「法定管理(会社更生法に相当)申請とともに売りに出された企業があり急いで慶尚南道昌原(キョンサンナムド・チャンウォン)に来ました。あすは釜山(プサン)に行きます。雰囲気が尋常でありません」。
ある会計法人の構造調整・法定管理専門会計士は、「自動車、鉄鋼、造船分野の大企業に依存してきた協力会社が相次いで倒産する兆しだ」としてこのように伝えた。専門家らは「韓国経済を支えてきた基幹産業の経営危機が協力会社の資金難に広がり企業生態系全般が揺らいでいる」と診断した。
◇産業現場のあちこちに「不況ドミノ」
今年6月までに全国の裁判所に寄せられた倒産申請は836件で過去最多を記録した。2006年にこれまでの破産法、和議法、会社整理法をひとつにまとめた「統合倒産法」ができてから最大規模だ。年間で換算すると通貨危機で企業がドミノのように連鎖倒産した1998年の1343件より多くなる。当時より事業者数が増えた点を考慮しても不況の谷間は深いという意味だ。
法定管理は負債が多く正常な経営が難しい会社が債務を減らして経営を正常化したり新たなオーナーを探すために、法人破産は事業持続が不可能な会社が廃業するために裁判所に申請する手続きだ。今年に入り韓国2位のポリシリコンメーカーの韓国シリコン、一時世界10位の造船所だった城東(ソンドン)造船海洋などが資金難に耐えきれず裁判所の扉を叩いた。
専門家らは今年企業倒産申請が増えた理由として「不況のドミノ」を挙げる。自動車、鉄鋼、造船業種の大企業がぐらつき、売り上げの大部分をこれら大企業に依存する協力会社まで経営難に陥っているという分析だ。現代・起亜自動車の1次協力会社でめっき会社のクムムン産業と韓国GMの1次協力会社でエンジン部品を生産するイウォンソリューテックが法定管理を進めている。ポスコが筆頭株主で海洋プラントに使われる鋼管を生産するスチールフラワーとクレーン製造会社のDMCが5月と6月に相次ぎ法定管理を申請した。
韓国経済研究院によると昨年末韓国の13大輸出主力業種の限界企業数は464社で前年比65社(16.29%)増えた。限界企業は2015年の370社から2016年に399社で29社(7.84%)増加するのにとどまったが、昨年は増加幅が2倍に拡大した。これら企業のうち相当数は倒産危険群に分類される。
内需市場沈滞で小規模事業所が不渡りに追いやられたことも大きい。中小企業研究院関係者は「韓国の中小企業は10人未満の零細業者が多いが、最低賃金引き上げなどで費用負担が大きくなり倒産の危険に苦しめられる企業が増えた」と説明した。
企業の倒産申請は3カ月~1年の時差を置いて失業者の増加につながる。企業が本格的な再建手続きに入れば人員縮小、敷地売却など構造調整作業をするためだ。最近失業者数が6カ月連続で100万人台を記録した中で下半期の失業率指標にも赤信号が灯ったと評価される。
◇「限界企業危機現実化の可能性」
下半期の見通しが暗いというのがさらに大きな問題だ。主力輸出産業の危機は米国と中国の貿易紛争まで重なり「現在進行形」だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が先月に基準金利を引き上げ韓米の政策金利逆転幅は0.5ポイントに拡大した。韓国銀行の下半期基準金利引き上げは既定事実と受け止められている。
韓国銀行が基準金利を引き上げれば限界企業の償還負担が大きくなり大規模連鎖倒産につながる可能性がある。韓国銀行が3月に出した「2018年3月の金融安定状況」によると、3年連続でインタレストカバレッジレシオ100%未満の限界企業は2016年末の3126社で外部監査企業全体の14%に達した。これら限界企業の金融会社への負債は122兆9000億ウォンに達する。
最低賃金2桁引き上げと週52時間勤務制など現政権の労働政策も「信管」に挙げられる。韓国政府は来年の最低賃金を今年より10.9引き上げた8350ウォンに決めた。韓国の製造業平均稼動率は5月基準で73.9%と70%台を抜け出せずにいる。現在の人材と設備も100%活用できず在庫が増える状況で人件費の上昇は競争力低下につながるほかないと指摘される。
韓国経済研究院のユ・ファンイク革新成長室長は、「米国発の保護貿易主義による貿易減少は輸出で生きる韓国経済に直撃弾。輸出が鈍化し金利引き上げにより限界企業の危機が現実化すれば下半期には状況がさらに厳しくなるかもしれない」と話した。
