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【社説】国外からもあふれる所得主導成長に対する懸念=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国経済に対する懸念の声が国外からあふれている。マッキンゼーグローバル研究所(MGI)のジョナサン・ウーツェル所長は数日前に韓国メディアとのインタビューで、「最低賃金引き上げなど文在寅(ムン・ジェイン)政権の労働寄り政策は財政だけ枯渇させかねない」と話した。彼は「韓国政府は所得を高めて公共部門の雇用を創出する方式で内需を浮揚しようとする。しかし生産性を高めないで内需を浮揚すればある瞬間に財政が枯渇するだろう」と警告した。その上で「韓国経済は依然として鍋の中のカエル状態」と付け加えた。これに先立ち英フィナンシャルタイムズは「巨人(中国)の影」という深層分析記事で「韓国経済は早く新しい成長モデルに乗り換えなければ日本のような長期不況に入りかねない」と診断した。文在寅政権の所得主導成長に対しては「上がった賃金を支払う余力がない小商工人の反発に遭った」と報道した。

実際の韓国経済は所得主導成長の副作用などにより重病を患っている。昨年まで30万人を超えていた新規就業者数は先月には5000人に急落した。卸小売と飲食・宿泊のように最低賃金の影響を多く受ける業種で雇用が18万1000件も消えた。差し迫った韓国政府と与党はきのう小商工人・自営業支援対策を出した。税金を割り引き、クレジットカード手数料率を引き下げるというのが骨子だった。最低賃金に対する言及はなかった。これはむしろ小商工人の心に火を付けた。小商工人連合会は声明で「『最低賃金に罪はない』をまるで宗教的呪文のように唱えながら『最低賃金が大きな問題』という絶叫に耳をふさいでいる政府当局の態度は小商工人をさらに苦ませている」とした。

事実、所得主導成長の論理は過度に単純だった。所得が上がれば消費が増え経済が回復するという考えだった。だがこれはグローバル競争体制で通じる話ではない。韓国のように輸出依存度が高い国はさらにそうだ。賃金が上がり製品競争力が落ちればそこには他国の製品が入り込むことになる。韓国では雇用が減り結局消費も萎縮するほかない。「Jノミクスの設計者」と呼ばれる金広斗(キム・グァンドゥ)国民経済諮問会議副議長は月刊中央とのインタビューで「昔フォードが賃金を引き上げて生産性が上がった。だがその時はトヨタがなかった。トヨタがあったならばフォードは完全に潰れていただろう」と話した。


自営業者の従業員解雇に国際競争力低下にともなう雇用減少まで、韓国はいま所得主導成長により二重の打撃を受けた状況だ。応急措置が急がれる。韓国の保守陣営だけでなく海外の専門家らも「生産性を上げなければならない」という解決策を提示している。経済協力開発機構(OECD)まで声をそろえる。生産性を高めて成長を遂げ、その果実で所得が増加する好循環構造を用意しなければならないという忠告だ。これから目を背けて韓国政府は所得主導成長だけをドグマのように抱きしめているのだろうか。「早く新たな成長モデルに乗り換えろ」という忠告を入れ知恵師の小言だと聞き流している限り韓国経済に未来はない。





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