23日午前、慶尚北道義城郡点谷面(ウィソングン・チョムゴクミョン)沙村里(サチョンリ)。村の祠堂に安東金氏(アンドンキムシ)晩翠堂(マンチダン)派の家門20人ほどが集まった。儒巾(伝統の帽子)に薄黄色の袍を着た姿だった。祠堂には豚の頭に牛肉とサメ肉、棒ダラ、ナツメ・栗・ダイコン・セリが供えられた。
通常の祭祀ではあまり見られない供物があるこの儀式は、晩翠堂・金士元(キム・サウォン)先生(1539-1601)を追悼するための「享祀」だ。享祀は各家庭の祭祀とは違い、地域の儒林が徳望の高い先祖を追悼する儀式。晩翠堂派は毎年、秋分の日に享祀を主管する。今年は秋夕(チュソク、中秋)連休と享祀が重なった。
晩翠堂の享祀は400年以上も続いている。しかし今年の享祀は特別だ。沙村里で「1カ月生活プロジェクト」に参加している異国からの客が享祀を一緒にするからだ。米国から来た詩人サミュエル・カフラデさん(31)、豪州から来たストーリーテラーのジャネット・ボーさん(55、女子)など米国・豪州・ベトナムなどから来た外国人だ。「一日ゲスト」としてギリシャ出身の物理学者ベネタトス・ファナヨティスさん(47)も参加した。
外国人は生涯初めて見る祭礼に戸惑う姿だった。韓国人も理解しにくい盥洗(祭官が手を洗う)、皆降復位(席に戻る)、飲福(供え物を食べる)などの言葉が出てくると困惑する表情も見せた。しかし外国人参加者は儀式を妨げないよう最善を尽くした。
享祀を終えた後、飲食をする席でジャネット・ボーさんは「晩翠堂は厳しい状況の中でも貧しい人たちを心豊かにした人物」とし「私が好きな晩翠堂の子孫と一緒に過ごせて光栄に思う」と語った。
外国人が沙村里での生活を始めたのは今月1日。7月にソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて、韓国の田舎で1カ月間生活するプロジェクトの参加者を募集しているのを知って志願した。公募は1万2000人が照会するほど関心を集めた。このうち5人が厳選された。
住民190人ほどが集まり、沙村里は賑わった。サミュエル・カフラデさんは「初日から驚きの連続だ。村には驚くような人たちばかりいる。人生のストーリーが詰まった、魔法のような料理の腕前の高齢女性から、世界的なピアニスト、工芸家まで、会う人すべてが大家という感じ」と伝えた。
「国際ストーリーテラー」と呼ばれる外国人らは沙村里で1カ間ほど暮らしながら歴史と文化を学び、住民と交流する。日程もタイトだ。韓国文化関連の授業を50時間履修しなければいけない。書道、伝統料理を学び、韓国史と韓国語も勉強する。住民のためのボランティア活動もする。民間説話を収集・研究して報告書を作成する任務も与えられた。この日も享祀が終わった後、韓国史の授業を受け、住民と一緒に安東地方のシッケ(伝統発酵飲料)を作った。
このプロジェクトは、韓国文化を世界に知らせるために努力している「Kストーリーテラー」キム・スンア氏が晩翠堂派宗家の子孫キム・ヒユン氏とともに推進した。元英語講師のキムさんは10余年前から世界に韓国を紹介する仕事をしてきた。安東金氏のキム・スンア氏は家門を再建した忠烈公・金方慶(キム・バンギョン)先生(1212-1300)の時祀(墓での祭祀)に外国人を参観させた経験をきっかけにこのプロジェクトを構想したという。
キム氏が自分の故郷でない義城をプロジェクトの背景に決めたのも意味深い。キム氏は「消滅危険指数が全国で最も高い義城に新しい活力を与えたい」とし「伝統と民話を守り情が深い義城で国際ストーリーテラーが自身の経験を広く伝えれば義城を訪れる観光客も自然に増えると思う」と語った。
このプロジェクトが観光産業の活性化と人口の回復に寄与すると判断した義城郡は、キム・スンア氏と2020年まで沙村里1カ月生活プロジェクトを6回にわたり進める計画だ。
