自動車に向いている。GMは最近、共有サービス機能を備えたロボットタクシーの開発に着手した。こうした未来技術開発の一部でも韓国で担当することがGMを離さない安全ベルトになる可能性がある。こうした点で仁川市が無償提供した青羅試験場の返還に言及するのは適切でないとみられる。これを生かしてGMの韓国内研究開発投資に圧力を加えるのならまだしもだ。

韓国政府と地域社会、労働組合のような利害関係者が眼中にないGMの経営には憎しみを感じる。しかし感情だけで問題を解決することはできない。税金を投入して雇用を要請するようなことをやめるには、状況を冷静に把握して方法を探さなければいけない。その方法が今の国民感情とは合わなくてもだ。政府や政治家にそのような勇気があるかは分からない。

イ・ヒョンサン/論説委員



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