6日に米国と中国の「貿易戦争」の銃声が鳴り響いた。10日ほど過ぎた現在の状況は米国の先制攻撃がしっかりと効いている様相だ。米国は中国製品2000億ドル相当に追加関税賦課を公言したが、中国は特別な反撃をしなかった。株価と人民元の価値が下がるなど中国経済も揺れている。対米貿易禁止制裁を受けた中国通信装備会社ZTEが13日に罰金と保証金など14億ドルを支払うと、中国のネットユーザーは「きょうは国恥日だ」として憤慨している。
◇「中国が押される理由はない」
これに対し中国の経済専門家の見方は全く異なるようだ。「中国が米国に押される理由はない」ということだ。林毅夫元世界銀行チーフエコノミストは、「中国が保有する米国国債の売却、中国国内の米国企業に対する制裁などカードは多い。中国は米国の攻勢にも年6%台の成長を維持できる」と話した。李稲葵元人民銀行通貨政策委員は、「貿易戦争が中国の国内総生産(GDP)に及ぼす影響は0.3%にすぎない。両国はとても多く絡まり合っており強力な争いをすることもできない」とした。国民経済研究所の樊網所長も「中国の潜在力が損なわれることはないだろう」と余裕を見せた。なぜそうなのか。現在の中国は1980年代の日本とは確実に違うという考えが背景にある。
彼らは今回の戦争を最小10年以上続くグローバル経済覇権争いとみている。そのため1985年のプラザ合意(ドル高是正に合意した先進国財相会談)を前後した日本経済の没落を「前車之鑑(前車の覆るは後車の戒め)」とみなければならないと声を高める。直近で展開された世界1位と2位の経済大国同士の貿易戦争の結果だからだ。
1980年代の日本経済は最近の中国経済とさまざまな面で似ていた。当時日本の世界輸出市場でのシェアは10%を超えた。不動産への偏りも激しかった。当時日本はGDP比の不動産投資比率が20%を超えていた。中国はこの割合が現在14%で世界最高水準だ。負債も多かった。中国のGDP比の負債比率は昨年基準256%で、日本の1990年代と似た水準だ。
◇政治問題への飛び火が心配
一方で決定的な差がある。最初に、中国は中進国だ。当時の日本に比べ成長潜在力が大きい。2番目、巨大な内需市場を持っている。3番目、米国に安保を依存しておらず振り回される理由がない。4番目、貿易構造が絡み合っており1対1での戦いが不可能だ。2016年基準で、中国で対米輸出が多い上位25社のうち21社が外国企業だ。台湾が14社、米国が4社、韓国が2社だ。中国の輸出が減れば米国と韓国も影響を受ける。5番目、米国も以前と同じではないということだ。米国の世界経済での割合は1985年の34%から2015年には22.5%に減った。結局彼らは中国が内需浮揚を通じて輸出と不動産依存度を引き下げ、人民元の過度な切り上げを防げば大きな問題はないとみている。
しかし貿易戦争は本質上政治的要素がさらに大きな変数となる。中国はこうした側面で弱点がある。共産党が支配する独裁国という点だ。中国が大衆の政治的要求を押さえ込むことができた最大の要因は経済成長の「速度」だったというのが大方の意見だ。『文明の衝突』著者であるサミュエル・ハンティントン元ハーバード大学教授は、経済発展速度が落ちれば社会的挫折が増加し政治的参加欲求が大きくなるが、これを制度的に吸収できなければ革命が起きると述べた。中国政府が米国に低姿勢で対応しているのは経済的敗北への恐れよりは政治問題への飛び火を心配しているためかもしれない。
◇「中国が押される理由はない」
これに対し中国の経済専門家の見方は全く異なるようだ。「中国が米国に押される理由はない」ということだ。林毅夫元世界銀行チーフエコノミストは、「中国が保有する米国国債の売却、中国国内の米国企業に対する制裁などカードは多い。中国は米国の攻勢にも年6%台の成長を維持できる」と話した。李稲葵元人民銀行通貨政策委員は、「貿易戦争が中国の国内総生産(GDP)に及ぼす影響は0.3%にすぎない。両国はとても多く絡まり合っており強力な争いをすることもできない」とした。国民経済研究所の樊網所長も「中国の潜在力が損なわれることはないだろう」と余裕を見せた。なぜそうなのか。現在の中国は1980年代の日本とは確実に違うという考えが背景にある。
彼らは今回の戦争を最小10年以上続くグローバル経済覇権争いとみている。そのため1985年のプラザ合意(ドル高是正に合意した先進国財相会談)を前後した日本経済の没落を「前車之鑑(前車の覆るは後車の戒め)」とみなければならないと声を高める。直近で展開された世界1位と2位の経済大国同士の貿易戦争の結果だからだ。
1980年代の日本経済は最近の中国経済とさまざまな面で似ていた。当時日本の世界輸出市場でのシェアは10%を超えた。不動産への偏りも激しかった。当時日本はGDP比の不動産投資比率が20%を超えていた。中国はこの割合が現在14%で世界最高水準だ。負債も多かった。中国のGDP比の負債比率は昨年基準256%で、日本の1990年代と似た水準だ。
◇政治問題への飛び火が心配
一方で決定的な差がある。最初に、中国は中進国だ。当時の日本に比べ成長潜在力が大きい。2番目、巨大な内需市場を持っている。3番目、米国に安保を依存しておらず振り回される理由がない。4番目、貿易構造が絡み合っており1対1での戦いが不可能だ。2016年基準で、中国で対米輸出が多い上位25社のうち21社が外国企業だ。台湾が14社、米国が4社、韓国が2社だ。中国の輸出が減れば米国と韓国も影響を受ける。5番目、米国も以前と同じではないということだ。米国の世界経済での割合は1985年の34%から2015年には22.5%に減った。結局彼らは中国が内需浮揚を通じて輸出と不動産依存度を引き下げ、人民元の過度な切り上げを防げば大きな問題はないとみている。
しかし貿易戦争は本質上政治的要素がさらに大きな変数となる。中国はこうした側面で弱点がある。共産党が支配する独裁国という点だ。中国が大衆の政治的要求を押さえ込むことができた最大の要因は経済成長の「速度」だったというのが大方の意見だ。『文明の衝突』著者であるサミュエル・ハンティントン元ハーバード大学教授は、経済発展速度が落ちれば社会的挫折が増加し政治的参加欲求が大きくなるが、これを制度的に吸収できなければ革命が起きると述べた。中国政府が米国に低姿勢で対応しているのは経済的敗北への恐れよりは政治問題への飛び火を心配しているためかもしれない。
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