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韓国、「未成熟先進国の罠」から抜け出せない?(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
--政府はこれまでの政策を後押しするため、来年470兆ウォン(約47兆円)の「超スーパー」予算を組んだ。

「この場合、所得主導成長を正確に言えば、政府による『移転所得主導成長』であり、結局これは『国家負債主導成長』になるしかないという側面を見せている。国民の租税負担を増やし続けるわけにはいかず、成長なしに税収は増えないため、こうした政策は持続不可能だ。まだ我々の財政は健全な水準にあるが、5年後、10年後を考えなければいけない」

--では、代案は何か。


「今からでも政府は不安定な国際経済環境の変化に対応できる緊密な国際協力と共に、短期対策を用意する必要がある。同時に第4次産業革命時代の革新成長のために、従来の産業化時代の各種制度と規制を改革することが急がれる。人工知能(AI)、ビッグデータ活用、ドローン、電気自動車、フィンテック部門に関する政策で韓国よりはるかに進んでいる中国を見てよく考えなければいけない」

--教育・労働市場の改革も必要では。

「第4次産業革命時代が要求する人材と人材養成のための教育改革、加速する技術変化に伴う勤労者の新しい職場への頻繁な移動と適応に役立つ労働市場の柔軟化、訓練・再訓練と生涯学習制度の準備と共に、脆弱勤労者のための社会安全網は強化していくべきだ」

--改革が遅れればどうなるのか。

「韓国は1960-2006年の間に、日本やスペインなどのように、いわゆる『中所得国の罠』を避けて国際機関の分類上で先進国に属することになった数少ない国の一つだ。しかも韓国は先進国からなる経済協力開発機構(OECD)にも加盟している。半面、多くの国は、特に南米の国は長い間、中所得国の罠から抜け出せずにいる。こうした多くの国は政治的人気迎合主義(ポピュリズム)のために正しい経済政策と制度を用意できなかったのだ。韓国も改革が振るわない。しかも少子高齢化が急速に進行しているうえ、低調な企業投資と低生産性、さらに成長潜在力までが低い水準に落ちている」

--危機脱出には何が必要なのか。

「政府はもう少し長期的なビジョンを持って国家発展戦略を立てて、政策を用意しなければいけない。下手をすると、中所得国の罠を免れた韓国が『未成熟先進国の罠』に埋没するかもしれないという点を、政府と政策担当者は銘記しなければいけない」

--対北朝鮮制裁にもかかわらず、南北経済協力に弾みがついている。国内の反企業政策の中、南北経済協力に企業の役割を期待できるのか。

「南北間の問題は韓半島(朝鮮半島)に限られた我々の問題ではなくて、少なくとも地域およびグローバルレベルのイシューであるだけに、主要国際機関および主要国との緊密な協力と支援を必要とする。我々の地政学的な位置と米中間の覇権争いレベルで接近する必要がある。我々より条件が良かったドイツも英国やフランスの露骨な反対をなだめて周辺列強を説得し、統一を実現させた。統一と経済協力は我々だけの力で解決できる問題ではない」

◆司空壱(サゴン・イル)=国内トップ水準の経済学者。ソウル大商科大学を卒業した後、米UCLAで経済学修・博士を取得、歴代政権で核心政策を執行して助言した。1983年に大統領秘書室経済首席秘書官を、87年から財務部長官を2回務めた。93年には今年で25周年を迎えた世界経済研究院を設立した。これを通じて世界的な学者や専門家、主要国の政策担当者を招請し、それぞれの考えを国内に知らせている。国家競争力強化委員長、G20首脳会議準備委員長、韓国貿易協会長を務め、韓国経済の発展で重要な役割を果たしてきた。



韓国、「未成熟先進国の罠」から抜け出せない?(1)

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