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韓国大企業、日本のドン・キホーテをベンチマーキングした「ピエロショッピング」オープン…成功するか?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

「ピエロショッピング」1号店

27日午前、ソウル・江南(カンナム)に位置するスターフィールドCOEXモール。色とりどりのカラフルな看板に引き寄せられ店内に入ったが、何を売る店なのかなかなかわかりにくかった。お菓子のすぐそばに靴が、その横にはTシャツが、Tシャツの前にはブランド品のバッグが置かれているスタイルだ。何をどこから見るべきか悩んでいるとスタッフが着ているユニフォームの背中に書かれた文字が目についた。「私もそれがどこにあるのかわかりません」。

新世界グループ鄭溶鎮(チョン・ヨンジン)副会長の野心作である「ピエロショッピング」1号店がオープンを来月1日に控えこの日公開された。ここは地下1・2階を合わせ2513平方メートルの広さに4万点を超える商品を販売するが、生鮮食品から化粧品と家電製品、台所用品とブランド品に至るまでないものがない。鄭副会長が3月に記者らと会った席で「1年間すべてを注ぎ込んで準備した」というほど力を入れていたところだ。

ピエロショッピングと似ているのが日本のショッピング店「ドン・キホーテ」だ。昨年の売り上げだけで8287億円を超えるドン・キホーテは20年以上の長期不況の中でも28年連続で売り上げと利益が増加している。鄭副会長は昨年9月に自身のインスタグラムに「市場調査中」という説明とともにドン・キホーテを訪問した様子を公開したりもした。


実際店内のあちこちがドン・キホーテを連想させる。まず整理整頓された陳列とはほど遠い。台所用品をちょっと見ようかと何歩か歩くと突然化粧用コットンの陳列台が登場し、さらに何歩か進むとダイソンの掃除機が現れる。まるで路地のように友達と並んで通路に入るには狭く、歩を進めるたびに他のお客と急に出会うのが普通だ。

ここでは商品が配置された通路と通路の間隔は90センチメートルで、大型マートの2.5メートルの3分の1水準だ。2513平方メートルの店舗に4万種類余りの商品を陳列するためだ。通常大型マートが1万平方メートルで5万~8万種類の商品を売っているという点を考慮すると、売り場全体が物であふれた迷路のようなものだ。なにげなく天井を見上げてみても値札がついた商品が空中に吊されているほどだ。

こうした圧縮陳列方式を通じて得られる効果は「楽しさ」だ。すっきりとしていて便利な既存の見慣れた売り場構成の代わりに商品を複雑に配置して消費者が店内をすみずみまで長く探険し予想できない発見をする方式を追求する。こうした「宝探し」方式は実際にドン・キホーテの核心戦略でもある。ドン・キホーテの1店舗当たり販売商品数は5万個に達する。

楽しさに続くピエロショッピングのまた別の核心戦略は安い価格だ。賞味期限が迫ったり倒産した会社の商品を買い入れて顧客に特価で提供する「急所価格」をはじめ、カテゴリー別に人気があったり価格競争力が優秀な製品には「甲オブ甲」、ピエロショッピングが単独で作った商品には「ピエロ価格」という名前を付けて販売する。ブランド品も販売するが、店舗関係者は「免税店水準の価格経験を提供するのが目標だが、ひとまず百貨店よりは確実に安い」と説明した。

化粧品の場合、大手ブランド製品は販売しないことにした。ピエロショッピングのユ・ジンチョル担当BM(ブランドマネージャー)は、「他の品目も既存の流通業界では販売しにくい中小企業の製品を積極的に誘致し広報の場にしようと思っている。周辺の小売店と重複する商品の販売は控え、地域の名所としてお客を集め商圏活性化にも寄与したい」と話す。

ピエロショッピングの主要ターゲットは20代と30代だ。トレンドを牽引するこれら世代の心をつかむために店舗管理方式も変えることにした。イーマートでは本社の指針によりすべての店舗を同じように運営する標準化を追求したが、ここでは消費者と最も近いところで働く店長の権限を拡大することにした。店舗を運営しながら奥に置いていた商品に人気があるなら前面に陳列方式を変えたり、該当店舗に納品を希望する業者がいれば担当者が直接商品を調達する権限まで与えることにした。特価製品の価格を店長が調整もできるため、このようにすればドン・キホーテのように店舗ごとに価格の異なる商品が出てくることもあるという説明だ。

ピエロショッピングは大型マートなど既存のオフライン市場の停滞を克服するための突破口だ。鄭副会長はこれまで数回にわたり既存のオフライン店舗の限界に備え、その案は顧客に滞在する楽しさを与えることだと強調してきた。昨年下半期の経営戦略会議特講で「15年で大型マート売り上げが半減した日本のように、韓国の大型マートももっと気軽で楽しい競争業態に押されかねない」と明らかにした。続く今年の新年辞では「ストーリーがあるコンテンツで顧客がわれわれの店を訪ねられるようにしなければならない」と言及している。ユ・ジンチョルBMは「あまりにも消費者がオンラインに多くシフトしている状況だがオンラインは商品を直接触ったり見ることができず、既存のオフライン店舗は価格が高く商品の種類も少なくてつまらなかった。既存のオンライン・オフラインを超える新しいショッピング経験を提供するのが目標だ」と話した。

イーマートは今回の1号店に続き東大門(トンデムン)ドゥータと論ヒョン洞(ノンヒョンドン)にそれぞれピエロショッピング2号店と3号店を年内に追加でオープンする。ソウルと首都圏を中心に店舗を展開した後、地方にも店舗を拡大する計画だ。



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