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韓経:【コラム】対日外交、「感情」より「事実」を前面に出すべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
1906年、日帝統監府は京畿道水原(キョンギド・スウォン)に農業試験場を設置した。1910年に韓国を強制的に占領した後には、朝鮮総督府がこの施設を前面に出して「優良品種」米の普及を試みた。熊本県の早神力、山口県の穀良都、栃木県の多摩錦のような単位面積当たりの生産量が多い品種の米を持ち込んだ。

1920年ごろには韓半島(朝鮮半島)でこれらの優良品種が全体の米生産の62%を占めた。そして、1910年代初めに1200万石水準にだった米生産量は1937年には2700万石へと倍以上に増加した。

◆蔓延する「日本万悪説」


日本産米が韓半島に広まるために日帝の強要が決定的な役割を果たした。だが、当時、力の弱かった行政力を考慮すると、生産者(農民)の積極的な新品種の受け入れがなかったら、日本米の急速な拡散は不可能だった。在来種に比べて生産量が多く、病虫害に強い品種はこのようにして市場に広がった。今日、韓国鶏肉消費の90%以上を飼育生産性が高い米国産コーニッシュ交配種が占めているのと同じ論理だ。

経済史(農業史)の教科書の片隅に書かれていそうな古臭い話を改めて取り出したのは、最近、国内の放送番組やSNS等を通して「日帝が収穫量の少ない在来イネの品種を抹殺しようとする目的で日本米を普及させた」というような主張をあちこちで見聞きするためだ。韓国を支配下に置こうと忙しかった20世紀初頭、日本が在来イネの抹殺まで考えるほど緻密だったかどうかについての合理的な説明は見つけることが難しい。

問題は、在来イネの生産減少を扱う時に現れた感情的な「日帝万悪根源説」が社会の各分野で現在進行形として残っているという点だ。最近、韓日間の外交問題に飛び火した「旭日旗問題」が代表的な例だ。

韓国人の集団記憶の中で、旭日旗は日帝の侵略戦争を連想させる「気に食わない」存在であることだけは確かだ。だが、世界各国の軍艦が集まる観艦式に参加しようとしていた日本艦艇に「旭日旗を掲げるな」と要求するのは異なる次元の問題だ。

◆批判は事実に基づくべき

日本と戦争をした米国や英国のような国々の日本に対する目線は、植民支配を受けた韓国と小さくない違いがある。日帝の蛮行を直接体験しなかったせいなのか、反人倫的人種抹殺政策を遂行したナチスドイツとは別物として扱う。第2次世界大戦後も、ドイツ軍の象徴に使われた鉄十字マークのように旭日旗を一般的な軍隊の標識と感じているのも事実だ。

だが「戦犯旗」という単語がここ5~6年の間に韓国で作られた新造語という点まで考慮すると、旭日旗追放という主張が海外世論の共感を得るのは決して容易ではない。何より、韓国は日本が1952年に旭日旗を海上自衛隊旗に採用した時も、1998年と2008年観艦式で旭日旗掲揚艦船が入港した時も異議を唱えなかった。その時は大丈夫で、今回はダメだという客観的理由を果たして説明することができるだろうか。また、このような論争で得る実益は何か。昨年、ドナルド・トランプ米国大統領訪韓時も「独島(ドクト、日本名・竹島)エビ」で騒動が起きたことがあるではないか。

韓国では、長らく日帝あるいは日本は悪魔的存在として描かれた。「歴史に対する反省がない」という指摘も続いた。だが、本当に日本が反省・謝罪することを望むのなら、彼らも納得するほどの事実に基づいて批判しなければならない。よく調べれば「事実」だけでも日帝の蛮行を批判するに際して不足はない。過度に感情をむき出しにすることは韓国にとっても得ではない。

キム・ドンウク/東京特派員



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