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【噴水台】通貨危機の時に出没する宝船=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
国土を取り囲む海。幾度の戦争の中でその海に沈んだ列強の船…。まだ事実であると確認されたケースがないためただ「伝説」としよう。韓国は宝船の伝説が広がるには天恵の条件を備えている。地理的にも、歴史的にも。さまざまな伝説を生んだ根源説話もある。1930年代から日本が展開したという「金の百合(ユリ)」作戦だ。戦争費用に充てようと日本皇室主導でアジア各国から宝物を収奪したというのがこの作戦の内容だ(『Gold warriors』、スターリング・シーグレーヴら著作)。「財宝輸送船が韓国近海に沈没した」「敗戦した日本軍が韓国に隠した宝物を掘り出すことができないまま急ぎ撤収した」などの話はすべてこの「金の百合」作戦から始まった。

伝説は財宝探査家を誕生させた。通貨危機直後の90年代後半から財宝探査ブームが起きた。1945年群山(クンサン)近海に沈んだ日本船舶「長山丸」等を探し始めた。黄の百合作戦の財宝輸送船とされている船だ。金塊10トンを積載したまま群山近海で沈没したという「島丸」、1894年西海(ソヘ、黄海)で日本軍に撃沈された清国の「高升号」も探査の対象だった。高升号には銀600トンが積まれていたという説が出回った。だが、いまだに金銀財宝を探り当てたという話は聞かない。島丸と高升号は、船は見つかったが期待していた「唸るほどの財宝」はなかった。

宝船は犯罪に利用されるときもあった。金大中(キム・デジュン)政権に起こった「李容湖(イ・ヨンホ)ゲート」だ。宝船発掘事業をエサに株価を釣り上げた事件だった。ここに権力型不正が絡んでいたことが明るみになり、「ゲート」に飛び火した。


最近はドンスコイ号のせいで世の中が騒がしい。1905年日露戦争の時に沈没したロシアの巡洋艦だ。巷間には「150兆ウォン(約15兆円)相当の金貨・金塊が積まれている」という言葉が広がった。首をかしげるような話だ。金塊150兆ウォンだとしたら、今のレートで言えば3300トンにもなる。昨年の世界の金生産量(3160トン)よりも多い。信じられない量だ。

ドンスコイ号の波紋が新たな局面を迎えている。核心人物が詐欺事件にかかわって起訴中止者として海外逃避中という事実を警察が把握した。<中央日報7月31日付「詐欺疑惑大きくなる宝船事件…『事業核心人物は身分洗濯した海外逃避犯』=韓国」記事>金融当局は、宝船を口実に株価操作などをしたのではないかとみて調べている。疑惑が事実であることが分かれば、被害者は10万人に達するとも言われている。

奇妙なことに、今回の件は景気がどん底の時に起きた。宝船探査が洪水のようにあふれた通貨危機直後のように。ふと、「経済が華やかに復活していれば…」と思ったりもする。とにかく、経済は再生させなければならない。

クォン・ヒョクジュ/論説委員



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