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トランプ「訪朝取り消し戦略」に長引く北朝鮮の沈黙、なぜ?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

北朝鮮の金正恩国務委員長(中央)が習近平中国国家主席とトランプ米大統領の間でどのような戦略的選択をするのか注目される。(写真=中央フォト)

北朝鮮の沈黙が長くなっている。トランプ米大統領が現地時間24日にポンペオ国務長官の訪朝を電撃的に取り消させたことに対してだ。北朝鮮外務省だけでなく国営メディアはトランプ大統領が韓国時間24日夜11時36分にポンペオ長官の訪朝取り消しを指示したと明らかにしてから3日が過ぎた27日夜まで関連した反応を出していない。

トランプ大統領の「電撃取り消し」戦術は目新しいものではない。彼が事業家時代から楽しんで使い続けた方法だ。著書『トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ』で「テーブルから喜んで退場すること」を主要交渉戦術として紹介したほどだ。北朝鮮に対しても5月にこの戦略を使った。米朝首脳会談の日時と場所をめぐるかけひきの真っ最中の時期だ。

取り消しの背景に中国が取り上げられた点も似ている。トランプ大統領は5月に会談取り消しの直接的背景として金桂冠(キム・ゲグァン)外務省第1次官と崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官がこれに先立ち発表した談話内容に「途轍もない憤怒と公然とした敵対感」が盛り込まれたという点を挙げた。しかしトランプ大統領は以前から心境が穏やかでなかった。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が5月7~8日に中国・大連で習近平中国国家主席とサプライズで首脳会談をした後からだ。トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長と5月17日に会った席で「北朝鮮が中国と会ってから状況が少し変わったと考える」と不便さを表わした。


今回のポンペオ長官の訪朝取り消し理由に対しトランプ大統領は露骨に中国を狙った。ツイッターに「中国が以前ほど(北朝鮮の)非核化過程を助けているとは信じない」と書いてだ。中国が共通分母ということだ。

変わったのは北朝鮮の反応速度だ。北朝鮮は5月にはすぐに反応した。トランプ大統領がツイッターでこの知らせを伝えたのは韓国時間で5月24日午後11時近かったが、北朝鮮はすぐ翌日の25日午前7時30分に朝鮮中央通信を通じて反応を出した。金桂冠外務第1次官個人名義の談話形式を通じてだ。トランプ大統領が取り消しを一方的に通知してから8時間30分後だった。外交官出身のある高位脱北者は当時「外務省の官僚らが夜通し決裁を受けようと一睡もできなかっただろう」と話した。

今回は違う。北朝鮮当局が沈黙している中で、メディアも静かだ。労働党機関紙で北朝鮮当局の立場を代弁する労働新聞は27日、「中米関係がより深刻になっている」という情勢解説記事を載せたが、ポンペオ長官の訪朝取り消しとは関係がなかった。労働新聞はこの記事で1日に米議会を通過した国防権限法を取り上げ、米国に対し中国外交部の陸慷報道官が「冷戦的思考とゼロサムゲームを放棄せよ」と発言したことを紹介した。

続けて「外信は米国が主張する『中国脅威論』は誇張されたもので、(米国が)それを通じて利益を得ようとしている」という内容を載せた。中国の肩を持ちながら「外信」に寄り掛かって間接的支持をしたものだ。労働新聞があえて通過してから3週間が過ぎた国防権限法問題に言及したのは米中関係に対し北朝鮮も注視していることを双方を刺激しないで表現するための装置と解釈される。

金正恩委員長が長考に入ったのは約2週間後に迫った9月9日の政権樹立日とも関係がなくはない。今年70周年を迎え北朝鮮当局がさらに大きな意味を付与している別名「9・9節」に習近平国家主席の出席が予想されるタイミングであるためだ。習主席が参加すればトランプ大統領を刺激することになり、参加しなければ行事の意味が色あせるだろうという点から金委員長の計算も複雑になっている格好だ。



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