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「総体的問題」韓国貯油所火災、外国人労働者をスケープゴートに?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

9日、高陽貯油所火災事件の被疑者であるスリランカ人A氏が好奇心で火をつけた天灯と同じ大きさの天灯を警察が見せながら説明している。

「天灯でなく安全不感症が呼んだ惨事だ」VS「高陽(コヤン)貯油所に火をつけたスリランカ人を死刑執行してください」〔青瓦台(チョンワデ、大統領府)国民請願掲示板〕

高陽貯油所の火災の原因としてスリランカ人A氏(27)が飛ばした天灯(小型熱気球)が挙げられたが、大韓送油管公社側の安全不感症と総体的不良の状況が明るみに出て「スケープゴート作り論争」が巻き起こっている。過失に対する罰を受けなければならないという意見があるかと思えば、貯油所の安全管理に対する根本的な問題には目をつぶって力のない外国人労働者にすべての罪を転嫁してはならないという主張がぶつかっている。

A氏の拘束は不発になった。京畿(キョンギ)高陽(コヤン)警察署が9日、重失火(重大な失火)の疑いでA氏を対象に拘束令状を申請したが、検察が「因果関係に対する説明が不足する」として令状を棄却したからだ。警察は10日、内容を補完して令状を再申請する方針だ。


だが「今回、火災の責任を外国人労働者1人に負わせるのが妥当か」という批判が出ている。警察捜査結果、芝生に火がついて爆発が起きる前まで18分間、大韓送油管公社側では誰もこれに気づいていなかったためだ。閉回路テレビ(CCTV)が45台も設置されていたが、モニタリング専担要員がおらず、タンク外部に火災感知装置や火種がタンクに入ることを防ぐ装置も全くないことが分かった。

警察によると、2015年5月、非専門就業(E-9)ビザで入国したA氏は月300万ウォン(約30万円)程度を稼ぐ現場職労働者だ。不法滞留者の身分でない。だが、高陽貯油所火災事件が注目を集め、被疑者が「スリランカ出身労働者」という事実に焦点が当てられ、「ジェノフォビア(Xenophobia・外国人嫌悪)」の論争に飛び火した。青瓦台国民請願掲示板には10日午前10時現在、高陽貯油所火災事件に関する掲示物が約30件掲載されている。「スリランカ人拘束・当然処罰」「スリランカ人全員を今回の機会に追放しましょう」「外国人を追い出そう」など否定的意見もあるが、「スリランカ人への善処をお願いします」「外国人に責任を問わないでください」「外国人労働者に何の罪があるんですか」「スリランカ人労働者を拘束しないでください」など同情論がさらに多かった。

警察がA氏に重失火の疑いを適用し、拘束令状まで申請したことをめぐっても意見が分かれている。一部では「いくら小さい失敗だといっても被害規模が途方もないということから、拘束捜査が正しい」と主張するが、法律専門家たちは「行き過ぎている」という否定的な意見が多数であることが分かった。大韓弁護士協会の首席報道官であるノ・ヨンヒ弁護士は先立ってあるメディアに「重失火であれ失火罪であれ重要なのは一般的な注意を払った時、そのような結果(火災)を防止することができるかが一番重要な構成要件だが、この方(A氏)が果たして若干の注意を払ったとすれば気付くことができただろうか判断しにくい側面がある」と話した。

民主社会のための弁護士会全北(チョンブク)支部所属のイ・ドクチュン弁護士は「(拘束)令状を申請するためには犯罪が重大か緊急かなど、さまざまな要件がなければならない」として「だが、実質的に犯罪(重失火)なのかどうかも定かでない状況で、警察が拘束令状から申請したのは軽率で行き過ぎている」と指摘した。彼は「ややもすると韓国社会で弱者である東南アジアの労働者への人権侵害や差別論議も呼ぶ可能性がある」と付け加えた。A氏を拘束するかどうかを問わず、裁判で重失火の疑いが認められれば3年以下の禁固、または2000万ウォン以下の罰金に処される可能性がある。



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