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米国本社が利子商売? 労組・政界の根拠弱い「GM食い逃げ論」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ゼネラルモーターズ(GM)本社が提示した韓国GMの法定管理(裁判所主導の企業再建手続き)期限の20日が差し迫っているが、労使は自助案で合意できずにいる。こうした状況で民主労総と与野党政界はGMとKDB産業銀行に対する批判水準を高めている。米GM本社が韓国GMの利益を持ち出す「食い逃げ」行為を行ったということだ。しかし中央日報がGM本社の高金利貸し付け、過度な研究開発費負担、本社の不合理な完成車・部品取引疑惑など、韓国GMの経営悪化の原因として提起される3種類の疑惑をGM本社の年次報告書(GM10-K)と韓国GMの会計帳簿、信用評価報告書などに基づいて分析した結果、特別な問題点は見つからなかった。まず労組と政界はGM本社が韓国GMに年5.3%と4.8%の金利で2017年末現在1兆1000億ウォンを貸し付けているのは、「本社が韓国GMの利益を持ち出すための高金利貸し付け」と主張する。しかし韓国GMに貸し付けたGM本社も4~5%台の金利で外部から資金を借りている。

GM本社も負債比率が2017年末基準で507%に達するなど財務状態が良くなく、格付けが低く形成されているためだ。国際格付け会社のムーディーズは2月にGM本社の格付けを「Baa3」と評価した。信用が良くない本社が多少高い金利で金を借りて子会社に同水準の金利で貸し付けることをめぐり「高金利で利子商売をしている」とみるのは難しいだろう。

本社が韓国GMに過度な研究開発費を負担させたという疑惑も根拠が不足するのは同様だ。全国非正規労組連帯会議のオ・ミンギュ政策委員は10日、「韓国GMの不良、本当の原因糾明大討論会」で、韓国GMの研究開発費支出は2003~2006年の平均2700億ウォン水準から2007年~2016年には6000億ウォン規模に大きく増えた」と指摘した。しかし2003年から2017年まで韓国GMの売上比研究開発費支出比率を調査すれば3~4%水準と一定している。研究開発費支出が増えた時期には売り上げもそれだけ増えている。これは海外法人の売上比率により海外子会社全体の研究開発費支出額を分配する「費用分担協定(Cost Share Agreement)」に従ったものだ。海外子会社全体に適用する同じ研究開発費処理基準だ。韓国GMのパク・ヘホ部長は「監査報告書に公示されていないが、支出された研究開発費の相当部分を本社が再び戻す政策もある」と説明した。


このほかに本社が完成車と部品を不当な価格で韓国GMと取引したという疑惑も「経済協力開発機構(OECD)規約によりすべての海外支社に同じ価格で完成車と部品を取引している」というのが会社側の説明だ。

結局韓国GMの不良原因はこれまで提起された3種類の疑惑とは距離があるといえる。民主労総主催討論会の発表者として出た慶熙(キョンヒ)大学のファン・ヒョンイル社会学博士も2012年を基点に韓国GMの成長が下落した核心的な理由として、▽中国工場の生産能力拡張▽欧州のシボレーブランド撤退にともなう販売市場縮小▽韓国GMの独自車両開発利点の喪失などを挙げた。

こうしたマクロ的な状況は韓国政府と政界が変えるのは難しい。またGMの韓国市場撤収の有無はGM本社の経営判断で、これに対し関与することもできない。GMが韓国に残るよう望むならばそれなりの理由を提示しなければならないだろう。技術が優れた協力企業が多く、未来技術をいち早く受け入れる韓国市場の長所を生かして韓国工場の高コスト構造を克服してこそGMも続けて韓国で事業する理由ができるだろう。現代自動車やサムスン電子など韓国代表企業が海外生産基地から撤退するかどうかを決めるのと同じものさしでGMを見つめなければならない。





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