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天宮は過ぎ去ったが…いまも人工衛星21基が地球に落下中(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

最近になり人工衛星を打ち上げる国が大きく増え、衛星同士の「交通事故」も頻繁になっている。現在のスピードで推移すれば2050年には宇宙ごみが急増するものと予測される。

落下していた中国の宇宙ステーション天宮1号の残骸が2日午前、南太平洋の海中に消えた。幸い人命被害の報告はなかった。また平和な地球に戻ったのだろうか。

5日に中央日報が大田(テジョン)の韓国天文研究院宇宙危険監視センター状況室を訪れた。状況室の大型モニターを見ると、今月中に墜落が予測される人工宇宙物体だけで24個あり、このうち21個がすでに落下していると表示されていた。来月にも13個が落下すると予測される。13日に米国の通信衛星イリジウム19号が、14日にはロシアの通信衛星コスモス2251の残骸が落ちると予測される。19日には東京大学が1978年に打ち上げて地球磁気圏観察衛星「じきけん」も落下が予想される。

「宇宙ごみ」が韓国に落ちる場合に備えるため韓半島(朝鮮半島)上空を24時間観測する宇宙監視レーダーシステムを作る案を韓国政府が検討することにした。科学技術情報通信部は11日午後、韓国研究財団ソウル事務所で産学研専門家会議を招集し宇宙ごみの実態と対応案を議論した。


米国、日本、スイスなどさまざまな国の宇宙開発機関は、網、ロボットアーム、電流が通じる電磁気綱などを利用して宇宙ごみを捕獲したり、宇宙ステーションなど大型宇宙ごみを小型衛星とドッキングさせ統制可能な状態で地球の大気圏で焼却させる案などを検討中だ。

天文研究院によると地球上空の宇宙には4月現在1万8953個の人工宇宙物体が軌道を回っている。このうち1万6844個を米国や韓国など主要国の宇宙環境監視機関が軌道追跡をしている。逆にいえば軌道を回っている人工宇宙物体のうち2000個以上が軌道追跡さえできていないという話だ。ここでいう人工宇宙物体とは人が作った直径10センチメートル以上の物体を指す。だが衛星衝突や故意的破壊などによる残骸の中には直径1センチメートル以上の大きさの宇宙物体も50万個から100万個の間と推定されている。

大気が少しでもある地球上空高度1500キロメートル以下を回る人工宇宙物体はいつかは地球に落ちる。大気との摩擦と地球の重力のためだ。高いところにあるほど大気が希薄で摩擦が少なくゆっくり落ちるだけだ。高度900キロメートルの軌道を回る人工宇宙物体が自然に落ちるには1000年以上かかる。400キロメートルに下がってくれば数年以内に、300キロメートル以下では数カ月で落ちる。300キロメートル台の低軌道を回っているさまざまな人工衛星が落ちてこないのは自ら推進力を持っており、姿勢を制御したり軌道修正ができるためだ。人工宇宙物体が高度78キロメートルに達すると摂氏3000度以上の摩擦熱に勝てず爆発・分解する。その後は早ければ6分、遅くとも30分で地上に落ちる。

幸いなのはこのうち多くの物体は秒速7~8キロメートルの超高速で落下中に大気との摩擦で燃え尽きるという点だ。だが大きさが大型バス程度で重さも8.5トン以上の天宮1号のような大型宇宙物体の場合、落下過程でも10~40%程度の破片が残り地上に落下する。

人工宇宙物体が危険なのは重さと速度のためだけではない。1978年1月にカナダ北西部に落下したソ連のコスモス954号の場合、ウラン235を利用した小型原子炉を利用してエネルギーを供給していた。一般的にこうした衛星は任務を終えれば原子炉を衛星から分離して高い軌道に置き、何世紀にわたり漂流させる。だがコスモス954は打ち上げから4カ月でコントロールできなくなり軌道をはずれて落下した。当時落下地域であるカナダのアルバータとサスカチュワン一帯に核物質がばらまかれ、これを除去するだけで当時の金額で約600万ドルの費用がかかった。



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