文在寅(ムン・ジェイン)大統領が9日、インド・ニューデリーにあるサムスン電子新工場を見学している。(写真=中央フォト)
LGディスプレイが最近、中国政府から許可を受けた広州工場の鳥瞰図。
#建設機械を製造するB社は昨年6年ぶりに最大実績を達成した。売上(6兆5679億ウォン、約6526億円)と営業利益(6608億ウォン)が2016年比それぞれ14.6%、34.6%伸びた。中国と新興市場の建設好況のおかげだ。昨年は中国だけで1万851台の掘削機を販売した。中国の掘削機売上高(9168億ウォン)だけで1年で倍に伸びた。だが同社の職員数は一年前に比べてむしろ25人減った。B社関係者は「建設景気は市場が急変し、好況だからといって簡単に雇用を増やせないうえ、生産ラインの自動化で人材需要が以前のように高くない」と説明した。
企業では韓国内で雇用が増えない理由として、生産工場の「脱コリア」と労働市場の硬直性を挙げる。生産設備を増やさなければならない会社は工場を海外に作り、国内で生産余力がある企業はできるだけ人材採用を避けているということだ。
雇用が増えないもう一つの理由は、今後の景気を暗く見ている経営者が多いためだ。大韓商工会議所は製造業者2200社を対象とした「7-9月期製造業者景気展望指数(BSI;Business Survey Index)」を調査して11日発表したが、この数値は87にとどまった。企業景気展望指数が100以下なら「今期の景気は過去四半期に比べて否定的に見る企業が多い」という意味だ。この指数は85(昨年10-12月期)→ 86(今年1-3月期)→ 97(4-6月期)と、3四半期連続で上昇していた。だが、今期は展望が肯定的に変わる100を超えられなかったばかりか10ポイントも落ち込んだ。成均館(ソンギュングァン)大学経済学科のチョ・ジュンモ教授は「企業家が景気に対して期待を持つことができない限り、投資やこれに伴う雇用増大も期待できない」と述べた。
景気展望を業種別に分析してみると、雇用の見通しはさらに暗鬱だ。大韓商工会議所によると、▼造船業(BSI67)は2年前の受注絶壁に伴う実績不振▼自動車・部品(75)は米国関税引き上げの動き▼製油(82)は原油価格急騰の動き▼鉄鋼(84)は米国関税引き上げや自動車など需要産業の不況--で基準値を下回った。韓国の雇用の根幹をなす製造業、中でも雇用創出効果が大きな業種で軒並み景気見通しが悪化したのだ。ただし「Kビューティー」と「K医療」の人気のおかげで化粧品(127)、製薬(110)、医療精密機器(110)などの一部の業種だけ景気見通しが基準値100を上回った。
専門家は雇用を増やすためには経済政策の根本的変化が伴わなければならないと注文している。延世(ヨンセ)大学経済学科のソン・テユン教授は「雇用は企業が新事業に挑戦して投資する時に増える。政府もここに照準を合わせて雇用政策を出すのが正攻法で、効果も最も大きい」と述べた。
大韓商工会議所のイ・ジョンミョン経済政策チーム長は「体感景気に伴う短期的な対応策も必要だが、それよりも根本的に韓国経済の構造と体質を変えるところから雇用の解決策を探っていかなくてはならない」とし「新事業を阻んでいる規制をなくし、成長動力を拡充しなければならない」と注文した。
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