最初のプロジェクトは30日に終わる。ベトナムから訪問したパン・ヒエンさん(55、女性)は「いろいろな国から来たストーリーテラーが住民と楽しい会話ができてよかった」とし「来年ごろ韓国文化紀行に関する本を出すが、沙村里とKストーリーテリングについて多くのことを書きたい」と語った。
通常の祭祀ではあまり見られない供物があるこの儀式は、晩翠堂・金士元(キム・サウォン)先生(1539-1601)を追悼するための「享祀」だ。享祀は各家庭の祭祀とは違い、地域の儒林が徳望の高い先祖を追悼する儀式。晩翠堂派は毎年、秋分の日に享祀を主管する。今年は秋夕(チュソク、中秋)連休と享祀が重なった。
晩翠堂の享祀は400年以上も続いている。しかし今年の享祀は特別だ。沙村里で「1カ月生活プロジェクト」に参加している異国からの客が享祀を一緒にするからだ。米国から来た詩人サミュエル・カフラデさん(31)、豪州から来たストーリーテラーのジャネット・ボーさん(55、女子)など米国・豪州・ベトナムなどから来た外国人だ。「一日ゲスト」としてギリシャ出身の物理学者ベネタトス・ファナヨティスさん(47)も参加した。
外国人は生涯初めて見る祭礼に戸惑う姿だった。韓国人も理解しにくい盥洗(祭官が手を洗う)、皆降復位(席に戻る)、飲福(供え物を食べる)などの言葉が出てくると困惑する表情も見せた。しかし外国人参加者は儀式を妨げないよう最善を尽くした。
享祀を終えた後、飲食をする席でジャネット・ボーさんは「晩翠堂は厳しい状況の中でも貧しい人たちを心豊かにした人物」とし「私が好きな晩翠堂の子孫と一緒に過ごせて光栄に思う」と語った。
外国人が沙村里での生活を始めたのは今月1日。7月にソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて、韓国の田舎で1カ月間生活するプロジェクトの参加者を募集しているのを知って志願した。公募は1万2000人が照会するほど関心を集めた。このうち5人が厳選された。
住民190人ほどが集まり、沙村里は賑わった。サミュエル・カフラデさんは「初日から驚きの連続だ。村には驚くような人たちばかりいる。人生のストーリーが詰まった、魔法のような料理の腕前の高齢女性から、世界的なピアニスト、工芸家まで、会う人すべてが大家という感じ」と伝えた。
「国際ストーリーテラー」と呼ばれる外国人らは沙村里で1カ間ほど暮らしながら歴史と文化を学び、住民と交流する。日程もタイトだ。韓国文化関連の授業を50時間履修しなければいけない。書道、伝統料理を学び、韓国史と韓国語も勉強する。住民のためのボランティア活動もする。民間説話を収集・研究して報告書を作成する任務も与えられた。この日も享祀が終わった後、韓国史の授業を受け、住民と一緒に安東地方のシッケ(伝統発酵飲料)を作った。
このプロジェクトは、韓国文化を世界に知らせるために努力している「Kストーリーテラー」キム・スンア氏が晩翠堂派宗家の子孫キム・ヒユン氏とともに推進した。元英語講師のキムさんは10余年前から世界に韓国を紹介する仕事をしてきた。安東金氏のキム・スンア氏は家門を再建した忠烈公・金方慶(キム・バンギョン)先生(1212-1300)の時祀(墓での祭祀)に外国人を参観させた経験をきっかけにこのプロジェクトを構想したという。
キム氏が自分の故郷でない義城をプロジェクトの背景に決めたのも意味深い。キム氏は「消滅危険指数が全国で最も高い義城に新しい活力を与えたい」とし「伝統と民話を守り情が深い義城で国際ストーリーテラーが自身の経験を広く伝えれば義城を訪れる観光客も自然に増えると思う」と語った。
このプロジェクトが観光産業の活性化と人口の回復に寄与すると判断した義城郡は、キム・スンア氏と2020年まで沙村里1カ月生活プロジェクトを6回にわたり進める計画だ。
最初のプロジェクトは30日に終わる。ベトナムから訪問したパン・ヒエンさん(55、女性)は「いろいろな国から来たストーリーテラーが住民と楽しい会話ができてよかった」とし「来年ごろ韓国文化紀行に関する本を出すが、沙村里とKストーリーテリングについて多くのことを書きたい」と語った。
この記事を読んで…