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「韓国の技術、なぜイスラエルの30分の1の待遇なのか」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ヨズマファンド韓国法人のイ・ウォンジェ社長が先月30日、ソウル中央日報本社で「イスラエルスタートアップの技術事業化」をテーマに講演している。

「韓国スタートアップが開発した『国民ナビゲーション金技士』とイスラエルが開発した車両ナビゲーション『ウェイズ』は驚くほど機能が似ている。しかしグローバル市場で金技士の価値は30倍も落ちる。同じ技術でもウェイズはグーグルに1兆2000億ウォン(約1200億円)で、金技士はカカオに650億ウォンで売却された。韓国のグローバル技術事業化が求められる理由だ」。

先月30日、中央日報「中央経済フォーラム」で演説したヨズマグループ韓国法人のイ・ウォンジェ社長はこのように分析した。韓国の大学、研究所、スタートアップの技術は世界的なレベルだが、これをグローバル事業化する『技術インキュベーター』が振るわず、その価値が十分に認められていないということだ。

イスラエル・テクニオン医科大学のある教授が創業した医療映像機器会社バイオセンスは企業価値500万ドル(約55億7500万ウォン)の小さなスタートアップだったが、法律・会計・マーケティングなどの支援を意味するヨズマの「創業アクセラレーティング」を通じて創業3年半でグローバル製薬企業ジョンソン・エンド・ジョンソンに4億3000万ドル(約4800億ウォン)で買収された。企業価値が約88倍に上がった。


イ社長は、ヨズマグループ会長であり元イスラエル産業通商労働部首席科学官を務めたイガル・エリッヒ会長の言葉を引用し、「韓国の技術力がある会社は『みにくいアヒルの子』のようだ。グローバル市場で白鳥になることができるのに韓国内の市場でまともに企業の価値が認められていない」と説明した。以下はイ社長との一問一答。

--人口約850万人のイスラエルで世界的に成長できるスタートアップが次々と誕生する理由は何か。

「最初の要因はやはり技術の事業化だ。イスラエルも国内総生産(GDP)比の研究開発(R&D)投資は韓国と世界1・2位を競うほど多い。ところがイスラエルは韓国より投資に対する成果が大きい。大学から出てくる優秀な技術を発掘し、事業化する力の差が主な要因だ。創業を通じて技術を事業化するには企業家精神が必須となる。失敗を経験と認識し、自ら投資を受けて自立できる教育が必要だ。ここには投資提案書の書き方から具体的な創業力まで含まれる。技術インキュベーターはこのようなことを教える。韓国は企業家精神を発揮して創業するより、大学や研究所は研究開発を中心に動いている。優秀なアイデアと技術を持つ教授と学生が創業し、失敗しても再起できる文化を作らなければならない」

--創業した企業を育成する「創業インキュベーター」を強調するが、具体的に説明してほしい。

「イスラエルも1990年代には誰も創業しようとしなかった。大学も研究所も研究に没頭した。このため雇用は減り、失業率は高かった。当時、首相室傘下の首席科学官室はこれを克服するためにコントロールタワーの役割をした。雇用創出に最も重要なことは研究開発の成果と死んでいく知識財産権を事業化する『技術事業化』というビジョンを提示したのだ。90年に首席科学官室が政府の予算を受けてイスラエル全国24地域に技術インキュベーターを設置した。今日の『ヨズマキャンパス』だ。韓国でいえばKAIST(韓国科学技術院)・POSTECH(浦項工科大)のような主要大学の前に創業支援センターを設置したのだ。ここに弁護士・会計士・アクセラレーターのような創業専門家を置いて創業を積極的に支援した。成功の可能性がある特許を集めて選別し、事業化を始めた。技術を開発した教授・研究陣には企業家精神を教育した。このように成長したスタートアップがグローバル企業に買収・合併され、R&Dセンターに変わった。今ではグローバル企業のR&Dセンターがイスラエルに300以上もある」

--韓国にもイスラエルのようなベンチャー生態系を形成するにはどうすればよいのか。

「まず、民間が稼げば自然に資金がベンチャー投資につながる。韓国は政府の役割があまりにも強い。政府の支援金で研究をすれば規制が多く、失敗が容認されない。挑戦的な研究をしなくなる。イスラエルも当初は創業に対する恐れをなくすために政府が1億ドルを支援してファンドを作った。しかし技術インキュベーティングを通じて事業化を支援するだけで、規制を作ったり干渉したりはしなかった。これを基礎に注目されていなかったイスラエル企業がナスダックに上場され、海外投資ブームが起こることになった。91年に旧ソ連が解体してイスラエルに流入したロシアの人材も創業を通じて雇用創出に寄与した。韓国には技術事業化しやすい科学技術特性化大学がある。ここでアクセラレーターが創業を支援し、政府と民間が出資するのがよい。現在、韓国は138のベンチャーキャピタルがある半面、アクセラレーターは不足し、これに対する支援も必要だ」

--技術事業化を通じたグローバル企業とのM&Aを強調したが。

「国内市場だけでうまくやろうというのは危険な考えだ。まず韓国はM&A生態系を形成することが重要だ。M&Aを技術流出と見る人もいるが、決してそうではない。クアルコム、グーグル、フェイスブックなどグローバル企業に買収・合併されれば、国内企業を海外に連れていくのではなく、現地でR&Dセンターに転換する。これを通じて国内企業は企業価値の上昇で速やかに投資を回収できる。さらに重要なのはグローバル技術トレンドを知ることになる点だ。成功の可能性が高い技術に投資できる機会が生じる。こうした構造でイスラエルは平均ベンチャーキャピタルの投資回収が4年以内となっている。韓国でも技術事業化が活発になればグローバル企業とのM&Aを通じて創業生態系を構築する土台ができる」

◆ヨズマファンド

イスラエル政府と民間がベンチャーキャピタルへの資金供給を支援するため4対6の割合で出資して設立したファンド。1993年に始まり、2003年に民間に100%移管された。ヨズマはヘブライ語で「創意・独創・創業」などを意味する言葉。イスラエルはこのファンドでベンチャーキャピタル事業の育成に成功し、世界最高レベルのベンチャー創業国家に成長した。



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