4月末、埼玉県川越少年刑務所の教導作業場。「どこを見ているのですか」。特別取材チームを案内していたH刑務官が突然、怒鳴った。取材陣を横目でにらんだ服役者はすぐにうつむいた。しばらく沈黙が流れた。こうした状況に慣れているかのように他の収容者10余人も姿勢を正して正面を見つめた。H刑務官は取材陣に「驚く必要はない」とし「叱責したり厳しい雰囲気を作った時に(収容者が)攻撃的な反応を見せたりしないか態度などを調べて記録するため意図的に怒鳴った」と説明した。H刑務官は「収容者の小さな行動や反応はすべて記録の対象となり、心理学を専攻した(収容者)分類担当者がこの記録に基づいて矯正・教化プログラムを組む」と話した。
日本の刑務所は厳格だ。規律と統制が強く、自由で気楽な雰囲気の北欧との刑務所とは異なる。特別取材チームがこの日訪問した川越少年刑務所も同じだ。ここには満26歳未満の1500人が収監されていた。服役者同士が私的な会話をすることはできない。食事の時間に限って簡単な対話が許される。食事は30分以内に終えなければいけない。教導作業場でも制約が多い。自分の机の前の床に描かれた白い線の四角い空間の中で一日8時間働かなければいけない。トイレに行きたければ刑務官を呼ぶのではなく、着用した帽子の端を手で少し持ち上げて意思表示をする。H刑務官は「時代が変わったとはいえ、刑務所が処罰の空間という原則に変わりはない。規則に基づいて責任を果たしてこそその対価が与えられるという単純な論理を習慣にするのが私たちの役割」と説明した。
それだけではない。日本の刑務所では再犯防止のための服役者に対する探求、矯正・教化のための最適な環境づくりなど運営の原則が徹底的に守られる。川越少年刑務所は大規模な施設だが、1人1室収容を原則としている。頻繁な人員変動で独居房が不足する場合に限り雑居房を運用する。韓国の刑務所のように3人定員の居室に6人を収容したりはしない。6人定員の居室を3人が広く分けて使用する。法務省矯正局事務官は「独居房収容は矯正・教化の妨害要素が除去された環境をつくるため」とし「寝癖、生活習慣、テレビ視聴方法がそれぞれ異なる成人が1カ所で過ごして争いになれば矯正・教化プログラムの効果は半減する」と説明した。実際、日本の刑務所では収容者に関する深い悩みが制度化されている。刑が確定した既決囚のうち満26歳未満の受刑者と特別調査対象者が入所すれば、分類センターの専門家は8週間ほど面談・観察し、矯正・教化プログラムを組む。韓国では殺人・性的暴行など強力犯罪者だけを対象にこうした深層分類審査をする。多くの受刑者は20分間で面談を終え、受刑生活を始める。
こうした原則を守る刑務所・拘置所が日本全国にある。計188カ所だ。少年犯収容施設まで合わせると200カ所を超える。全国の服役者数は約5万人で韓国と似ているが、施設の数は4倍にのぼる。日本法務省によると、矯正施設の収容率は昨年66.8%という。ユン・オクギョン京畿大矯正保護学科教授は「刑務所を嫌悪施設と認識する韓国では想像しにくい現実だ。日本では『犯罪者も出所すれば結局は共に生活する隣人』という認識が軌道に乗っている」と述べた。
変化は約20年前に始まった。民間の資本とアイデアを導入して過密収容を解消しようとしていた政府の努力が国民の認識転換につながった。日本は1990年代末から収容者が急激に増え、多くの矯正施設が定員100%を超過する過密収容状態となった。政府は「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」を活用した。この法に基づき2007年から4カ所の民間刑務所が順に建てられた。これら施設には社会復帰促進センターという名称がつけられた。主に軽犯罪者や初犯者を選別収監し、民間の専門家に職業訓練と教化プログラムを任せた。矯正施設を通じて地域の雇用が創出され、刑務官など職員を含めて収容者までが地域の住民と認められ、住民に比例する政府支援金が増えた。矯正施設は嫌悪施設でなく収益事業という認識が生じた。新規民間刑務所を誘致しようとする地方自治体間の競争も生じた。法務省の事務官は「地域住民が施設内に入ってきて刑務所運営人員として働き、収容者は塀の外の職場で一般の人と共に働く。この比率が高まり、矯正施設に対する漠然とした不安感がかなり解消される契機になった」と述べた。
出所者に対する視線も変わった。出所者を支援する民間団体は100カ所を超える。特別取材チームが訪問したある更新会施設は東京の真ん中の新宿にあった。運営方式は民間刑務所と似ている。出所者の再犯防止のための定着支援と再社会化教育は民間領域の市民が助け、政府は運営費用の大半を支援する。新宿更新会で働くあるO保護官は「現在22人の出所者が生活中」とし「出所前に刑務所で行った面接の結果に基づき、犯罪履歴などが考慮されてここに入所することになった人たち」と説明した。Y常任理事は「出所者の多くが平均5万円ほどのお金を握って社会に定着しなければいけないが、生活の問題が解決しなければそれが再犯の動機になる」と話した。また「犯罪者という理由で避けられて放置されれば、この人たちは挫折してしまう。これがまた善良な市民を被害者にする悪循環が繰り返される。職場を見つけて自ら生活の拠点を確保できるように助けるのが私たちの任務」と強調した。
