日本と違い、韓国企業は新たな仕事を見つけることができず次々と廃業に追い込まれている。造船・海運・自動車などを中心に景気が冷え込み、大企業の協力会社など中小企業の倒産が大幅に増えている。また、最低賃金引き上げや週52時間勤務制施行などで零細自営業者が廃業に追い込まれる事例が急増している。ここに韓国銀行の基準金利の引き上げが予告されており、限界企業と限界自営業者の危機が深まることが懸念されている。
◆“事業飢謹”で廃業に追い込まれる企業
15日、大法院(最高裁判所に相当)によると、今年に入って8月末までに全国の裁判所に寄せられた企業倒産申請は1145件(法定管理612件、法人破産533件)で、前年同期(1031件)に比べて10.1%増えた。倒産は法定管理と破産を包括する概念だ。このままいけば韓進(ハンジン)海運破産などの余波で年間倒産申請が歴代最大(1674件)を記録した2016年よりも倒産申請件数が増える可能性が高い。2016年は、8月末までの倒産申請件数が今年よりも少ない1131件だった。
廃業企業も急増している。国税庁によると、廃業企業は2015年に79万社だったが2016年90万社を越え、昨年もほぼ同じ水準だった。
企業が倒産する理由は景気低迷が現実に近づいたためだ。製造業稼動率は、今年1分期(1~3月)、世界金融危機(2008年)以降最低の71.0%を記録した後、回復できないままだ。
製造業稼動率は今年8月に75.7%を記録して反騰したが、1990年から2011年まで平均77.9%だった点を勘案すると非常に低い水準だと評価されている。
製造業稼動率が75.7%というのは、工場100カ所のうち24カ所は動いていないということだ。特に憂慮される点は、国内主力業種の稼動率が振るわないということだ。機械装備製造業はピークから30%以上急落し、自動車は2015年以降下落傾向にある。
工場が回っていないが在庫は増加し続けている。今年8月の出荷量に対する在庫比率は107.4%に達した。製品100個を作ると、このうち7.4個は倉庫にあるということだ。釜山(プサン)で中堅企業を経営しているある企業家は「釜山地域で最も大きな産業団地『ノクサン工業団地の稼動率が60%水準に落ちた」とし「地域経済をけん引していた大企業が廃業したり危機に陥ったりしながら働き口が減ったうえ、最低賃金引き上げなどの費用負担増加の悪材料が重なり、通貨危機以降、起業が最も難しい状況に追い込まれている」と吐露した。
◆仕事を求めて外国へ
韓国内での事業展開が厳しくなったことを受け、企業は外国に目を転じている。製造業者が外国に工場を移転するケースが増え、国内の雇用はますます減るという悪循環に陥っている。韓国輸出入銀行によると、今年前半期(1~6月)の製造業者の海外投資は73億8000万ドルで前年同期比(29億2400万ドル)152.4%増となった。上半期にすでに前年の年間投資額(78億8700万ドル)に迫る水準を記録した。
財界関係者は「法人税や最低賃金の引き上げ、労働時間短縮などで国内の経営環境が悪化し、国内製造業が海外に追い出されている」とし「貿易戦争などによる関税賦課が現実化すれば、企業の離脱ペースは速まるだろう」と話した。
外国に出た国内企業の復帰実績も低調だった。李彦周(イ・オンジュ)議員(正しい未来党)は、国政監査の資料で、2014年から今年8月まで国内に復帰した「Uターン企業」が50社にすぎないことを指摘した。中小企業が48社、中堅企業が2社で、大企業は1社も国内に復帰しなかった。国内にUターンした中小企業のうち、一部は国内の状況を耐えきれず再び外国に出る現象まで起きている。
低金利時代の終末も企業が危機に追い込まれる主な原因だ。中小ベンチャー企業部によると、2013年2526社だった「限界中小企業」は2015年2754社に増え、その後もほぼ横ばい状態で昨年は2730社を記録した。限界中小企業は、営業利益を利子費用で割った指標である「利子補償倍率」が3年連続「1」未満の中小企業をいう。
ある銀行副頭取は「金利が引き上げられると銀行は限界借主を探し出して健全性管理を行うほかなくなる」とし「延滞貸付を厳格に管理すれば、限界状況に追い込まれた小商工人や中小企業は大規模倒産を避けられないだろう」と話した。
