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【グローバルアイ】「財務省が壊れた」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
官庁が集まっている東京霞が関。中でも財務省は最強の省庁に挙げられてきた。財務省の建物の形が「日」の文字の形をしていて、財務省職員は自分たちのことを「日本そのもの」と言うほどプライドが高い。予算編成権を持ち、全部署の情報が集まる場所、そのため強大な権力を振るっているのがこの財務省だ。だが、最近では各種政権のスキャンダルに巻き込まれてその威勢が地に落ちている。

今月9日、国会参院決算委員会で財務省の太田充・理財局長の顔が赤く、熱くなった。太田氏は「大変恥ずかしく、大変申し訳ない」と述べながら頭を下げ続けた。森友学園国有地売却問題が大きくなった昨年2月、財務省所属職員が森友学園側といわゆる「口裏合わせ」をしていた事実を認めたのだ。太田氏は与党議員から「ばかか」という叱責まで浴びせられた。意気天を衝くような財務省高位官僚の自尊心が奈落の底に落ちた瞬間だった。

この日からわずか2週間前、国会に出席したもう一人の財務省官僚出身の佐川宣寿・前国税庁長。佐川氏が見せた姿は180度違った。財務省の大量文書改ざんが明らかになった状況。佐川氏は不利な質問には「刑事訴追の可能性がある」と述べながらのらりくらりと返事を避けた。その一方で、首相や副首相など上部の指示は「一切なかった」として忖度(他人の心を推し量って行動する)に余念がなかった。いったいエリート官僚が誰がやらせたわけでもない犯罪行為をなぜ、誰のためにしたというのか。テレビ中継で佐川氏の答弁を見ていた国民は「財務省が完全に壊れた。恥ずかしい」とし、肩を落とした。


“不可能なことは何もない”財務省の失墜は2012年安倍第2次内閣発足時期と重なる。安倍首相は政治の官僚支配を宣言して、権力を首相官邸に集中させた。中でも核心は財務省を完全に手中に収めることだった。

政権は人事を通じて組織を掌握した。わざと財務省出身官僚は「パッシング」して、経済産業省出身を抜てきするなどして側近で固めた。情報は自然に財務省に集まらず官邸に集中した。昨年、森友学園スキャンダルの局面でしどろもどろの答弁をした財務局長はその年の夏に職位を解かれた反面、全身で防壁の盾になった理財局長は勢いに乗った。その人物こそが佐川氏だ。

財務省の失墜は、政治が官僚組織を支配した場合に起きうる最悪の結果を見せている。政権の意に合わせて官僚を配置した時、私人の利益のために権力を使った時、どのような結果を招くのか、私たちも過去の政権の事例を通じて学んだ。政治と官僚組織は適度な距離と緊張感を維持しなければならないということはどこの国にも通じる真理だ。

ユン・ソルヨン/東京特派員



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