ある会計法人の構造調整・法定管理専門会計士は、「自動車、鉄鋼、造船分野の大企業に依存してきた協力会社が相次いで倒産する兆しだ」としてこのように伝えた。専門家らは「韓国経済を支えてきた基幹産業の経営危機が協力会社の資金難に広がり企業生態系全般が揺らいでいる」と診断した。
◇産業現場のあちこちに「不況ドミノ」
今年6月までに全国の裁判所に寄せられた倒産申請は836件で過去最多を記録した。2006年にこれまでの破産法、和議法、会社整理法をひとつにまとめた「統合倒産法」ができてから最大規模だ。年間で換算すると通貨危機で企業がドミノのように連鎖倒産した1998年の1343件より多くなる。当時より事業者数が増えた点を考慮しても不況の谷間は深いという意味だ。
法定管理は負債が多く正常な経営が難しい会社が債務を減らして経営を正常化したり新たなオーナーを探すために、法人破産は事業持続が不可能な会社が廃業するために裁判所に申請する手続きだ。今年に入り韓国2位のポリシリコンメーカーの韓国シリコン、一時世界10位の造船所だった城東(ソンドン)造船海洋などが資金難に耐えきれず裁判所の扉を叩いた。
専門家らは今年企業倒産申請が増えた理由として「不況のドミノ」を挙げる。自動車、鉄鋼、造船業種の大企業がぐらつき、売り上げの大部分をこれら大企業に依存する協力会社まで経営難に陥っているという分析だ。現代・起亜自動車の1次協力会社でめっき会社のクムムン産業と韓国GMの1次協力会社でエンジン部品を生産するイウォンソリューテックが法定管理を進めている。ポスコが筆頭株主で海洋プラントに使われる鋼管を生産するスチールフラワーとクレーン製造会社のDMCが5月と6月に相次ぎ法定管理を申請した。
韓国経済研究院によると昨年末韓国の13大輸出主力業種の限界企業数は464社で前年比65社(16.29%)増えた。限界企業は2015年の370社から2016年に399社で29社(7.84%)増加するのにとどまったが、昨年は増加幅が2倍に拡大した。これら企業のうち相当数は倒産危険群に分類される。
内需市場沈滞で小規模事業所が不渡りに追いやられたことも大きい。中小企業研究院関係者は「韓国の中小企業は10人未満の零細業者が多いが、最低賃金引き上げなどで費用負担が大きくなり倒産の危険に苦しめられる企業が増えた」と説明した。
企業の倒産申請は3カ月~1年の時差を置いて失業者の増加につながる。企業が本格的な再建手続きに入れば人員縮小、敷地売却など構造調整作業をするためだ。最近失業者数が6カ月連続で100万人台を記録した中で下半期の失業率指標にも赤信号が灯ったと評価される。
◇「限界企業危機現実化の可能性」
下半期の見通しが暗いというのがさらに大きな問題だ。主力輸出産業の危機は米国と中国の貿易紛争まで重なり「現在進行形」だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が先月に基準金利を引き上げ韓米の政策金利逆転幅は0.5ポイントに拡大した。韓国銀行の下半期基準金利引き上げは既定事実と受け止められている。
韓国銀行が基準金利を引き上げれば限界企業の償還負担が大きくなり大規模連鎖倒産につながる可能性がある。韓国銀行が3月に出した「2018年3月の金融安定状況」によると、3年連続でインタレストカバレッジレシオ100%未満の限界企業は2016年末の3126社で外部監査企業全体の14%に達した。これら限界企業の金融会社への負債は122兆9000億ウォンに達する。
最低賃金2桁引き上げと週52時間勤務制など現政権の労働政策も「信管」に挙げられる。韓国政府は来年の最低賃金を今年より10.9引き上げた8350ウォンに決めた。韓国の製造業平均稼動率は5月基準で73.9%と70%台を抜け出せずにいる。現在の人材と設備も100%活用できず在庫が増える状況で人件費の上昇は競争力低下につながるほかないと指摘される。
韓国経済研究院のユ・ファンイク革新成長室長は、「米国発の保護貿易主義による貿易減少は輸出で生きる韓国経済に直撃弾。輸出が鈍化し金利引き上げにより限界企業の危機が現実化すれば下半期には状況がさらに厳しくなるかもしれない」と話した。
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