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【社説】緊張緩和に向けた南北軍事合意、国民の不安と同盟の亀裂は防ぐべき

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
一昨日、南北軍事当局が署名した軍事合意書は北朝鮮の非核化を誘導し、韓半島(朝鮮半島)の緊張を緩和するための措置だ。冷戦の遺産である非武装地帯(DMZ)から監視警戒所(GP)を撤収して地上・海上・空中に緩衝空間を置いて偶発的衝突を防止するのが核心だ。非武装地帯などで共同遺骨発掘や南北管理区域で通行・通信・通関など、いわゆる「3通」を軍事的に保障するための対策も講じることにした。常に緊張が漂う漢江(ハンガン)河口を南北が共同で利用することで合意した点も意味がある。南北が冷戦構図を解体して共同の繁栄に向けて一歩ずつ進むための歩みでもある。

青瓦台(チョンワデ、大統領府)は今回の合意を「実質的終戦宣言」と語った。これには軍事合意で韓国の軍事力量を縮小するほど譲歩した側面もある。この中で軍事境界線(MDL)を基準とした飛行禁止区域は速度が速い韓国と北朝鮮の空軍戦闘機が互いに接近できる可能性自体を除去する効果がある。しかし、前方地域で無人偵察機の飛行禁止は韓国軍の北朝鮮軍に対する偵察・監視機能を無力化する可能性が大きい。まず数千億ウォンを投じて師団・軍団に配備した無人偵察機から使い道がなくなった。これは国防部が中隊・大隊・連帯にまで無人機を配備するために莫大な国防費を注ぎ込んでいる現実と矛盾する。さらに、現代戦争において無人機の役割が非常に大きい点を忘れてはいけない。

合意書で定めた「敵対行為」の言葉ももう一度考える必要がある。韓国軍は万が一発生し得る北朝鮮軍の挑発に備えて防御レベルで軍事活動を行う。そのような活動を敵対行為に定めれば、韓国軍の機能が萎縮するほかはない。GP撤収は今回のように同数でなく比例的に撤収してこそDMZが安定する。西海(ソヘ)緩衝水域・平和水域・模範的漁労区域設定も慎重に進めることが求められる。北朝鮮艦艇や民間人に偽装した北朝鮮軍が仁川(インチョン)近海にある徳積島(トクジョクド)まで入ってくれば、首都圏が危険に陥る可能性があるからだ。何より今回の軍事合意は国民の不安と韓米同盟の亀裂などを招くリスクが残っている。したがって、今からでも米国と緊密な協議とともに対国民説明および国会報告などを通して検証する手続きが必要だ。

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