日本の刑務所は厳格だ。規律と統制が強く、自由で気楽な雰囲気の北欧との刑務所とは異なる。特別取材チームがこの日訪問した川越少年刑務所も同じだ。ここには満26歳未満の1500人が収監されていた。服役者同士が私的な会話をすることはできない。食事の時間に限って簡単な対話が許される。食事は30分以内に終えなければいけない。教導作業場でも制約が多い。自分の机の前の床に描かれた白い線の四角い空間の中で一日8時間働かなければいけない。トイレに行きたければ刑務官を呼ぶのではなく、着用した帽子の端を手で少し持ち上げて意思表示をする。H刑務官は「時代が変わったとはいえ、刑務所が処罰の空間という原則に変わりはない。規則に基づいて責任を果たしてこそその対価が与えられるという単純な論理を習慣にするのが私たちの役割」と説明した。
それだけではない。日本の刑務所では再犯防止のための服役者に対する探求、矯正・教化のための最適な環境づくりなど運営の原則が徹底的に守られる。川越少年刑務所は大規模な施設だが、1人1室収容を原則としている。頻繁な人員変動で独居房が不足する場合に限り雑居房を運用する。韓国の刑務所のように3人定員の居室に6人を収容したりはしない。6人定員の居室を3人が広く分けて使用する。法務省矯正局事務官は「独居房収容は矯正・教化の妨害要素が除去された環境をつくるため」とし「寝癖、生活習慣、テレビ視聴方法がそれぞれ異なる成人が1カ所で過ごして争いになれば矯正・教化プログラムの効果は半減する」と説明した。実際、日本の刑務所では収容者に関する深い悩みが制度化されている。刑が確定した既決囚のうち満26歳未満の受刑者と特別調査対象者が入所すれば、分類センターの専門家は8週間ほど面談・観察し、矯正・教化プログラムを組む。韓国では殺人・性的暴行など強力犯罪者だけを対象にこうした深層分類審査をする。多くの受刑者は20分間で面談を終え、受刑生活を始める。
こうした原則を守る刑務所・拘置所が日本全国にある。計188カ所だ。少年犯収容施設まで合わせると200カ所を超える。全国の服役者数は約5万人で韓国と似ているが、施設の数は4倍にのぼる。日本法務省によると、矯正施設の収容率は昨年66.8%という。ユン・オクギョン京畿大矯正保護学科教授は「刑務所を嫌悪施設と認識する韓国では想像しにくい現実だ。日本では『犯罪者も出所すれば結局は共に生活する隣人』という認識が軌道に乗っている」と述べた。
変化は約20年前に始まった。民間の資本とアイデアを導入して過密収容を解消しようとしていた政府の努力が国民の認識転換につながった。日本は1990年代末から収容者が急激に増え、多くの矯正施設が定員100%を超過する過密収容状態となった。政府は「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」を活用した。この法に基づき2007年から4カ所の民間刑務所が順に建てられた。これら施設には社会復帰促進センターという名称がつけられた。主に軽犯罪者や初犯者を選別収監し、民間の専門家に職業訓練と教化プログラムを任せた。矯正施設を通じて地域の雇用が創出され、刑務官など職員を含めて収容者までが地域の住民と認められ、住民に比例する政府支援金が増えた。矯正施設は嫌悪施設でなく収益事業という認識が生じた。新規民間刑務所を誘致しようとする地方自治体間の競争も生じた。法務省の事務官は「地域住民が施設内に入ってきて刑務所運営人員として働き、収容者は塀の外の職場で一般の人と共に働く。この比率が高まり、矯正施設に対する漠然とした不安感がかなり解消される契機になった」と述べた。
出所者に対する視線も変わった。出所者を支援する民間団体は100カ所を超える。特別取材チームが訪問したある更新会施設は東京の真ん中の新宿にあった。運営方式は民間刑務所と似ている。出所者の再犯防止のための定着支援と再社会化教育は民間領域の市民が助け、政府は運営費用の大半を支援する。新宿更新会で働くあるO保護官は「現在22人の出所者が生活中」とし「出所前に刑務所で行った面接の結果に基づき、犯罪履歴などが考慮されてここに入所することになった人たち」と説明した。Y常任理事は「出所者の多くが平均5万円ほどのお金を握って社会に定着しなければいけないが、生活の問題が解決しなければそれが再犯の動機になる」と話した。また「犯罪者という理由で避けられて放置されれば、この人たちは挫折してしまう。これがまた善良な市民を被害者にする悪循環が繰り返される。職場を見つけて自ら生活の拠点を確保できるように助けるのが私たちの任務」と強調した。
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