韓経:好況の日本、求人難に耐えきれず黒字倒産vs不況の韓国、仕事なく次々倒産(1)
◆“事業飢謹”で廃業に追い込まれる企業
15日、大法院(最高裁判所に相当)によると、今年に入って8月末までに全国の裁判所に寄せられた企業倒産申請は1145件(法定管理612件、法人破産533件)で、前年同期(1031件)に比べて10.1%増えた。倒産は法定管理と破産を包括する概念だ。このままいけば韓進(ハンジン)海運破産などの余波で年間倒産申請が歴代最大(1674件)を記録した2016年よりも倒産申請件数が増える可能性が高い。2016年は、8月末までの倒産申請件数が今年よりも少ない1131件だった。
廃業企業も急増している。国税庁によると、廃業企業は2015年に79万社だったが2016年90万社を越え、昨年もほぼ同じ水準だった。
企業が倒産する理由は景気低迷が現実に近づいたためだ。製造業稼動率は、今年1分期(1~3月)、世界金融危機(2008年)以降最低の71.0%を記録した後、回復できないままだ。
製造業稼動率は今年8月に75.7%を記録して反騰したが、1990年から2011年まで平均77.9%だった点を勘案すると非常に低い水準だと評価されている。
製造業稼動率が75.7%というのは、工場100カ所のうち24カ所は動いていないということだ。特に憂慮される点は、国内主力業種の稼動率が振るわないということだ。機械装備製造業はピークから30%以上急落し、自動車は2015年以降下落傾向にある。
工場が回っていないが在庫は増加し続けている。今年8月の出荷量に対する在庫比率は107.4%に達した。製品100個を作ると、このうち7.4個は倉庫にあるということだ。釜山(プサン)で中堅企業を経営しているある企業家は「釜山地域で最も大きな産業団地『ノクサン工業団地の稼動率が60%水準に落ちた」とし「地域経済をけん引していた大企業が廃業したり危機に陥ったりしながら働き口が減ったうえ、最低賃金引き上げなどの費用負担増加の悪材料が重なり、通貨危機以降、起業が最も難しい状況に追い込まれている」と吐露した。
◆仕事を求めて外国へ
韓国内での事業展開が厳しくなったことを受け、企業は外国に目を転じている。製造業者が外国に工場を移転するケースが増え、国内の雇用はますます減るという悪循環に陥っている。韓国輸出入銀行によると、今年前半期(1~6月)の製造業者の海外投資は73億8000万ドルで前年同期比(29億2400万ドル)152.4%増となった。上半期にすでに前年の年間投資額(78億8700万ドル)に迫る水準を記録した。
財界関係者は「法人税や最低賃金の引き上げ、労働時間短縮などで国内の経営環境が悪化し、国内製造業が海外に追い出されている」とし「貿易戦争などによる関税賦課が現実化すれば、企業の離脱ペースは速まるだろう」と話した。
外国に出た国内企業の復帰実績も低調だった。李彦周(イ・オンジュ)議員(正しい未来党)は、国政監査の資料で、2014年から今年8月まで国内に復帰した「Uターン企業」が50社にすぎないことを指摘した。中小企業が48社、中堅企業が2社で、大企業は1社も国内に復帰しなかった。国内にUターンした中小企業のうち、一部は国内の状況を耐えきれず再び外国に出る現象まで起きている。
低金利時代の終末も企業が危機に追い込まれる主な原因だ。中小ベンチャー企業部によると、2013年2526社だった「限界中小企業」は2015年2754社に増え、その後もほぼ横ばい状態で昨年は2730社を記録した。限界中小企業は、営業利益を利子費用で割った指標である「利子補償倍率」が3年連続「1」未満の中小企業をいう。
ある銀行副頭取は「金利が引き上げられると銀行は限界借主を探し出して健全性管理を行うほかなくなる」とし「延滞貸付を厳格に管理すれば、限界状況に追い込まれた小商工人や中小企業は大規模倒産を避けられないだろう」と話した。
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