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【取材日記】31.2年のしわとノーベル科学賞=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

【取材日記】韓国人のノーベル科学賞受賞にはまだ時間が必要

「フランシス・アーノルド、ジョージ・スミス、グレゴリー・P・ウィンター」。

3日(現地時間)にスウェーデン王立アカデミーで発表されたノーベル化学賞受賞者を最後に、今年は計8人のノーベル科学賞受賞者が新たに殿堂入りすることになった。1901年にノーベル科学賞の授賞が始まって以降、受賞者の数は計607人に増えた。

ノーベル委員会は受賞者発表に続いて研究者の研究成果と受賞の理由を一つ一つ説明したが、取材現場でこれを眺めていた記者は言葉よりも受賞者の顔にその理由を見いだすことができた。多くのしわが刻まれた3人の顔の写真には研究を継続してきた歳月がそのまま表れていた。


このしわの平均年齢は31.2年。韓国研究財団(NRF)が過去10年間のノーベル科学賞受賞者の論文を基準に調べた結果だ。ノーベル賞に導く核心の論文を完成させるのに17.1年かかり、論文発表からノーベル賞受賞までの研究期間は平均14.1年だった。今日の科学の進歩は、ノーベル賞授賞後117年間に約1万8938年の時間を投じた研究者たちの汗で説明することができる。

韓国人はいつごろノーベル科学賞を受賞するのだろうか。韓国の科学者は2つの言葉でこれを説明した。「時間」と「ネットワーク」だ。科学者らは韓国がノーベル科学賞に達するまでにはまだ時間が必要だと答えた。ソン・ヤングク漢陽大情報通信素材研究センター長は論文被引用指数基準でノーベル科学賞に値する研究成果を出した科学者の一人だ。ソン氏は「日本の場合、一つの分野の研究を20-30年間続ける文化を持つ」とし「深みのある研究を長くすれば該当分野のパラダイムを変えて新しい発見をする可能性が高まるのは当然だ」と説明した。100年以上の科学の歴史を持つ日本の「時間」と一つの分野を持続的に研究する文化が韓国との差ということだ。日本は今年まで計23人のノーベル科学賞受賞者を輩出している。

さらに国際共同研究をはじめとする研究ネットワークも今後補完すべき課題に挙げられる。研究者は「世界300人の科学者の推薦で受賞者が決まるだけに、研究成果を国際的に知らせることも並行されなければいけない」と述べた。韓国は1989年に基礎科学振興元年を宣言し、90年代に入って初めて基礎科学研究が始まった。研究の質を高めて国際的ネットワークを形成するには時間が不足した。31.2年のしわを刻んでいく今日の韓国の科学者にはまだ時間が必要だ。

ホ・ジョンウォン/科学&未来チーム記者



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