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【社説】南北経済共同体の実現は北朝鮮にかかっている

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が8・15光復節記念式典の祝辞で「南北経済共同体を実現することが真の光復(解放)」と述べたことに共感する。解放の喜びを満喫する前に南北に分断して同族間の戦争をし、今日までお互い銃口で向け合いながら対立してきた現実は、この上ない歴史的な悲劇であり民族的な不幸だ。ますます激化して高度化するグローバル競争の中で、文大統領の言葉通り「我々の生存と繁栄のために必ず分断を克服しなければいけない」という点は、誰も否認できない真理だ。「政治的統一は遠くても、南北間に平和を定着させて自由に行き来し、一つの経済共同体を実現すること」も、韓民族なら誰もが望むものだろう。

しかしこのように膨らんだ希望の中でも虚しさを隠せないのは、今日の現実が我々の意志によるものではないからだ。韓国の和解と経済協力の努力をいつも台なしにするのは北朝鮮だった。第1次北核危機以降の軽水炉および食糧支援、金剛山(クムガンサン)観光事業と開城(ケソン)工業団地建設など韓国の支援と経済協力の努力は続いたが、北朝鮮は秘密裏にウラン濃縮をして発覚し、2002年に第2次北核危機を招いた。その後、北朝鮮は非核化に合意し、2008年に寧辺(ヨンビョン)核施設の冷却塔を爆破する場面まで演出したが、結局、2017年に核・ミサイル発射実験に成功して核保有国宣言をするまでになった。休戦ライン付近に「統一経済特区」を設置するという文大統領の提案に対し、一部では「また一方的に与えるのか」という批判と懸念が出てくるのもこうした学習効果のためだ。「軍事的な緊張が緩和して平和が定着すれば」と前提にしたが、北朝鮮の非核化の動きが遅い現実でそのような声は決して無視できない。

文大統領は9月に平壌(ピョンヤン)で開催される南北首脳会談で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に確実な非核化措置を要求する必要がある。いくら建設的な提案をしても、北朝鮮が非核化に誠意を見せなければ国連の制裁からは抜け出せず、すべての経済協力努力が空念仏になるという点をはっきりと説明しなければいけない。


文大統領は「北朝鮮の完全な非核化履行と、これに対する相応の米国の包括的措置が速かに推進することを望む」と述べたが、それは同時に進められるものではない。北朝鮮の非核化が先にあってこそ米国の制裁解除も期待できる。そうしてこそ文大統領が提案した「東アジア鉄道共同体」という大胆な構想も可能になる。

文大統領が言及した「欧州石炭鉄鋼共同体」が欧州連合(EU)に拡大・発展したのは相互の信頼を土台にしたからだ。もし当時のドイツがパンツァータンクを密かに製造していれば絶対に不可能なことだろう。同じように北朝鮮が後ろのポケットに核を隠そうとすれば、文大統領の提案は一歩も進まないということをよく理解しておかなければいけない。その提案がポンペオ米国務長官の言葉のようにベトナムの奇跡を北朝鮮のものにする祝福になるか、それとも言葉の聖餐で終わるかは、すべて北朝鮮にかかっている。



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