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支持率に酔って側近人事・「他人に厳しく自分に甘く」…安倍危機まねいたのは“傲慢”

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
森友学園の国有地売却問題をめぐり、財務省理財局長の佐川宣寿氏が証人喚問で野党議員の追及に苦しめられていた。その時、佐川氏にメモが渡された。

10メートル前に座っていた安倍晋三首相秘書官が伝達したものだった。「もっと強気で行け。PMより」--。PMは「Prime Minister(首相)」の略だ。

これに先立ち、安倍氏は国会で森友スキャンダルに関連し、「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」として自ら退路を断った。首相が退路を断った以上、官僚には選択肢がなかった。安倍氏はその官僚に「もっと強気で行け」と、忠誠を強要した。日本の月刊誌「文藝春秋」5月号「佐川氏に渡された『総理のメモ』」という記事で紹介されたこの場面は、5年4カ月間続いてきた「安倍1強」日本政治の素顔だった。ところが難攻不落のように見えたその安倍氏の牙城が揺れている。


日本テレビが今月13~15日、1952人を対象に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は前月比3.6%ポイント下落した26.7%だった。2012年12月に第2次安倍内閣発足して以来、最悪の支持率だ。支持率20%台は日本で「政権維持の危険水域」と言われている。

14~15日の朝日新聞の調査では内閣支持率が前月と同じ31%だった。だが「支持しない」という比率は52%で、前月比4%ポイント上昇した。2012年12月の第2次安倍内閣発足以降で最も高かった。

2020年東京オリンピック(五輪)を越えて歴代最長の首相として順風満帆に進んでいるように見えた安倍内閣はなぜ危機を迎えたのか。その根本のほとんどは、1強体制の持続がまねいた傲慢に関するものだ。

(1)1強の圧迫、忖度の官僚社会

安倍氏と首相官邸の意向を推し量り「自分で判断して一歩下がって振る舞う」、いわゆる官僚の「忖度(そんたく)」は森友・加計学園スキャンダルを貫く核心概念だ。

忖度の出発点は人事権だった。安倍氏は2014年に発足した内閣人事局を通じて、かつて各部署の判断に任せていた審議官級以上の幹部職員600人の人事権を掌握した。官僚社会は「忠誠競争モード」に転換し、財務省文書改ざんのような不条理が生じた。

(2)内部のコード人事

文書改ざん、学校法人との事前口裏合わせなどスキャンダルの中心には財務省がいる。財務省は安倍政権のナンバー2である麻生太郎副総理兼財務相が総指揮している。安倍氏は国民の圧倒的な更迭世論にも麻生氏をかばい続けている。「自民党内2位派閥のトップである麻生氏を放出したら、9月の総裁選での勝利が危うくなる」という内部の政治論理を国民の声より前に置いているのだ。

(3)「幽体離脱」と「他人には厳しく自分に甘く」

日本国民を刺激しているのは「幽体離脱」「他人には厳しく自分に甘い」ところだ。安倍氏は行く先々で「膿を出す」と言って日本社会の大改造を強調する。だが、森友学園が国から安値で購入した敷地の上に作ろうとしていた小学校は昭恵夫人が名誉校長まで引き受けたところだ。獣医学科特恵新設疑惑を受けた加計財団は安倍氏の親友が理事長を務めている。それでも安倍氏は「私は全く知らなかった」という立場だ。野党から「安倍氏こそが膿」という非難が出てくるのはこのためだ。

(4)高い支持率に酔っていた

安倍政権の原動力は50%前後を維持していた高い支持率だ。安倍氏はこのような支持率に敏感だ。今年2月9日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との平昌(ピョンチャン)首脳会談でも「あなたは支持率も高くないのか」と言って韓日慰安婦合意の履行を圧迫した。だが、支持率を頼みに推進していた改憲と働き方改革などのイシューがいまでは「拙速推進」として批判を受けるブーメランになって返ってきている。弱々しい野党は安倍氏の高い支持率をますます印象づけた。安倍政権が崩壊しかかっている今でも、朝日新聞調査で野党支持率は立憲民主党10%、共産党3%、民進党2%、日本維新の会1%水準と惨憺たる有様だ。反面、連立与党は自民党33%、公明党4%だ。独占的支持率が「何をしてもびくともしない」という傲慢の土壌になったのだ。



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